四柱推命の神殺(しんさつ)とは?吉神と凶殺を一枚の表で
神殺(しんさつ)は命式に貼られたラベルです。ひとつの名前で吉凶の傾向をまとめて言い表すので、覚えやすく広まりやすい。だからこそ人を怖がらせたり、過大評価されたりしやすいものでもあります。このページでは、よく使われる神殺を四つのグループに分けて並べ、正しい読み方を示します。神殺は注釈であって、骨組みではありません。凶殺は注意書きであって、判決ではありません。
1・貴人と吉神
災いを福に転じ、困ったときに助けが来るもっとも尊い吉神。引き立ててくれる人や後ろ盾に恵まれ、災いが福に転じやすく、困ったときにはだれかが手を差し伸べてくれます。
心がやさしく、先祖からの福分がある人。災いがやわらいで福に変わり、大きな災難が少なく、守られることが多いとされます。
聡明で学問好き、書類や試験に強い。話が明快で筋道立っており、学業・文章・試験運に追い風が吹きます。
哲学・形而上学・宗教への関心が生まれつき強い人。最後までやり抜くので、遅くても着実に成功します。
多才で志が大きい。三奇を持つ人には、並外れた才能と度胸があることが多いとされます。
権威と信用をつかさどり、公職や信頼を託される立場に向きます。ルールを守り、約束を守る人です。
生涯を通して福分が厚く、衣食に困らず、食べ物にも恵まれ、暮らしの基本で悩むことが少ないとされます。
2・桃花・華蓋・駅馬
縁、才能、移動人を引きつける魅力があり、芸術的なセンスも持ちます。恵みであると同時に試練でもあり、課題は「だれが自分に合うかを見極めること」です。
結婚・慶事・子宝をつかさどります。これがめぐってくる年には、うれしい出来事が起こりやすいとされます。
情熱的でロマンチック、感情の深い人。一途に愛するぶん、恋の道にはいくつか曲がり角があります。
移動・転居・旅、そして変化をつかさどります。動くほど道が開け、財も機会も遠くの流れの中にあります。
聡明で孤高、宗教・芸術・形而上学に惹かれます。並外れた才能の持ち主ですが、どこか孤独の影を帯びがちです。
3・権威・財と身分
権力、収入、楽しみ統率力と指揮力、重みのある威厳。人の心をつかみ、上座に座るのが自然な人です。
身分と富を象徴する車。良縁、暮らしの快適さ、気品をつかさどります。
衣食と収入。自立して自分の腕で稼ぎ、安定した暮らしの糧に困りません。
4・凶殺
注意書きであって、判決ではない激しく、決断が早く、大胆で、衝動的でもあります。うまく配されれば勇将で競争に強く、配置が悪ければけがをしやすい。課題は「落ち着き」です。
損失・事故・見えない消耗をつかさどります。裏を返せば鋭い警戒心で、よく備えれば損失も教訓に変わります。
孤独な気質で、結婚の縁がやや薄いとされ、晩婚や、関係を意識して育てることが勧められます。一人でも強い人ですが、心を開くことも忘れずに。
消耗・苦労・金銭の損失をつかさどります。むやみに広げず固めよ、という合図で、力は大事なところに注ぎましょう。
空に落ちる、あるようでない。吉神の力を弱めますが、凶殺が空亡に落ちるとかえって無力化されます。空もすべてが悪いわけではありません。日本でいう天中殺に近い考え方です。
主に年運で使い、けがや騒ぎをつかさどります。気をつけて危険を避ければ、過ぎれば過ぎたこと。必要以上に怖がることはありません。
家の財産を守りにくく、実家の後ろ盾が薄いとされます。これを持つ人の多くはゼロから築き上げ、その過程で本物の粘り強さを身につけます。
神殺がどの柱にあるかで、人生のどの分野に表れるかが決まる
同じ神殺でも、どの柱にあるかで意味が変わります。四つの柱がそれぞれ人生の一分野を受け持っているからです。どの柱に落ちるかを見れば、意味の半分はもう決まります。
位置にとくに敏感な神殺が、柱によってどう読まれるか:
年柱・月柱「牆内の桃花」:夫婦仲がよく、若いころから好かれる。多くは健全な縁です。
日柱・時柱「牆外の桃花」:浮気やよくない恋を呼び込みやすいタイプとされます。
年柱目上や家の福分による助け。
月柱仕事や同僚の中の引き立て役。
日柱配偶者が助け手、または本人に品格がある。
時柱子どもが頼もしく、晩年に支えがある。
年柱故郷を離れる、先祖代々の移住。
