火貪格・鈴貪格と貪武同行:貪狼の爆発力

貪狼(とんろう)はそもそも欲とチャンスの星です。それが火星(かせい)や鈴星(れいせい)というせっかちな二つの煞星と出会うと、古書はかえって吉格だと言います。火貪格(かとんかく)と鈴貪格(れいとんかく)です。ここでは煞星が触媒になり、貪狼のチャンスを速く、激しくもたらします。

火貪格

成格の条件:貪狼が命宮に入り、火星が同宮する(三方四正からの会照は次格)。

加点と破格:貪狼が辰・戌・丑・未の四墓宮にあればよい(『全書』は辰・戌を佳、丑・未をその次とする)。貪狼が化禄ならなおよし。さらに擎羊・陀羅・化忌が見えると、浮き沈みが大きいと読まれることが多くなります。

出典:「骨髄賦」に「貪狼火星居廟旺,名鎮諸邦」、「定貴局」に「貪火相逢 謂二星守命同居廟旺是也」、『全書』巻三に「貪狼遇鈴火四墓宮,豪富家資侯伯貴」

爆発力が強く動きが速く、チャンスが来ればためらわずにつかみます。この命盤の人には「ある年に急に伸びた」という話がよくありますが、速く来たものは速く去ることもある、と自分に言い聞かせておくことも大切です。伸びたあとの守りも、同じくらい重要です。

本サイトは、火星と貪狼がそろって命宮に入るものを正格(約 0.7%)、火星が三方四正から会照するだけのものを次格としています。『全書』には内部の矛盾があります。巻三の火星の廟旺表は辰を陥地としながら、同じ巻で貪狼が火星・鈴星と出会うなら辰・戌が最良としているのです。そのため本サイトは火星の廟旺を条件にしていません。

本サイトの実測:命盤の約 2.7% が火貪格に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 1 月 6 日、寅の刻生まれ(己亥年)。命宮は亥で、廉貞・貪狼が入ります(同宮)。三方四正の吉星と禄・権・科:左輔・右弼・武曲化禄・貪狼化権。煞星・化忌・陥:擎羊・陀羅・火星・廉貞(陥)・貪狼(陥)。

鈴貪格

成格の条件:貪狼が命宮に入り、鈴星が同宮する(三方四正からの会照は次格)。

加点と破格:火貪格と同じく、四墓宮ならよく、貪狼が化禄ならなおよし。さらに擎羊・陀羅・化忌が見えると浮き沈みが大きくなります。

出典:「骨髄賦」に「巨機同宮,公卿之位;貪鈴並守,將相之名」

鈴星も火星と同じくせっかちですが、火星が明るい炎なら、鈴星は内にこもる火です。鈴貪の人の爆発力は火貪より静かで長続きし、黙々と積み重ねてある時点で急に注目される、ということがよくあります。

iztro は『全書』に鈴貪格はないとしていますが、これは誤りで、「骨髄賦」に「貪鈴並守,將相之名」とあります。同宮の正格は約 0.7% です。

本サイトの実測:命盤の約 2.8% が鈴貪格に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 8 月 31 日、巳の刻生まれ(庚子年)。命宮は卯で、紫微・貪狼が入ります(同宮)。三方四正の吉星と禄・権・科:文曲・天鉞・武曲化権。煞星・化忌・陥:擎羊・陀羅・火星・鈴星。

貪武同行(とんぶどうこう)

成格の条件:武曲・貪狼が丑・未で同宮する、または一方が辰・戌の命宮に入り他方が対宮にある。

加点と破格:禄と吉星が見えれば上。『全書』も通行本も、火星・鈴星が見えるのを喜ぶとしています。巻三の注は辰・戌宮を佳、丑・未宮をその次とします。

出典:「骨髄賦」に「貪武同行,威鎮邊夷」、「骨髄賦」に「貪武墓中居,三十才發福」、『全書』巻三に「貪狼同行晚景邊夷神服」

武曲は財の星、貪狼は欲の星で、二つが四墓宮(辰・戌・丑・未)にそろうと、古書は「三十才發福」(三十歳になってようやく福が開ける)と言います。先に苦労してあとで報われる、積み重ねてから一気に伸びる、若いうちは苦労が多く、中年以降に成果が見えてくるタイプです。

全 6 通りの盤があります。武曲・貪狼が丑・未で同宮するか、一方が単独で辰・戌に入り、もう一方が対宮にある形です。通行本は辰・戌の式を「一方が命宮、一方が身宮」と書いていますが、ほかの出典はいずれも命宮と対宮としています。

本サイトの実測:命盤の約 4.3% が貪武同行に当てはまります。

例の命盤:新暦 1960 年 1 月 3 日、酉の刻生まれ(己亥年)。命宮は辰で、貪狼が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:天魁・天鉞・武曲化禄・貪狼化権。煞星・化忌・陥:地劫。

誤解:火星・鈴星は煞星だから、出会えば必ず悪い。

火貪・鈴貪は、煞星が助けに変わる例です。煞星の働きは、どの主星と一緒にいるかで決まります。

誤解:火貪格は宝くじが当たる。

古書が言っているのは爆発力とチャンスであって、思いがけない大金ではありません。本サイトは投資や一攫千金についての助言は一切しません。

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率直に言うと:格局は命盤のひとことの要約であって、命盤のすべてではありません

古書は、よく現れて見分けやすい星の組み合わせに名前をつけました。覚えやすく、説明しやすくするためで、それが格局です。命盤の輪郭をすばやくつかむには便利ですが、命盤の吉凶は格局の名前があるかどうかで決まるものではありません。同じ格局でも、三方四正の吉星・煞星・四化が違えば、たどる人生は大きく変わります。当サイトは成格の条件、古書の出典、性格の傾向だけを書き、富貴・貧賤・寿命・健康についての断定はしません。内容は参考・娯楽を目的としたものです。

自分の命盤にどんな格局があるか調べる

新暦の生年月日と出生時刻を入れると、命盤が当てはまるすべての格局、成格の根拠、三方四正の吉星と煞星・化忌を一覧にします。計算はすべてブラウザ内で行います。

火貪格のよくある質問

火貪格の条件は何ですか?

貪狼が命宮に入り、火星が同宮すれば正格、火星が三方四正から会照するだけなら次格です。鈴星が同宮する場合は鈴貪格と呼びます。

火貪格と鈴貪格はどちらがよいですか?

古書は二つを並べて挙げています。一般的には、火貪は爆発が速く目立ち、鈴貪はより静かで長続きすると読みます。

貪武同行とは何ですか?

武曲・貪狼が丑・未で同宮するか、一方が辰・戌に入り、もう一方が対宮にある形です。古書は「貪武墓中居、三十才発福」と言います。