紫微斗数の飛星四化:どの宮も「飛ぶ」

ふつう紫微斗数の命盤は、命宮にどの星が入っているか、三方四正にどんな吉星・煞星があるかを見て、次に生年四化の行き先を確かめます。飛星派はもう一歩踏み込みます。命盤の十二宮にはそれぞれ天干があり、どの天干も禄・権・科・忌を化して、ある星のいる宮へ飛ばします。こうして一枚の命盤は十二マスの星の配置であるだけでなく、ある宮から出てある宮に着く四十八本の線を持つことになります。

三合派と飛星派はどこが違うか

両派が使う命盤は同じもので、命宮・五行局・十四主星の位置はまったく変わりません。違うのは「どう読むか」です。三合派は星の組み合わせと廟旺を重んじ、飛星派は宮と宮の因果関係を重んじます。台湾でよく見かける四化派・欽天門・河洛派などは、おおむね広い意味での飛星派に属し、用語や細部はそれぞれ異なります。

三合派飛星派
読む単位ひとつの宮の星の組み合わせと三方四正宮と宮を結ぶ飛化の線
四化の出どころ生年・大限・流年の天干それに加えて十二宮それぞれの宮干
補佐星・雑星多用し、吉星と煞星の会合を重視ほぼ十四主星と文昌・文曲・左輔・右弼のみ
典型的な問いこの宮の星はよいか、強いかこの出来事はどの宮から起こり、どこに着き、どこを冲すか
得意なこと性格や格の大きさを生き生きと描く推理に強く、「なぜ」「いつ」を追うのに向く

本サイトの紫微斗数命盤は三合派の安星法で作成しています。このシリーズの飛化も同じ命盤の上で計算しているので、両方を見比べることができます。

飛星派の三つの基本動作

  1. 宮干を出す:生まれ年の天干から、五虎遁で寅宮を起点に十二宮の天干を配します。詳しくは宮干飛化へ。
  2. 四化を調べる:その宮の天干で十干四化表を引き、化される四つの星を確かめます。
  3. 落ち先を見る:四つの星がそれぞれどの宮にあるか、そこが禄・権・科・忌の「飛び込む」宮です。化忌が飛び込んだ宮の対宮は「冲される」といいます。
命宮 乙丑→ 宮干乙 →天機化禄→ 落ち先福徳宮

例の命盤:命宮から出る四本の線

例の命盤:1988 年 6 月 15 日午前 10 時生まれの女性(架空の生年月日)。旧暦では戊辰年五月初二、巳の刻、金四局で、命宮は乙丑、太陽・太陰が入ります。

四化星落ち先読み方
禄 化禄天機福徳宮命宮の心が自然と福徳宮へ向かい、ここで縁を結び、惜しまず与える
権 化権天梁官禄宮命宮が官禄宮で主導権を握りたがり、力も口も出す
科 化科紫微田宅宮命宮が田宅宮で体面と筋道を重んじ、困ったときもここに落としどころを探す
忌 化忌太陰命宮(自化)気にかけるのに持ちこたえられず、「強く握ってから手放す」になりがち

命宮の化忌がどの宮へ飛ぶかは、伝統的にその人が一生でいちばん手放せないものと見なされます。この命盤では、命宮の宮干が化した忌が命宮自身の太陰に落ちており、これを「自化忌」と呼びます。しかもこの太陰は生年化権も帯びています。ひとつの星に「生まれつきの権」と「自分から出ていく忌」が同居しているので、読み方は「物事をしっかり握っていたいのに、最後の瞬間に手を離してしまいがち」となります。自化の読み方は自化をご覧ください。

無料の飛化盤:宮をタップして、どこへ飛ぶかを見る

新暦の生年月日・出生時刻・性別を入力すると、紫微斗数の命盤と十二宮の宮干を出します。どの宮をタップしても、その宮から飛び出す禄・権・科・忌がどの宮に入り、化忌がどの宮を冲すかが盤面に表示され、自化・化忌の連鎖・転宮の対照も一覧になります。来因宮は点線の枠で示します。出生地を入れると真太陽時に換算します。計算はすべてブラウザ内で行い、データは送信されません。

安星は三合派『紫微斗数全書』の方法(本サイトの紫微斗数命盤と同じ)です。宮干は五虎遁で寅宮から配し、子宮・丑宮の天干は寅宮・卯宮と同じになります。四化表は庚干を「太陽・武曲・太陰・天同」、壬干を「天梁・紫微・左輔・武曲」としています。時辰(2 時間ごとの刻)しかわからない場合は、その中間の時刻を入れてください(巳の刻なら 10:00)。出生地の候補は英語表記の都市名です(Tokyo、Osaka など)。

