黄道の星座:太陽は本当はどこにいるか
「私は蠍座」というのは、生まれたときに太陽が占星術の蠍座にあった、という意味です。でもその日、太陽の背後の星を見ることができたとしたら、太陽はたぶん天文学のさそり座にはいなかったはずです。誰かがまちがえたわけではなく、空の星座と占いの星座は、もともと別のものなのです。
2027 年、太陽が実際にいる星座
| 星座(IAU の境界) | 太陽がいる期間 | 日数 | 同じ名前の占いの星座 |
|---|---|---|---|
| やぎ座 | 1月21日〜2月16日 | 27 日 | 山羊座 12月22日〜1月19日 |
| みずがめ座 | 2月17日〜3月12日 | 24 日 | 水瓶座 1月20日〜2月18日 |
| うお座 | 3月13日〜4月19日 | 38 日 | 魚座 2月19日〜3月20日 |
| おひつじ座 | 4月20日〜5月14日 | 25 日 | 牡羊座 3月21日〜4月19日 |
| おうし座 | 5月15日〜6月21日 | 38 日 | 牡牛座 4月20日〜5月20日 |
| ふたご座 | 6月22日〜7月21日 | 30 日 | 双子座 5月21日〜6月20日 |
| かに座 | 7月22日〜8月11日 | 21 日 | 蟹座 6月21日〜7月22日 |
| しし座 | 8月12日〜9月17日 | 37 日 | 獅子座 7月23日〜8月22日 |
| おとめ座 | 9月18日〜10月31日 | 44 日 | 乙女座 8月23日〜9月22日 |
| てんびん座 | 11月1日〜11月23日 | 23 日 | 天秤座 9月23日〜10月22日 |
| さそり座 | 11月24日〜11月30日 | 7 日 | 蠍座 10月23日〜11月21日 |
| へびつかい座 | 12月1日〜12月18日 | 18 日 | (占いにへびつかい座はない) |
| いて座 | 12月19日〜1月20日 | 33 日 | 射手座 11月22日〜12月21日 |
太陽の位置を astronomy-engine で一日ずつ計算し、1930 年に公表された IAU の境界で星座を判定しました(日付は台北の日付・UTC+8。日本時間では境目の日が一日ずれることがあります)。占いの日付は、2027 年に太陽の黄経が 30° の倍数を通過する時刻です。
並べてみると違いは明らかです。星座の大きさはまちまちで、太陽はおとめ座に 44 日いるのに、さそり座にはわずか 7 日。黄道はへびつかい座の足もとも通るので、太陽はそこにも 18 日います。2027 年のうち 329 日は、太陽が実際にいる星座と占いの星座の名前が一致しません。
ほぼ一つ分ずれている理由:歳差
占星術は、春分点から数えて黄道を 30° ずつ十二のサインに分けます。これは座標系です。二千年あまり前に決められた当時は、それぞれのサインがほぼ同じ名前の星座と重なっていました。ところが地球の自転軸はこまのようにゆっくり首を振り、春分点は約 72 年に 1° ずつ西へ移ります。二千年で 30° 近く動いたため、占いの牡羊座は今では大部分がうお座の中にあります。
西洋占星術は春分点に固定された「トロピカル方式」を使うので、日付が毎年ほぼ変わりません。天文学の星座は恒星に固定された区域です。どちらもまちがいではなく、測っているものが違うのです。
誕生日に自分の星座が見えない理由
誕生日のころは太陽がその星座(かその隣)の前にあるので、星座は太陽と一緒に昇り沈みして昼の光に埋もれます。夜空に高く見えるのは半年ほど後です。たとえば 11 月下旬〜12 月生まれの人がさそり座とへびつかい座をよく見られるのは、5〜6 月の宵です(夏の星空)。
中国の十二次と十二支
