禄存・四化と吉星の格局

これまでのページの格局は主星を中心にしていましたが、このページの格局は補佐の星と四化でできています。禄存(ろくぞん)・天馬(てんば)、生年の禄・権・科、天魁・天鉞、文昌・文曲、左輔・右弼です。これらは「加点項目」に近く、構造上の制約も少なくありません。たとえば、ある年干ではそもそも成立しえない格局もあります。

禄馬交馳(ろくばこうち)

成格の条件:禄(禄存または化禄)と天馬がともに三方四正にある(同宮、または命宮と遷移宮で向かい合えば正格)。

加点と破格:『全書』は煞・擎羊・火星・截路・空亡が見えるのを嫌うとし、「太微賦」は「馬遇空亡,終身奔走」と言います。

出典:「太微賦」に「日月最嫌反背,祿馬最喜交馳」、「諸星問答論」天馬に「如與祿存同宮,謂之祿馬交馳」、「骨髄賦」に「天祿天馬,驚人甲第」

禄は資源、馬は移動で、財は動く中で得るものです。外に出る仕事、営業、地域をまたぐ仕事、よく移動する仕事に向いています。

『全書』の本来の意味は禄存と天馬の同宮で、構造上ありうるのは甲子・甲辰・甲申・庚寅・庚午・庚戌の六つの生まれ年だけです。通行本はこれを広げ、三方四正に禄(禄存または化禄)と天馬が同時に見えればよいとしています。本サイトは広い版で成立を判定し、同宮するもの、または命宮と遷移宮で一方が入り一方が照らすものを「正格」(約 9.2%)と別に表示します。

本サイトの実測:命盤の約 17.9% が禄馬交馳に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 1 月 28 日、午の刻生まれ(庚子年)。命宮は申で、天同・天梁が入ります(正格)。三方四正の吉星と禄・権・科:左輔・文昌・禄存・太陰化科。煞星・化忌・陥:火星・鈴星・天同化忌・天梁(陥)。

双禄朝垣(そうろくちょうえん)

成格の条件:禄存と生年の化禄がともに三方四正にある(二つとも命宮なら禄合鴛鴦)。

加点と破格:空劫・化忌が見えれば減点です(凶格のページの禄逢衝破を参照)。

出典:「骨髄賦」に「合祿拱祿,定為巨擘之臣」、『全書』巻三に「雙祿重逢,終身富貴」

禄存は安定した禄、化禄は流れる禄で、二つがそろうのは資源の道が一本ではないということです。お金の管理や蓄えの力が比較的高いと読みます。

通行本は三方四正に禄存と生年の化禄が同時にあることを求め、二つの禄がそろって命宮にあるものを別に「禄合鴛鴦」とします。星林学苑は「双禄交流」と呼び、二つの禄が命宮、または命宮と遷移宮に一つずつあることを求めます。本サイトは三方四正で成立を判定し、二つの禄がそろって命宮にあるものを禄合鴛鴦と別に表示します。

本サイトの実測:命盤の約 11.0% が双禄朝垣に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 1 月 4 日、卯の刻生まれ(己亥年)。命宮は戌で、武曲が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:禄存・武曲化禄・貪狼化権。煞星・化忌・陥:地劫。

三奇加会(さんきかかい)

成格の条件:生年の化禄・化権・化科がすべて三方四正にある。

加点と破格:主星が陥か、煞星・化忌が見えれば減点です。

出典:「骨髄賦」に「科權祿拱,名譽昭彰」、「諸星問答論」化禄に「守身命官祿之位,科權相逢必作大臣之職」

生年の禄・権・科がすべて命宮の三方を照らし、チャンスにも引き立ててくれる人にも恵まれ、志も大きい形です。

三化が命宮・財帛宮・官禄宮に一つずつ分かれていることを求める流派もあれば、化忌が特定の宮にしか落ちてはいけないとする流派もあります。本サイトは三方四正に三化がそろえば成立とします。構造上、本サイトが安星の公式で検証したところ、成立しうるのは甲・丙・丁・辛の四つの年干だけで、乙・戊・己・庚・壬・癸年生まれの人は構造上三奇加会になりえません。これは通行本の「並無三奇格」(三奇格はない)という記述とも一致します。

本サイトの実測:命盤の約 5.0% が三奇加会に当てはまります。

例の命盤:新暦 1961 年 2 月 16 日、未の刻生まれ(辛丑年)。命宮は未で、主星はありません。三方四正の吉星と禄・権・科:文昌・文曲・巨門化禄・太陽化権・文曲化科。煞星・化忌・陥:文昌化忌。

坐貴向貴(ざきこうき)

成格の条件:天魁・天鉞の一方が命宮、もう一方が遷移宮にある(三方四正からの会照だけなら天乙拱命)。

出典:「定貴局」に「坐貴向貴 謂魁鉞在命迭相坐拱是也」、「太微賦」に「魁鉞同行,位居臺輔」、「骨髄賦」に「天魁天鉞,蓋世文章」

天魁・天鉞は貴人の星です。一方が命宮、もう一方が遷移宮にあれば、生涯を通じて助けてくれる人が多く、目上や上司に引き立てられやすいと読みます。

天魁・天鉞が丑・未で向かい合うのは甲・戊・庚年だけなので、厳密な坐貴向貴は命宮が丑か未で、甲・戊・庚年生まれの場合に限られます(約 5.1%)。三方四正から会照するだけのものは「天乙拱命」と別に表示します(約 14.0%)。星林学苑はさらに、天魁が命宮なら昼の生まれ、天鉞が命宮なら夜の生まれを求めますが、本サイトは昼夜を判定していません。

