北斗七星:北極星を見つけ、季節を知る
北斗七星は世界でいちばん有名な星の並びかもしれません。2〜3 等星が七つ、ひしゃくの形に並び、街明かりの中でも見えます。中国の天文家はこれで北を知り、季節を知り、柄が指す方角で月の名前まで決めました。四柱推命の月柱が寅月から始まるのは、そのためです。
七つの星
| 位置 | 中国名(読み) | 西洋の名前 | 等級 | 道教での名(紫微斗数で使う名) |
|---|---|---|---|---|
| 器 1 | 天枢(てんすう) | ドゥーベ(おおぐま座) | 1.8 | 貪狼 |
| 器 2 | 天璇(てんせん) | メラク(おおぐま座) | 2.3 | 巨門 |
| 器 3 | 天璣(てんき) | フェクダ(おおぐま座) | 2.4 | 禄存 |
| 器 4 | 天権(てんけん) | メグレズ(おおぐま座) | 3.3 | 文曲 |
| 柄 1 | 玉衡(ぎょくこう) | アリオト(おおぐま座) | 1.8 | 廉貞 |
| 柄 2 | 開陽(かいよう) | ミザール(おおぐま座) | 2.2 | 武曲 |
| 柄 3 | 揺光(ようこう) | アルカイド(おおぐま座) | 1.9 | 破軍 |
ミザール(開陽)のすぐそばには 4 等星のアルコルがあり、中国名は「輔」、日本では「添え星」とも呼ばれます。これが見えるかどうかは、昔から視力を試す目安でした。
北斗七星から北極星を探す
器の先端の二つの星、メラクとドゥーベ(天璇と天枢)を結び、ひしゃくの口の方向へ約 5 倍延ばすと北極星に着きます。当サイトの計算では、メラクからドゥーベまで約 5.4°、ドゥーベから北極星まで約 28.7° で、ちょうど 5.3 倍です。北極星はこぐま座の柄の端にある 2 等星で、真北の、その土地の緯度とほぼ同じ高さにあります。
北斗七星が低くて見えないときは、北極星をはさんで反対側にある W 字形のカシオペヤ座を使います。秋と冬の宵に高く昇ります。
緯度が低いと北斗は沈む:台北と東京
北に行くほど北斗七星は沈まなくなります。器のドゥーベは北緯約 28° 以北で一晩中沈まず、柄の端のアルカイドは北緯約 41° 以北で沈まなくなります。東京(北緯 35.7°)ではドゥーベは沈みませんが、アルカイドは季節と時刻によって地平線の下に入ります。台北ではさらに低く、毎日一定の時間、北斗全体が地平線の下にあります。各月 15 日夜 9 時の高度を比べてみましょう。
| 月 | ドゥーベ(台北) | アルカイド(台北) | ドゥーベ(東京) | アルカイド(東京) |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 20° | 地平線の下 | 30° | 5° |
| 2月 | 34° | 9° | 44° | 19° |
| 3月 | 46° | 27° | 57° | 36° |
| 4月 | 53° | 46° | 64° | 55° |
| 5月 | 50° | 62° | 59° | 73° |
| 6月 | 39° | 64° | 46° | 72° |
| 7月 | 25° | 49° | 32° | 54° |
| 8月 | 11° | 29° | 20° | 35° |
| 9月 | 1° | 10° | 11° | 17° |
| 10月 | 地平線の下 | 地平線の下 | 7° | 3° |
| 11月 | 地平線の下 | 地平線の下 | 10° | 地平線の下 |
| 12月 | 7° | 地平線の下 | 18° | 地平線の下 |
当サイトの星空エンジンで計算(大気差は考慮せず、時刻はそれぞれの地方の標準時)。実際には高度 10° 以下は建物や山、かすみに隠れることが多いです。
台北では9月・10月・11月・12月の夜 9 時には北斗がとても低いか沈んでいて、カシオペヤ座で北極星を探すほうが確実です。東京でも秋の宵の北斗は北の低い空にあるので、カシオペヤ座が頼りになります。北斗が最も高く、覚えやすいのは春の宵(3〜5 月)です。
柄の向きで季節を知る
古書『鶡冠子』は、北斗の柄が東を指せば天下はみな春、南を指せば夏、西を指せば秋、北を指せば冬、と述べています。日暮れに柄が北極星のどちら側へ回っているか、という意味です。当サイトの計算で、2027 年の台北の夜 8 時に柄の端の揺光(アルカイド)が北極星から見てどこにあるかを示します。
| 節気 | 揺光の位置 | 北極星のどちら側か |
