納音(なっちん):あなたは何命か
「私は海中金命」「あの人は炉中火命」――こうした言い方は納音から来ています。六十干支を二つずつ組にして、情景の浮かぶ名前をつけたもので、全部で三十種類。年柱の納音が、あなたの年命です。日本でも四柱推命や干支の本でおなじみの考え方ですが、命式の読み方のなかでどんな位置にあるかは、あまり説明されません。
三十納音の一覧
| 干支 | 納音 | 五行 | 取象 |
|---|---|---|---|
| 甲子・乙丑 | 海中金 | 金 | 海の底に眠る金。宝は深くしまわれ、時が来てはじめて姿を現す |
| 丙寅・丁卯 | 炉中火 | 火 | 炉の中の火。勢いはあるが制御され、ものを鍛え上げる |
| 戊辰・己巳 | 大林木 | 木 | 広がる大森林。枝葉が茂り、群れをなして育つ |
| 庚午・辛未 | 路傍土 | 土 | 道端の土。飾らず確かに、行き交う人々を支える |
| 壬申・癸酉 | 剣鋒金 | 金 | 剣の刃の金。鋭く剛く、最も純度が高い |
| 甲戌・乙亥 | 山頭火 | 火 | 山の上の野火。遠くまで燃え広がり、遠くからも見える |
| 丙子・丁丑 | 澗下水 | 水 | 谷川の水。澄んで細く、絶えず流れる |
| 戊寅・己卯 | 城頭土 | 土 | 城壁の土。堅固で、守りを固めて人々を守る |
| 庚辰・辛巳 | 白鑞金 | 金 | まだ精錬中の金。形が定まらず、火で鍛える必要がある |
| 壬午・癸未 | 楊柳木 | 木 | 柳の木。しなやかに風になびき、順応力が高い |
| 甲申・乙酉 | 井泉水 | 水 | 湧き出る泉の水。尽きることなく清らか |
| 丙戌・丁亥 | 屋上土 | 土 | 屋根瓦の土。焼き固められ、風雨をしのぐ |
| 戊子・己丑 | 霹靂火 | 火 | 雷の火。一瞬で爆発し、勢いが人を驚かせる |
| 庚寅・辛卯 | 松柏木 | 木 | 松と柏。寒さに耐えて常に青く、辛抱強い |
| 壬辰・癸巳 | 長流水 | 水 | 大河の水。途切れることなく続く |
| 甲午・乙未 | 沙中金 | 金 | 砂の中の金。洗い出してはじめて光る |
| 丙申・丁酉 | 山下火 | 火 | 山のふもとの火(夕日とも)。穏やかで、しだいに弱まる |
| 戊戌・己亥 | 平地木 | 木 | 平地の草木。支えがあってこそ高く育つ |
| 庚子・辛丑 | 壁上土 | 土 | 壁の土。壁面に寄り添い、支えを必要とする |
| 壬寅・癸卯 | 金箔金 | 金 | 金箔。薄く華やかで、ほかのものに貼られる |
| 甲辰・乙巳 | 覆灯火 | 火 | 笠をかぶせた灯火。部屋を照らし、油を必要とする |
| 丙午・丁未 | 天河水 | 水 | 天から降る雨。万物を潤す |
| 戊申・己酉 | 大駅土 | 土 | 大街道の土。四方に通じ、遠い旅を支える |
| 庚戌・辛亥 | 釵釧金 | 金 | 簪や腕輪の金。精巧で、美しさを重んじる |
| 壬子・癸丑 | 桑柘木 | 木 | 桑と柘の木。実用的で、蚕を養い衣を織る |
| 甲寅・乙卯 | 大渓水 | 水 | 大きな渓流。水勢が激しく、突き進む力がある |
| 丙辰・丁巳 | 沙中土 | 土 | 中州の土。やわらかく、水しだいで形を変える |
| 戊午・己未 | 天上火 | 火 | 太陽の火。明るく万物を照らす |
| 庚申・辛酉 | 石榴木 | 木 | 石榴の木。実をたわわにつけ、乾きに強い |
| 壬戌・癸亥 | 大海水 | 水 | 大海。広く受け入れ、底知れず深い |
納音の由来について、古書の多くは五音を十二律に配して説明します(「納音」とはその音を納めること)が、細部は流派によって異なります。納音名は日本で通行している表記に合わせました。戊寅・己卯は「城頭土」(中国語圏では「城牆土」とも)、甲申・乙酉は「井泉水」(同じく「泉中水」とも)、庚辰・辛巳は「白鑞金」、丙戌・丁亥は「路傍土」です。
あなたの納音を調べる:何命か
新暦の生年月日を入れると、年命の納音(立春で年替わり)と四柱それぞれの納音・取象、そして年命の五行があなたの用神・喜神にあたるかを表示します。1 月末〜2 月中旬生まれの方には、旧正月で年を切り替えた場合との違いもあわせて示します。計算はすべてお使いのブラウザの中で行い、データは送信されません。