中国の天文家も黄道の帯を十二に区切り、「十二次」と呼んで十二支と対応させました(十二支は逆向きに並びます)。木星はおよそ 12 年で天を一周し、一年に一次ずつ進むので「歳星」と呼ばれて年を数えるのに使われ、のちに木星と逆向きに十二支どおり進む仮想の星「太歳」が考え出されました。毎年「太歳にあたる(犯太歳)」という考え方はここから来ています。日本の厄年に似ていますが、別のものです(2027年 丁未年)。
| 次 | 十二支 | おおむね含む宿 |
|---|---|---|
| 星紀(せいき) | 丑 | 斗・牛 |
| 玄枵(げんきょう) | 子 | 女・虚・危 |
| 娵訾(しゅし) | 亥 | 室・壁 |
| 降婁(こうろう) | 戌 | 奎・婁 |
| 大梁(たいりょう) | 酉 | 胃・昴・畢 |
| 実沈(じっちん) | 申 | 觜・参 |
| 鶉首(じゅんしゅ) | 未 | 井・鬼 |
| 鶉火(じゅんか) | 午 | 柳・星・張 |
| 鶉尾(じゅんび) | 巳 | 翼・軫 |
| 寿星(じゅせい) | 辰 | 角・亢 |
| 大火(たいか) | 卯 | 氐・房・心 |
| 析木(せきぼく) | 寅 | 尾・箕 |
十二次の境目はふつう宿の途中にあるため、おおよその範囲だけを示しています。資料によって少し異なります。
よくある三つの誤解
へびつかい座が加わると、みんなの星座が変わる。
占いの十二星座は、春分点から 30° ずつ数えた座標系で、もともと星座そのものにもとづいていません。天文学で太陽がへびつかい座を通ると言っても、占いの計算は変わりません。
黄道十二星座はどれも同じ大きさ。
実際の星座は大きさがまちまちで、太陽はおとめ座に 44 日、さそり座には 7 日しかいません。30° ずつ均等なのは占いのサインだけです。
星座の日付は毎年同じ。
太陽がサインを移る日付は、各 30° に達する時刻が年ごとに違うため、一日ほど前後します。境目の日に生まれた人は、その年の実際の時刻を確かめてください。
今夜の星空:いま頭の上に何があるか
日付・時刻・場所を選ぶと、その瞬間の全天星図を描き、月、惑星、高く昇っている明るい星、そして真南に南中している二十八宿を表示します。西洋の星座と中国の星官の線を切り替えられます。計算はすべてお使いのブラウザの中で行います。
星表:ヒッパルコス星表の 5 等星までの約 1,600 個(d3-celestial から整理、BSD ライセンス)。月と惑星は簡易計算で位置の誤差は 0.3° 以内、大気差は考慮していません。
正直に言うと:ここで扱うのは天文で、吉凶ではありません
このテーマで扱うのは、実際に空に見える星のことです。どの方角にあり、どの季節に見え、東洋と西洋でそれぞれ何と呼ぶか。暦注の「今日の宿」、宿曜占星術、テレビの星占いの十二星座、紫微斗数の星は、どれも星の名前を借りていますが別の計算体系で、その夜の空の星とは対応していません。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。
二十四節気も太陽を追っている
二十四節気は、太陽が黄道を 15° 進むごとの区切りで、四柱推命の月柱は節気で替わります。生年月日を入れて、あなたの四柱を出してみましょう。
黄道の星座のよくある質問
黄道上の星座はいくつありますか?
IAU の境界では、太陽は一年で 13 の星座を通ります。黄道十二星座とへびつかい座です。
へびつかい座は 13 番目の星座ですか?
太陽は 12月1日〜12月18日ごろ(2027 年の数字)へびつかい座を通ります。ただし占いの十二星座は春分点から数える別の座標系なので、13 番目が加わることはありません。
なぜ占いの星座と実際の星座が合わないのですか?
歳差のためです。春分点は約 72 年に 1° ずつ西へ移り、二千年で 30° 近く動いたので、占いの星座と同じ名前の星座がほぼ一つ分ずれています。
十二次とは何ですか?
古代中国の天文家が黄道の帯を十二に分けたもので、星紀・玄枵・娵訾などがあり、十二支と対応し、かつては歳星(木星)の位置を追って年を数えるのに使われました。