本サイトの実測:命盤の約 19.1% が坐貴向貴に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 2 月 2 日、丑の刻生まれ(庚子年)。命宮は丑で、天機が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:文昌・文曲・天魁・天鉞。煞星・化忌・陥:擎羊・陀羅・天同化忌・天機(陥)。

文桂文華(ぶんけいぶんか)

成格の条件:文昌・文曲が命宮に同宮する、または遷移宮に同宮して命宮を照らす(丑・未のみ)。

加点と破格:凶煞が同宮するか加会すれば減点です。

出典:「骨髄賦」に「文桂文華,九重貴顯」、『全書』巻三に「昌曲臨於丑未,時逢卯酉,近天顏」

文昌は正式な学問と文書、文曲は弁舌と芸事を表します。二星が命宮で同宮するか命宮を照らせば、立ち居ふるまいが上品で、聡明で学ぶことが好きになり、文芸や学術で力を発揮します。

文昌・文曲の同宮は丑(酉の刻生まれ)か未(卯の刻生まれ)にしか現れません。『全書』の注は実は向かい合う式(文昌・文曲が未、命宮が丑)で、本サイトは同宮と向かい合う式の両方を判定します。

本サイトの実測:命盤の約 2.8% が文桂文華に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 3 月 30 日、卯の刻生まれ(庚子年)。命宮は丑で、太陽・太陰が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:文昌・文曲・天魁・天鉞・太陽化禄・太陰化科。煞星・化忌・陥:擎羊・陀羅・火星・鈴星・太陽(陥)。

左右同宮(さゆうどうきゅう)

成格の条件:左輔・右弼が命宮に同宮する(丑・未のみ)。

出典:「骨髄賦」に「墓逢左右,尊居八座之貴」、『全書』巻三に「左右同宮,披羅衣紫」

左輔・右弼は助けの星です。二星がそろって命宮に入る人は人望があり、進んで人を助け、企画と調整の力が高く、補佐役の要になることがよくあります。

左輔・右弼の同宮は丑(旧暦 10 月生まれ)か未(4 月生まれ)にしか現れません。通行本はさらに、吉星との同宮や加会を求めます。

本サイトの実測:命盤の約 1.4% が左右同宮に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 5 月 2 日、戌の刻生まれ(庚子年)。命宮は未で、主星はありません。三方四正の吉星と禄・権・科:左輔・右弼・天魁・天鉞・太陽化禄・太陰化科。煞星・化忌・陥:陀羅・地空・天同化忌。

誤解:三奇加会はどの年に生まれた人でも成立しうる。

構造上ありうるのは甲・丙・丁・辛年だけで、ほかの六つの年干の人は三奇加会になりえません。

誤解:禄馬交馳ならお金持ちになれる。

禄馬交馳が表すのは「財は動く中で得る」という型で、移動や外出の多い仕事に向いているという意味です。思いがけない大金とは違います。

ほかの格局

殺破狼七殺・破軍・貪狼の開拓型の構造 機月同梁安定型の四星が三方にそろう 君臣慶会と紫府の格局紫府同宮・府相朝垣・輔弼拱主 日月の格局日照雷門・月朗天門・日月並明・反背 明珠出海未宮の空宮を日月が財官から照らす 石中隠玉と巨門の格局巨門の子午・巨日同宮・機巨同臨 陽梁昌禄と天梁の格局試験と文書・善蔭朝綱・寿星入廟 七殺朝斗と雄宿朝元七殺・廉貞・破軍が特定の宮に入る 火貪格と鈴貪格貪狼に火星・鈴星・貪武同行 凶格羊陀夾忌・馬頭帯剣・命裏逢空など 紫微斗数の格局一覧全格局の一覧+無料チェッカー

率直に言うと:格局は命盤のひとことの要約であって、命盤のすべてではありません

古書は、よく現れて見分けやすい星の組み合わせに名前をつけました。覚えやすく、説明しやすくするためで、それが格局です。命盤の輪郭をすばやくつかむには便利ですが、命盤の吉凶は格局の名前があるかどうかで決まるものではありません。同じ格局でも、三方四正の吉星・煞星・四化が違えば、たどる人生は大きく変わります。当サイトは成格の条件、古書の出典、性格の傾向だけを書き、富貴・貧賤・寿命・健康についての断定はしません。内容は参考・娯楽を目的としたものです。

自分の命盤にどんな格局があるか調べる

新暦の生年月日と出生時刻を入れると、命盤が当てはまるすべての格局、成格の根拠、三方四正の吉星と煞星・化忌を一覧にします。計算はすべてブラウザ内で行います。

禄存と吉星の格局のよくある質問

禄馬交馳とは何ですか?

禄存または化禄と天馬が、ともに命宮の三方四正にある形です。『全書』の本来の意味は禄存と天馬の同宮で、財は動く中で得る、と読みます。

三奇加会になるのは何年生まれですか?

生年の化禄・化権・化科がすべて命宮の三方四正にある形で、構造上成立しうるのは甲・丙・丁・辛年生まれの人だけです。

坐貴向貴の条件は何ですか?

天魁・天鉞の一方が命宮、もう一方が遷移宮にあることです。構造上、命宮が丑か未で、甲・戊・庚年生まれの場合に限られます。