年命に必要なのは生年月日だけです。出生時刻は時柱の納音と用神・喜神の判定にのみ影響します。
「〇〇命」・干支(えと)・日干・用神は、四つの別のもの
| 見るところ | 例:1984 年 5 月生まれ | |
|---|---|---|
| 年命(納音) | 年柱の干支の納音 | 甲子年 → 海中金、金命 |
| 干支(えと) | 年柱の地支 | 子 → ねずみ年(子は水) |
| 日干 | 日柱の天干 | 生まれた日で決まり、年命とは無関係 |
| 用神・喜神 | 命式全体のバランス | 四柱をすべて出さないとわからない |
集計方法:当サイトのエンジンで 1960〜2005 年の毎日一枚ずつ命式を出し(時刻は固定シードの乱数で抽出)、計 16,802 枚を集計しました。年命は立春で年が替わる年柱から取り、用神・忌神は当サイトの強弱エンジンによります。
納音の五行は、天干や地支の五行とよく食い違います。甲子は天干が木、地支が水なのに、納音は金です。六十柱のうち、納音と地支の五行が同じなのは 12 柱だけなので、「ねずみ年だから水命」は成り立ちません。
年命は立春で替わるのか、旧正月で替わるのか
四柱推命では年は立春(2 月 4 日ごろ)で替わり、当サイトの年命もそれに従います。旧正月で年を替える説も見かけますが、両者は 1 月末〜2 月中旬で食い違うことがあります。当サイトの検証では、約 2.0% の誕生日で二つの数え方の年柱が異なり、年命の納音も変わりました。ツールが自動で照合します。詳しくは節気の境目をご覧ください。なお日本でも、九星気学などでは干支(えと)の年を立春で切り替えます。
よくある三つの誤解
ねずみ年なら水命、うま年なら火命。
干支(えと)は年の地支、年命は年柱全体の納音で、両者はよく食い違います。六十柱のうち一致するのは 12 柱だけです。
金命の人は金を補うべき。
納音は年命の象徴で、命式が必要としているものではありません。当サイトの検証では、年命の納音が用神・喜神にあたるのは 45.3%、忌神にあたるのは 48.1% でした。
二人の納音が相剋なら結婚できない。
昔の相性占いは年命の生剋を見ましたが、古書そのものに取象による例外が数多くあります。当サイトの相性鑑定は二人の命式全体の関わりを見るもので、年命の相剋だけで判断することはありません。
さらに読む
正直なひとこと:「〇〇命」は古法の象徴で、命式のすべてではありません
納音は年柱から導く「年命」で、昔の相性占い(合婚)や吉日選びでよく使われました。けれども四柱推命(子平)で人を読むときの中心は、日干と四柱の生剋です。当サイトの検証では、年命の納音の五行がちょうど用神・喜神にあたるのは 45.3%、忌神にあたるのは 48.1% で、コインを投げるのとほとんど変わりません。納音は味わい深いイメージとして楽しみ、何を補いどう進むかは用神・喜神で判断してください。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。
年命の次は、命式全体を
詳しい命式鑑定では、日干・通変星・強弱・用神から 12 の面を読み解きます。これこそが四柱推命(子平)の中心です。
納音のよくある質問
納音とは何ですか?
六十干支を二つずつ組にして、取象をともなう三十の五行を配したものです。たとえば甲子・乙丑は海中金。年柱の納音がいわゆる「〇〇命」です。
自分が何命かはどうやって調べますか?
生まれ年の年柱の干支を出し、その納音を引きます。年柱は立春で替わるので、1 月末〜2 月中旬生まれの方はとくに確認してください。
納音の五行と干支(えと)の五行は同じですか?
違います。干支(えと)は年の地支、納音は年柱の干支全体を見ます。六十柱のうち両者の五行が同じなのは 12 柱だけです。
自分の「〇〇命」の五行を補えばいいのですか?
いいえ。何を補うかは用神・喜神で決まります。当サイトの検証では、年命の納音が用神・喜神にあたるのは 45.3% だけでした。