四柱推命の「冲」とはどういう意味?

十二支を輪に並べたとき、真向かいに位置する二つの字は「冲(ちゅう)」します。正面から向き合って剋し合う、この一連の関係の中でもっとも揺れの大きい、激しい関係です。冲は悪いことだと思われがちですが、そうとは限りません。冲の本質は「動」です。根こそぎ抜かれる損傷にもなれば、閉ざされた倉を打ち開くチャンスにもなります。

関係の種類
冲(真正面からのぶつかり合い)
六組
子午・丑未・寅申・卯酉・辰戌・巳亥
三つのグループ
四正の冲(子午・卯酉)はもっとも激しく、四生の冲(寅申・巳亥)は移動、四庫の冲(辰戌・丑未)は庫を開く
傾向
揺れ・変化・原動力(すべてが凶ではない)
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
子と午は向かい合って冲する(六冲の一つ)

一、「冲」とは何がぶつかるのか

十二支(子・丑・寅……)を、時計の文字盤に並んだ十二の字だと思ってください。「冲」とは、文字盤の真向かいにある二つの字が、中心をはさんで正面からぶつかることです。子と午、卯と酉、寅と申……どれもちょうど六つ離れています。なぜ向かい合う字が冲するのでしょうか。真向かいの二字は、もともと五行が剋し合い、方位も正反対だからです。子(真北の水)と午(真南の火)なら、北と南、水と火が向かい合い、水がまっすぐ火を剋しに行きます。これが冲です。口げんかではなく正面からの相剋なので、どちらか一方が押さえ込まれることになります。

二、六冲は三つのグループに分かれる

六組の冲はばらばらに見えますが、実は性格のまったく違う三つのグループに分かれます。これをつかめば丸暗記はいりません。四正の冲(子午・卯酉)はもっとも激しい:子午(水と火)、卯酉(金と木)はどちらも「純粋な気」どうしの正面衝突で、力がもっとも強く直接的です。感情や気持ちの大きな浮き沈みとして現れることが多い組です。四生の冲(寅申・巳亥)は移動を表す:寅申巳亥の四字は「駅馬(えきば)」と呼ばれます。昔、公文書を運んで各地を駆け回った早馬を思い浮かべてください。この四字が冲すると、引っ越し、遠出、環境の変化、外を飛び回る暮らしとして現れやすくなります。四庫の冲(辰戌・丑未)は庫を開く:辰戌丑未の四字は「四庫(しこ)」と呼ばれ、鍵のかかった四つの倉のようなものです。中にはお金や何らかのエネルギーがしまわれています。これらが冲し合うのは、鍵で倉を打ち開くようなもので、しまわれていた物が外に出てきます。

三、冲の三つの働き:動かす・取り去る・開く

同じ冲でも、命式の上での働きはおおむね三つです。動かす(冲動):静かだった字を揺さぶって動かし、その柱が表す人や事柄も揺れ動きます。取り去る(根を抜く):二字が剋し合い、弱いほうが強いほうに押しつぶされると、根こそぎ抜かれてしまいます。これを「抜根(ばっこん)」といい、若木が一本まるごと引き抜かれるイメージです。どちらが傷つくかは強弱によりますし、距離にもよります。隣り合う近い冲は力が大きく急で、柱をひとつ隔てた遠い冲は穏やかで軽くなります。開く(開庫):四庫の冲だけの働きで、倉を打ち開いて中身を出します。

四、いつ引き金が引かれる?どの柱に当たる?

命式は静止していて、動くのは運のほうです。命式の中の冲は、たいてい大運(十年ごとに変わる運)や流年(一年ごとに変わる運)が向かい側の字を運んできたときに火がつきます。冲が誰に当たるかは、四柱のどの柱にあるかで決まります。年柱は先祖や目上、月柱は仕事と両親、日支は配偶者の座(夫妻宮)、時柱は子どもと晩年に関わります。いちばん激しい子午冲のように、一組ずつの詳しい話は各組の記事をご覧ください。

五、冲はいつでも悪いこと?

そうとは限りません。ここが冲のもっとも誤解されやすいところです。冲の本質は「動」です。取り去られるのが命式のお荷物(忌神)であれば、荷物を運び出してくれたのと同じで、かえって助かります。駅馬を持つ人なら、冲がきっかけで遠くへ出たり、昇進したり、よりよい舞台に移ったりすることもあります。冲で財の庫が開けば、まとまった収入や逆転のチャンスになるかもしれません。本当に痛いのは、冲で取り去られるのが、あなたにとっていちばん大切で頼りになる力(用神・喜神)だった場合です。そのときの冲こそ、正真正銘の損失になります。

六、命式の中の物語

陳さんの命式では、財が「庫」の中にしまわれていました。財星がちょうど「辰」の上に座っていたのです。辰は四庫の一つで、鍵のかかった倉のようなもの。財はあるのに、鍵がかかっていて取り出せません。何年ものあいだ、お金は目の前にあるのに手が届かない、という感覚が続きました。ある年、年運が「戌」になり、戌と辰が真正面から冲しました。この鍵が、力ずくで倉を打ち開いたのです。庫が開くと、何年もため込まれていた財が一気に表に出てきました。その年、彼は長く止まっていた商談をまとめ、まとまった収入を得ました。同じ「冲」でも、位置や相手が変われば、火を消す災いではなく、錠が開く喜びになります。命式の冲が吉か凶かは、いつも「何に冲が当たったか」とあわせて見る必要があるのです。

あなたの命式にある冲は、喜神と忌神のどちらに当たっていますか?

六冲がどの柱にあるのか、根を抜くのか庫を開くのかは、四柱全体を見てはじめてわかります。生年月日を入れて無料の命式を出し、ご自分の冲を確かめてみてください。

よくある質問

地支の六冲は必ず凶ですか?

そうとは限りません。冲の本質は「動」です。忌神を取り去る冲、駅馬が冲されて遠くへ出る冲、庫が冲されて開く冲は、どれも良い方向に働くことがあります。本当の損失になるのは、用神・喜神が冲で取り去られる場合だけです。

六冲はどう覚えればいいですか?

三つのグループで覚えるのが早道です。四正の冲(子午・卯酉)はもっとも激しく、四生の冲(寅申・巳亥)は移動、四庫の冲(辰戌・丑未)は庫を開く働きです。

二つの字が隣り合っていなくても冲になりますか?

なりますが、力が違います。隣り合う近い冲は力が大きく急で、柱をひとつ隔てた遠い冲は穏やかで軽くなります。

「開庫」とは何ですか?

辰戌丑未の四字は鍵のかかった倉(四庫)のようなもので、互いに冲すると倉が打ち開かれ、中にしまわれていた財やエネルギーが出てきます。収入が入る、状況が開けるといった形で現れることが多いです。

あわせて読みたい: 十干の日干 · 通変星 · 五行の過不足

← 干支の関係の一覧へ戻る