当サイトの実測:自化も忌冲も、思ったよりありふれている

4.011 枚あたりの離心自化の平均個数
100%自化が 1 つ以上ある命盤
8.0%命宮が自化忌
62.2%いずれかの宮の化忌が命宮を冲す命盤

集計方法:本サイトのエンジンで 1960〜2005 年の毎日 1 枚ずつ紫微斗数の命盤を作成しました(時辰は固定シードの乱数で抽出、男女は交互)。計 16,802 枚です。宮干・飛化・自化は本サイトの飛化エンジンで計算しており、オープンソースの命盤ライブラリ iztro と 1 枚ずつ照合済みです。

「自化」や「忌が命宮を冲す」は大ごとのように語られがちですが、実際に大量に出してみるとわかります。命盤 1 枚あたり平均 4.01 個の自化があり、自化がひとつもない命盤はゼロ。62.2% の命盤では、少なくともひとつの宮の化忌が命宮を冲しています。どちらも命盤ではごく普通のことで、大切なのは「あるかないか」ではなく、どの宮に落ち、どんな事柄と結びついているかです。

よくある三つの誤解

飛星派と三合派では出てくる命盤が違う。

安星は同じで、違うのは読み方です。飛星派は十二宮の宮干を余分に使うだけで、命盤そのものは同じ一枚です。

命盤に自化があると格が崩れ、よくない。

命盤 1 枚あたり平均 4.01 個の自化があり、100% の命盤に見られます。自化が表すのは「この事柄のエネルギーが自然に外へ流れ出る」ことで、よしあしは何が化し、どの宮にあるかで決まります。

化忌は凶で、忌冲は災いがあるということ。

飛星派は忌を執着・こだわり・借りとして読み、「ここに課題がある」と見ます。忌冲は対宮が揺さぶられることで、何かが起こるという意味ではありません。当サイトは忌冲で凶を断定しません。

さらに読む

宮干飛化十二宮はどう禄・権・科・忌を飛ばすか 自化離心自化と向心自化 化忌の冲と連鎖忌入・忌冲・追忌 来因宮生まれ年の天干がどの宮にあるか 転宮ある宮を太極にして周囲の人を見る 飛星四化の心法禄権科忌の推論文型と忌の軽重

率直に言うと:飛化は推論の道具であって、判決ではありません

飛星派は命盤を「宮と宮のあいだの因果の網」として読みます。ひとつの出来事を起点・経過・行き着く先に分けて考えられるのが強みで、推理のおもしろさがあります。ただし流派が多く、用語も読み方もそれぞれ異なり、同じ一本の化忌の線から、先生によって違う物語が読み出されることもあります。当サイトは各派に共通する骨格だけを書き、読み方は傾向とかかわり合いとして示します。凶の断定はせず、寿命や健康にも触れません。命盤は地図であり、どの道を歩くかを決めるのはあなた自身です。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

まずは紫微斗数の命盤を一枚出してみましょう

三合派の命盤では十四主星・廟旺・三方四正を見て、大限・流年の四化も重ねられます。飛化盤と見比べるといちばんよくわかります。

飛星四化のよくある質問

飛星四化とは何ですか?

紫微斗数・飛星派の技法です。十二宮それぞれに宮干があり、各宮の宮干が十干四化表にしたがって禄・権・科・忌を化し、化された星のある宮へ飛び込みます。この宮と宮を結ぶ線から推論します。

飛星派と三合派、どちらが当たりますか?

両派は同じ命盤を使い、読み方が違うだけです。三合派は星の組み合わせ、飛星派は宮と宮の因果を重んじます。三合派で性格や格の大きさを見てから、飛化で物事のいきさつを追う、というように両方を使う人も多くいます。

宮干はどうやって出しますか?

生まれ年の天干を見て、五虎遁で寅宮から配します。甲・己年は寅宮が丙寅、乙・庚年は戊寅、丙・辛年は庚寅、丁・壬年は壬寅、戊・癸年は甲寅で、順に並べていきます。子宮・丑宮は寅宮・卯宮と同じ天干になります。

自化はよくないものですか?

そうとは限りません。当サイトの実測では命盤 1 枚あたり平均 4.01 個の自化があり、すべての命盤に見られます。自化禄・自化権・自化科・自化忌はそれぞれ意味が違い、どの宮にあるかで読み方が変わります。

この飛化盤は、紫微斗数命盤のツールと同じものですか?

同じです。どちらも同じ命盤エンジン(三合派『全書』の安星法)を使っており、飛化盤はそこに十二宮の宮干による飛化を追加で計算しています。