日月の格局:太陽と太陰の明と暗
太陽(たいよう)と太陰(たいいん)は、紫微斗数の中でもっとも「明るいかどうか」を問われる二つの星です。太陽は昼を、太陰は夜を見て、旺じる宮にあれば光り、陥の宮にあれば輝きを失います。そのため古書は二星の位置をめぐって、日照雷門から日月反背まで一組の格局を作りました。
日照雷門(にっしょうらいもん)
成格の条件:太陽・天梁が卯宮の命宮に同宮する。
加点と破格:古書は昼の生まれを求めます。通行本は乙・辛・壬年生まれを合格とし、乙・辛を最良とします。禄や吉星が見えれば上、三方四正に煞が見えれば減点です。
出典:「骨髄賦」に「日照雷門,富貴榮華」、「定貴局」に「日出扶桑 日在卯守命是也」
卯は東、日の出の方角です。卯の太陽は昇りはじめた朝日のようで、はつらつとしていて、進んで前に出て、人の面倒を見ようとします。太陽が卯にあれば必ず天梁と同宮し、対宮の酉は空宮、財帛宮の亥には太陰があるので、この命盤には月朗天門の面影も重なっています。
五つの出典で宮の位置は一致しており(卯)、酉宮は数えないと明記しています。「定貴局」は太陽が卯で官禄宮を守る場合も数えるとしますが、そのとき命宮は亥で、実質的には月朗天門です。本サイトは昼夜を判定していません。古書は昼の生まれを求めますが、時辰のどこで昼と夜を分けるかは流派で統一されていないためです。
本サイトの実測:命盤の約 0.8% が日照雷門に当てはまります。
例の命盤:新暦 1960 年 3 月 27 日、丑の刻生まれ(庚子年)。命宮は卯で、太陽・天梁が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:文昌・天鉞・太陽化禄・太陰化科。煞星・化忌・陥:擎羊・陀羅・火星・鈴星。
月朗天門(げつろうてんもん)
成格の条件:太陰が単独で亥宮の命宮に入る。
加点と破格:古書は夜の生まれを求めます。禄や吉星が見えれば上で、通行本は文昌・文曲との同宮をもっとも美しいとし、命宮に煞が見えれば破格とします。
出典:「骨髄賦」に「月朗天門,進爵封侯」、『全書』巻三に「月朗天門於亥地,登雲職掌大權」、「定貴局」に「月落亥宮 月在亥守命是也,又名月朗天門」
亥は太陰がもっとも明るい位置の一つで、対宮は天機、官禄宮の卯は太陽・天梁です。穏やかで細やか、才気があり、落ち着きの中に親しみやすさを備えています。
宮の位置は五つの出典で一致しており、違うのは年干の説だけです。
本サイトの実測:命盤の約 0.8% が月朗天門に当てはまります。
例の命盤:新暦 1960 年 4 月 26 日、午の刻生まれ(庚子年)。命宮は亥で、太陰が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:左輔・右弼・天鉞・太陽化禄・太陰化科。煞星・化忌・陥:陀羅・地空・地劫。
日月並明(じつげつへいめい)
成格の条件:太陽・太陰がともに三方四正にあり、どちらも廟旺(丑宮天梁式と午宮空宮式が主式)。
加点と破格:禄・文昌・文曲・左輔・右弼・天魁・天鉞が見えれば上。多くの出典は、煞星・化忌は減点にとどまるとしています。
出典:「骨髄賦」に「日月並明,佐九重於堯殿」、『全書』巻三に「日巳月酉,丑宮命步蟾宮」、『全書』巻三に「日辰月戌並爭耀,權祿非淺」、『全書』巻三に「日月守命,不如照合並明」
太陽も太陰も明るいので、生活のリズムも気持ちも明るく規則正しい方向に向かいやすく、名誉を重んじ、人を助けようとします。『全書』はわざわざ「日月守命,不如照合並明」と書いています。太陽・太陰が三方から照らすほうが、命宮に入るよりよい、という意味です。
式は流派によって大きく違います。『全書』には三式(日巳月酉で命が丑、日卯月亥で命が未、日辰月戌)、通行本には二式があり、そのうち「命宮は午で空宮、寅宮に太陽・巨門、子宮に天同・太陰」の一式は『全書』の原文に見当たりません。広い版(星林学苑、iztro)は太陽・太陰がともに三方四正にあってどちらも廟旺であればよいとし、本サイトの検証では全 10 通りでした。本サイトは三つとも判定し、丑宮と午宮の二式を「主式」、それ以外を「広義」と表示します。「日卯月亥で命が未」は明珠出海として別に挙げ、日月並明とは重ねて表示しません。
本サイトの実測:主式は約 1.4%、広義は約 5.1% です。
本サイトの実測:命盤の約 6.5% が日月並明に当てはまります。