月柱仕事のために動き回り、苦労する。
日柱本人か配偶者が留守がち、住まいが変わりやすい結婚生活。
時柱晩年も忙しい、または子どもが遠くに住む。
年柱受け継ぐものが空になりやすく、目上との縁が薄い。
月柱仕事が波立ちやすい、親きょうだいと距離ができやすい。
日柱配偶者の宮が空になり、恋が実りにくいとされる。
時柱子どもの宮が空になり、晩年がさびしくなりやすいとされる。
ほかにも華蓋や孤辰・寡宿は日柱と時柱(配偶者と子どもの宮)でいちばん孤独の色が強く出て、将星が日柱にあれば本人に威厳が備わります。原則はひとことです。まずどの柱にあるかを見て、次に何の神殺かを見る。位置が分野を決め、そのあとで神殺が色を決めます。
神殺の読み方:三つの原則
同じ神殺が、ある命式では吉、別の命式では凶になることがあります。神殺を読むのは辞書を引くことではなく、その星が命式全体にどうはまるかを見ることです。
骨組みが先、ラベルは後
命式を決めるのは通変星、五行の強弱、格局で、神殺は注釈です。骨組みが安定していなければ、神殺がいくつあってもたいした意味はありません。
吉神は「生きて」いなければならない
天乙貴人や文昌貴人がどれほど良くても、空亡に落ちたり冲されたりすれば力は落ちます。しかも吉神があっても、自分から助けを求めに行く必要があります。
凶殺は無力化できる
制するもの、貴人、空亡に出会えば、たいていの凶殺は大きく力を失います。羊刃や孤辰は、どこを伸ばすべきかを教えてくれるものです。
神殺の使い方:名前ではなく喜神・忌神を見る
神殺は怖がるためではなく、使うためにあります。ある神殺が助けになるか足を引っぱるかは、名前ではなく、それがあなたの喜神に乗るか忌神に乗るかで決まります。「絶対的な吉凶はない」を行動に移せる形にしてくれる物差しです。
増幅されて助けになる
神殺が喜神の五行に乗れば、そのエネルギーはあなたの味方になります。良いものはさらに良くなり、「激しい」星でさえあなたのために働きます。身弱で羊刃を持つ人は、根性と芯の強さを得て、重荷を背負って前に進めます。
足かせに変わる
同じ神殺でも忌神に乗れば、あなたに逆らって働きます。身強で羊刃を持つ人は、まさにその羊刃から衝動、散財、けがを招きやすくなります。吉凶は羊刃そのものではなく、それが喜神側を助けるか忌神側を助けるかにあります。
ですから心構えは単純です。吉神は資源として使う:天乙貴人は一人で抱え込まず助けを求めよという合図、駅馬は動くことで得よという合図。凶殺は注意書きとして受け取る:羊刃は「落ち着き」を、孤辰は「心を開くこと」を学ぶ合図。神殺が示すのは行動の方向であって、運命の判決ではありません。
名前に怖がらないでください。白虎、亡神、大耗、十悪大敗……昔の名前は、大げさで覚えやすく広まりやすいように作られています。それは命名のスタイルであって、深刻さの度合いではありません。漢方でいえば「附子」のように、名前は物騒でもれっきとした薬です。ほどいてみれば、たいていは「この分野に気をつけて」という注意書きにすぎません。
正直なひとこと:神殺は注釈であって、運命ではない
神殺は覚えやすく広まりやすい(ひとつの名前でひとつのことを言う)ので、人を怖がらせたり過大評価されたりしやすいものです。命式を本当に決めるのは通変星と五行の強弱という骨組みで、神殺は余白の注釈として色合いと方向のヒントを加えますが、構造全体を支えることはできません。「羊刃」や「孤辰」があるからといって自分に判決を下さず、「天乙貴人」があるからといって安心しきらないでください。吉凶は名前ではなく、喜神・忌神と命式全体の中にあります。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。神殺は自分を知るための手がかりのひとつとしてお使いください。
命式を出して、骨組みと自分の神殺を見る
神殺は副菜で、主菜はあなたの通変星と五行の強弱です。命式を出せば骨組みがひと目でわかり、いちばん役に立つ神殺(桃花・駅馬・財庫)も示されます。気になる人ができて縁を確かめたくなったら、相性鑑定もどうぞ。
神殺のよくある質問
神殺は当たりますか?四柱推命で使うべきものですか?
