四柱推命の「拱合」とはどういう意味?

一連の関係の最後に、いちばん不思議なものを取っておきました。「拱(きょう)」、つまり拱合(きょうごう)です。ここまでの六つは、どれも命式に「すでにいる」字どうしの作用でした。拱が扱うのは、そもそもその場にいない字です。命式には欠けているのに、両側の字に「拱」されて、宙に浮いた空席に据えられている。そして時が来てその字が本当に運ばれてくると、その場で地に足がつき、現実になります。四柱推命の中で、もっとも「無から有を生む」に近い一手です。

関係の種類
虚神を遠くから合する関係(無から有を生む)
二つの型
拱合(三合の旺神を拱する)・拱夾(貴人や禄を挟み出す)
ポイント
拱される字は命式にない(虚神)。二字が隣り合ってはじめて拱が成り立つ
応期
運がその字を「填実」する年に、拱が現実になる
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
申と辰がその場にない子を拱する(虚神)

一、「拱」は何をするのか

「拱」の姿は、二つの字が左右から、真ん中の空席を両手で捧げ持つようにしているところです。その空席に座るはずの字は、実は命式にはありません。二人が肩を並べて立ち、あいだに一つ席があいていて、二人の姿勢がはっきりと誰かが座るのを「待って」いる、そんな場面です。この、待たれているのにまだ来ていない字を、命理では「虚神(きょしん)」と呼びます。虚というのはまだそこにいないから、神というのは、いったん来ればその力がとても確かだからです。

二、拱合:三合に旺神が欠け、両側がそれを拱する

もっともよく見られる拱が「拱合」で、〈合〉の記事で触れた三合と関係があります。三合(たとえば申子辰の水局)は本来三字がそろう必要があります。命式に最初と最後の二字(申と辰)しかなく、真ん中のいちばん大切な「旺神」(子)が欠けている場合、この二字が左右から真ん中の子を拱します。申+辰は子(水の旺神)を拱し、寅+戌は午(火の旺神)、巳+丑は酉(金の旺神)、亥+未は卯(木の旺神)を拱します。命式に子・午・酉・卯はないのに、両側の字がその席をしっかりと確保し、来るのを待っているのです。

三、拱夾:真ん中の貴人や禄を挟み出す

もう一つの型を「拱夾(きょうきょう)」といいます。二つの字が一つ分の間をあけて席を挟み、真ん中の字を拱し出すものです。挟み出された字が、命理でいう「貴人」や「禄」(助けてくれる人や、地位・収入の吉星と考えてください)に当たれば、古典で高く評価される「拱貴」「拱禄」の格になります。命式の中に、まだ姿を見せない貴人や財の蔵が、席について待っているようなものです。

四、填実:拱の時間の暗号

拱のいちばん魅力的なところは、時間の暗号がひそんでいることです。虚神は宙に浮いていて、ふだんはあまり働きません。本当に大切なのは、大運や年運が本物の字を命式に運んでくるときで、命理ではこれを「填実(てんじつ)」といいます。填実される年に空席が埋まり、拱が現実になって、力がその場で地に足をつけます。ですから拱を見るときは、「いま」ではなく「何年に填実されるか」を見るのです。これで、よくある謎も解けます。何年も平凡に過ごしていた人が、ある年に急に伸びたり、急にひっくり返ったりするのはなぜか。命式の中で長く拱されていた字が、その年ついに填実され、はじけたのかもしれません。

五、拱は伏線:喜神を拱すれば恵みの雨、忌神を拱すれば隠れた地雷

拱は両刃の伏線です。拱されているのが命式の用神・喜神なら、何年も前から仕込まれていた恵みの雨で、填実の年に良いことが一度にやって来ます。拱されているのがいちばん恐れる忌神なら、時限式の隠れた地雷で、填実の年には来るべき面倒も避けられません。もう一つ小さな条件があります。二つの字が十分に近いこと(多くは隣り合っていること)で、はじめて拱が成り立ちます。離れすぎていると、この席を支えきれず、拱は働きません。

六、命式の中の物語

ある男性の命式では、地支に「申」と「辰」がちょうど並んで座り、その真ん中の「子」、つまり彼の財星がもっとも旺じる席が空いていました。申と辰は、その場にない子を両側から日夜拱し続けていました。いわば、彼の一生の財のために大きな席がとうに用意されていて、あとは主役の到着を待つばかりだったのです。人生の前半は可もなく不可もなく、収入は安定していても、大きく伸びたとはいえませんでした。ところがある年、年運が「子」になり、何十年も待たれていた字がついに填実されました。申子辰の三合水局がその場で成立し、長くためられていた財の気が一気に流れ込みます。その年、彼はチャンスをつかみ、人生で初めての大きな仕事を成し遂げました。命式の拱は、深く伏せられた一隊の兵のようなものです。ふだんは声も立てず、号令がかかれば総出で打って出るのです。

結び:七つの関係と一枚の命式

これで刑・冲・破・害・合・会・拱の七つの関係をすべてお話ししました。気づかれたと思いますが、これらは実は一つのことの七つの面です。命式の字どうしが、どう引き合い、ぶつかり、もつれ、ひそかに傷つけ合い、そして遠くから呼び合うか。実際の命式では、たいていいくつもの関係が同時に演じられています。そしてそれがいつ「発動」するかは、大運と年運の行き来の中に隠れています。この七つがわかれば、命式という物語の筋書きを読む鍵を手にしたことになります。

あなたの命式はどの字を拱し、何年に填実されますか?

拱はもっとも深く仕込まれた伏線で、四柱全体を大運・年運と細かく照らし合わせてはじめて読めます。生年月日を入れて無料の命式を出し、ご自分の拱を確かめてみてください。

よくある質問

拱とはどういう意味ですか?

二つの地支が左右から、命式にない真ん中の字を「拱」し出し、空席(虚神)に据えることです。大運や年運が本物の字を運んでくる(填実)と、その力が現実になります。

拱合と拱夾はどう違いますか?

拱合は三合の真ん中の旺神が欠けていて、最初と最後の二字がそれを拱し出すもの(申辰が子を拱するなど)です。拱夾は二字が真ん中の字を挟み出すもので、貴人や禄を挟み出せば「拱貴」「拱禄」の格になります。

「填実」とは何ですか?

拱されている字はもともと命式にない(虚)ので、大運や年運がその本物の字を運んできて補うことを填実といいます。拱の応期は、多くの場合この填実の年です。

拱はいつでも良いものですか?

そうとは限りません。用神・喜神を拱していれば填実の年は恵みの雨になり、忌神を拱していれば填実の年は隠れた地雷になります。また、二字が十分に近くないと拱は成り立ちません。

あわせて読みたい: 十干の日干 · 通変星 · 五行の過不足

← 干支の関係の一覧へ戻る