|---|---|---|
| 春分(3月20日) | 北東の空、高度 20° | 右側(東) |
| 夏至(6月21日) | 北の空、高度 66° | 上(南の方向) |
| 秋分(9月23日) | 北西の空、高度 15° | 左側(西) |
| 冬至(12月22日) | 地平線の下(北) | 下(北の方向、地平線すれすれか下) |
北を向いたとき、上は天頂へ、その先は南へと続くので、「柄が北極星の上にある」ことが古人の言う「南を指す」です。四つの季節の向きは古書とおおむね合っています。冬至の日暮れには柄が北極星の下に回り、台北ではすでに地平線の下です。
斗建と月建:四柱推命の月柱が寅月から始まるわけ
古人は地平の方位を十二支に分け、日暮れに北斗の柄がどの支を指すかで月を決めました。これを「斗建(とけん)」といい、柄が寅を指せば正月、卯を指せば二月……となります。夏暦は寅の月を正月とし、四柱推命の月柱も今この順序を受け継いでいて、一年は寅月から始まり、月は節気(立春・啓蟄……)で替わります(天干地支、節入りの境目)。
ただし斗建は、古人が天象を暦にまとめたときの根拠です。現在の四柱推命では、太陽がどの節気に達したかで月を替えるので、実際に北斗の柄を見る必要はありません。
北斗と南斗
南斗六星は二十八宿の斗宿で、いて座にあります。形はやはりひしゃくですが、北斗より小さく暗く、夏の宵に南の低い空に見えます。中国には「南斗は生を司り、北斗は死を司る」という言い伝えがあり、志怪小説集『捜神記』に見える神話・伝説です。
台北 4 月 15 日 夜 9 時。空を見上げたときの向きで、北が上、東が左、中心が天頂、外周が地平線です。惑星と月は年によって位置が変わるため描いていません。特定の日の空は、このページのツールでご覧ください。
よくある三つの誤解
北斗七星は一つの星座。
北斗七星はおおぐま座の一部で、独立した星座ではありません。ただし中国の星官では、北斗は紫微垣のそばにある独立した星官です。
北斗七星は一年中見える。
緯度しだいです。台北(北緯 25°)では毎日一定の時間地平線の下にあり、9月・10月・11月・12月の夜 9 時は特に低くなります。北緯約 41° より北なら、北斗全体が沈みません。
七つの星はどれも同じ明るさ。
天権(メグレズ)だけは 3.3 等と暗く、ほかの六つは 2 等前後です。いちばん明るいのは玉衡(アリオト)です。
今夜の星空:いま頭の上に何があるか
日付・時刻・場所を選ぶと、その瞬間の全天星図を描き、月、惑星、高く昇っている明るい星、そして真南に南中している二十八宿を表示します。西洋の星座と中国の星官の線を切り替えられます。計算はすべてお使いのブラウザの中で行います。
星表:ヒッパルコス星表の 5 等星までの約 1,600 個(d3-celestial から整理、BSD ライセンス)。月と惑星は簡易計算で位置の誤差は 0.3° 以内、大気差は考慮していません。
正直に言うと:ここで扱うのは天文で、吉凶ではありません
このテーマで扱うのは、実際に空に見える星のことです。どの方角にあり、どの季節に見え、東洋と西洋でそれぞれ何と呼ぶか。暦注の「今日の宿」、宿曜占星術、テレビの星占いの十二星座、紫微斗数の星は、どれも星の名前を借りていますが別の計算体系で、その夜の空の星とは対応していません。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。
月柱は寅月から:あなたの四柱を見る
斗建によって一年は寅月から始まり、四柱推命の月柱もそのように組まれます。生年月日を入れて、無料で四柱を出してみましょう。
北斗七星のよくある質問
北斗七星の中国名は?
天枢(ドゥーベ)、天璇(メラク)、天璣(フェクダ)、天権(メグレズ)、玉衡(アリオト)、開陽(ミザール)、揺光(アルカイド)です。前の四つが器、後の三つが柄です。
北斗七星から北極星はどう探しますか?
メラクとドゥーベを結び、ひしゃくの口の方向へ約 5 倍(当サイトの計算で 5.3 倍)延ばすと北極星です。
北斗七星がいちばん見やすいのはいつですか?
春の宵(3〜5 月)で、このとき最も高くなります。秋の宵は低く、台湾のような低緯度では地平線の下になることもあります。
北斗七星と紫微斗数の関係は?
紫微斗数の貪狼・巨門・禄存・文曲・廉貞・武曲・破軍は北斗七星の道教での呼び名ですが、命盤の星は生まれた時刻から計算するもので、空の実際の位置には対応しません。