神殺は一種の略記で、ひとつの名前で吉凶の傾向をまとめて言い表すため、覚えやすく広まりやすい一方、人を怖がらせたり過大評価されたりしやすいものでもあります。読むのはかまいませんが、それを命式のすべてだと思わないでください。命式を本当に決めるのは通変星と五行の強弱という骨組みで、神殺は余白の注釈として色合いと方向のヒントを加えるものです。まず骨組みを読み、そのうえで神殺を手がかりに使えば、本末転倒になりません。
命式に羊刃・孤辰・空亡があります。もうだめですか?
いいえ。凶殺は注意書きであって、判決ではありません。羊刃は激しく衝動的ですが、うまく配されれば勇将で競争に強く、「落ち着き」を学べばよいだけです。孤辰・寡宿は孤独な気質で結婚の縁がやや薄いとされ、晩婚や関係を意識して育てることが勧められます。空亡は「空に落ちる」ことで、凶殺が空亡に落ちるとかえって無力化されます。制するもの、貴人、空亡に出会えば、たいていの凶殺は大きく力を失います。それはあなたが伸ばすべきところを指しているのであって、下された判決ではありません。
天乙貴人や文昌貴人があれば、良い人生が約束されますか?
そうとは限りません。吉神は「生きて」いて初めて働きます。天乙貴人や文昌貴人がどれほど良くても、空亡に落ちたり冲されたりすれば力は大きく落ちます。しかも強い吉神があっても、実際に自分から助けを求めに行かなければ、助けにはつながりません。吉神はおまけであって保証ではなく、福分と資源があることを示すだけです。それを生かせるかどうかは、あなた自身と、命式全体の喜神・忌神の並び方しだいです。
桃花は神殺ですか?運命の相手と同じものですか?
桃花(咸池)は神殺のひとつで、魅力や人に好かれること、機会を引き寄せることを表しますが、機会が多いことと合う人に出会うことは別です。運命の相手は「一緒に落ち着く人」のことで、配偶者の星(男性は財、女性は官)と配偶者の宮(日支)から読む、まったく別の読み方です。桃花は通り過ぎる景色、運命の相手は帰る家。この二つはよく混同されるので、桃花が強いからといって恋愛が順調だと思わないでください。
命式を出せば、自分の神殺はわかりますか?
命式を出すと、いちばん役に立つ神殺(桃花・駅馬・財庫)がそのまま示され、あなたの本当の骨組みである通変星、五行の強弱、身強か身弱かと並んで表示されます。天乙貴人・文昌貴人・華蓋・羊刃などを一覧にしたものは上級者向けの細部なので、このページではまず名前の意味と読み方を押さえてもらうようにしています。各神殺のページのチェックツールでは、22 種類をまとめて調べられます。骨組みを理解してから、注釈として神殺に戻ってきてください。