殺破狼:七殺・破軍・貪狼の開拓型の格局

殺破狼(さっぱろう)は、紫微斗数でいちばん有名な言葉かもしれません。ただしこれは吉凶の判断ではなく、構造の分類です。七殺(しちさつ)・破軍(はぐん)・貪狼(とんろう)の三星はいつも互いに三合の位置にあるので、命宮にどれか一つが入れば、残る二つは必ず財帛宮と官禄宮に入ります。この命盤に共通するのは「動」です。変化が多く、切り開くことをいとわず、人生のリズムの起伏も大きめになります。

殺破狼

成格の条件:命宮に七殺・破軍・貪狼のいずれかが入る(残る二星は必ず財帛宮と官禄宮)。

加点と破格:殺破狼そのものは構造の分類で、吉凶は論じません。古書が重視するのは、吉星や禄・権・科がその勢いを受け止められるか、そして擎羊・鈴星のような煞星が突進力をさらに強めていないか、という点です。

出典:「骨髄賦」に「七殺破軍宜出外」、『全書』巻三に「七殺破軍專依羊鈴之虐」

三つの星にはそれぞれのリズムがあります。七殺は「まず目標を決めてから突き進む」タイプで、規律を重んじます。破軍は「壊してから建てる」タイプで、古いものをいったん崩してやり直すことを好みます。貪狼は「何でも試してみたい」タイプで、興味が広く人づきあいも活発です。この三星が命宮・財帛宮・官禄宮に順番に現れるので、殺破狼の人は仕事・お金・性格の三本の線すべてに変化の感覚を帯びています。転職、環境の切り替え、ゼロからの立ち上げといった話が特に多い命盤です。

「殺破狼」という言葉は後の時代の総称で、古書にこの格局名はありません。定義は各派で一致しています。唯一の違いは、命宮が空宮で対宮から殺破狼を借りる場合を数えるかどうかで、本サイトは数えません(星を借りて格局に当てはめないため)。

本サイトの実測:命盤の約 24.9% が殺破狼に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 1 月 2 日、申の刻生まれ(己亥年)。命宮は巳で、紫微・七殺が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:右弼・武曲化禄・貪狼化権。煞星・化忌・陥:陀羅・火星。

なぜ一つが命宮に入ると、残る二つは必ず財官に入るのか

安星のとき、七殺・破軍・貪狼はいずれも天府星系に属し、互いの距離は決まっています。貪狼は七殺の四つ前の宮、破軍は七殺の四つ後の宮にあり、三星でちょうど三合を作ります。命宮の三合は財帛宮と官禄宮なので、命宮にどれか一つが入れば、残る二つは必ず財帛宮と官禄宮に分かれて入ります。本サイトで 16,802 枚の命盤を確かめたところ、例外はありませんでした。

命宮に入る星財帛宮と官禄宮よく見られるリズム
七殺破軍・貪狼目標がはっきりしていて、圧力が大きいほど踏ん張れる
破軍貪狼・七殺ゼロからの出直しを恐れず、人生に何度か大きな転機がある
貪狼七殺・破軍興味が多く人脈が広い、チャンス型の伸び方

三星は命宮で別の星と同宮することがあり(紫微・七殺、武曲・破軍、廉貞・貪狼など)、同宮する星によってリズムは大きく変わります。詳しくは命宮の七殺、命宮の破軍、命宮の貪狼をご覧ください。

殺破狼の中の名前つきの格局

殺破狼のうち、特定の宮の組み合わせには別の名前があります。七殺が単独で子・午・寅・申に入れば七殺朝斗、破軍が単独で子・午に入れば英星入廟、貪狼が火星・鈴星と出会えば火貪格・鈴貪格、武曲と貪狼が組めば貪武同行です。

誤解:殺破狼の人は一生落ち着かず、運が悪い。

殺破狼が表すのはリズムであって、良し悪しではありません。変化が多いということは、チャンスが多く適応力が高いということでもあります。本サイトの集計では命盤の約 4 分の 1 が殺破狼で、ごくありふれた構造です。

誤解:殺破狼は経営者か起業にしか向かない。

古書の「宜出外」は、変化があり開拓していける環境が合う、という意味です。営業、プロジェクト、海外や地方への赴任など、新しい課題にしょっちゅう向き合う仕事でも、この気質は生かせます。

誤解:命宮が空宮で対宮が七殺なら、殺破狼に数える。

本サイトは対宮の主星を借りて格局に当てはめません。空宮の命盤は対宮の影響を受けますが、構造としては命宮に殺破狼は入っていません。

ほかの格局

機月同梁安定型の四星が三方にそろう 君臣慶会と紫府の格局紫府同宮・府相朝垣・輔弼拱主 日月の格局日照雷門・月朗天門・日月並明・反背 明珠出海未宮の空宮を日月が財官から照らす 石中隠玉と巨門の格局巨門の子午・巨日同宮・機巨同臨 陽梁昌禄と天梁の格局試験と文書・善蔭朝綱・寿星入廟 七殺朝斗と雄宿朝元七殺・廉貞・破軍が特定の宮に入る 火貪格と鈴貪格貪狼に火星・鈴星・貪武同行 禄存・四化と吉星の格局禄馬交馳・双禄・三奇・坐貴向貴 凶格羊陀夾忌・馬頭帯剣・命裏逢空など 紫微斗数の格局一覧全格局の一覧+無料チェッカー

率直に言うと:格局は命盤のひとことの要約であって、命盤のすべてではありません

古書は、よく現れて見分けやすい星の組み合わせに名前をつけました。覚えやすく、説明しやすくするためで、それが格局です。命盤の輪郭をすばやくつかむには便利ですが、命盤の吉凶は格局の名前があるかどうかで決まるものではありません。同じ格局でも、三方四正の吉星・煞星・四化が違えば、たどる人生は大きく変わります。当サイトは成格の条件、古書の出典、性格の傾向だけを書き、富貴・貧賤・寿命・健康についての断定はしません。内容は参考・娯楽を目的としたものです。

自分の命盤にどんな格局があるか調べる

新暦の生年月日と出生時刻を入れると、命盤が当てはまるすべての格局、成格の根拠、三方四正の吉星と煞星・化忌を一覧にします。計算はすべてブラウザ内で行います。

殺破狼のよくある質問

殺破狼とはどういう意味ですか?

命宮に七殺・破軍・貪狼のどれか一つが入る命盤の構造です。三星はつねに三合の位置にあるので、残る二つは必ず財帛宮と官禄宮に入ります。

殺破狼の人は多いですか?

多いです。本サイトの集計では命盤の約 24.9% が殺破狼で、およそ 4 人に 1 人です。

殺破狼にはどんな仕事が向いていますか?

古書は「七殺破軍宜出外」(七殺・破軍は外に出るのがよい)と言います。変化があり、開拓していけて、新しい課題によく向き合う環境、たとえば営業、プロジェクト、赴任、起業などが合います。