例の命盤:新暦 1960 年 5 月 9 日、辰の刻生まれ(庚子年)。命宮は丑で、天梁が入ります(主式)。三方四正の吉星と禄・権・科:左輔・右弼・天魁・天鉞・太陽化禄・太陰化科。煞星・化忌・陥:擎羊・陀羅・地空。
金燦光輝(きんさんこうき)
成格の条件:太陽が単独で午宮の命宮に入る。
加点と破格:禄・権・科、文昌・文曲、左輔・右弼が見えれば上。三合に煞星・化忌がある、文昌・文曲や左輔・右弼を欠く、空劫が見える、といった場合は大きく減点です。
出典:「太微賦」に「太陽居午,謂之日麗中天,有專權之貴,敵國之富」、「定富局」に「金燦光輝 太陽單守,命在午宮是也」、『全書』巻三に「太陽居午,庚辛丁己人富貴雙全」
太陽は正午にもっとも旺じ、対宮の子は天梁、官禄宮の戌は巨門です。存在感が強く決断力があり、みんなの方向を決める役を引き受けがちですが、そのぶん自分に大きすぎる責任を背負わせやすくもあります。
宮の位置は各派で一致しており、別名は「日麗中天」です。太陽が化禄になってはじめて成立するとする人もいますが、多くの出典は採っていません。
本サイトの実測:命盤の約 0.6% が金燦光輝に当てはまります。
例の命盤:新暦 1960 年 8 月 16 日、寅の刻生まれ(庚子年)。命宮は午で、太陽が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:左輔・文曲・太陽化禄。煞星・化忌・陥:鈴星。
水澄桂萼(すいちょうけいがく)
成格の条件:太陰が子宮の命宮に入る(天同と同宮)。
出典:「太微賦」に「太陰居子,號曰水澄桂萼,得清要之職,忠諫之材」
太陰が子宮の命宮に入り、天同と同宮します。物静かで清らか、筋道を大切にし、本当のことを言う勇気がありながら、言い方は穏やかです。
水澄桂萼と月生滄海を同じ格局として扱うサイトが多いのですが、これは誤解です。「太微賦」の水澄桂萼は命宮の話、「定貴局」の月生滄海は田宅宮の話で、本サイトは二つに分けています。
本サイトの実測:命盤の約 0.7% が水澄桂萼に当てはまります。
例の命盤:新暦 1960 年 3 月 7 日、卯の刻生まれ(庚子年)。命宮は子で、天同・太陰が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:禄存・太陰化科。煞星・化忌・陥:地空・天同化忌。
月生滄海(げっせいそうかい)
成格の条件:太陰が子宮にあり、その宮が田宅宮(『全書』定貴局の本来の意味)。
出典:「定貴局」に「月生滄海 月在子宮守田宅是也」
太陰は田宅の主の星で、子宮は太陰がとても明るい位置です。太陰が子宮にあって、その宮がちょうど田宅宮にあたるので、古書は家と蓄えにとってよい配置とみなしました。家を大切にし、住まいの環境にこだわりがあり、ものを蓄えるのも比較的得意と読みます。
通行本と iztro は命宮・田宅宮の両方を採り、星林学苑は二つの名前を同じ格局として命宮だけを採ります。本サイトは『全書』の本来の意味に従い、月生滄海は田宅宮に限り、命宮の太陰が子にあるものは水澄桂萼として別に挙げます。
本サイトの実測:命盤の約 0.9% が月生滄海に当てはまります。
例の命盤:新暦 1960 年 1 月 17 日、辰の刻生まれ(己亥年)。命宮は酉で、廉貞・破軍が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:左輔・武曲化禄・貪狼化権。煞星・化忌・陥:陀羅・火星・地劫・破軍(陥)。
日月反背(じつげつはんぱい)
成格の条件:太陽が単独で戌、太陰が辰にあって向かい合う、またはその逆(二星とも陥の盤は別に表示)。
加点と破格:三方に巨門も見えるものを、「定貧賤局」は「日月蔵輝」と呼びます。一方で『全書』は逃げ道も残していて、生まれ育った環境を離れて自分で家を築けば、かえって吉としています。
出典:「骨髄賦」に「日月最嫌反背,乃為失輝」、『全書』巻三の注に「若反背日戌月辰……若出外離宗成家也吉,勿概以反背論」
太陽が戌、太陰が辰にあり、二つとも輝きを失う位置で向かい合っています。苦労をいとわない控えめなタイプで、夜遅くまで働くような働き方になりやすい一方、人の気持ちがよくわかり、自分の力で一歩ずつ積み上げていける人と読みます。古書自身が、反背の人は生まれ育った環境を離れて家を築き身を立てれば「也吉」(それも吉)と書いています。
本サイトは二層に分けています。狭い版(太陽が単独で戌、太陰が辰で向かい合う、またはその逆)は約 1.5%。広い版(太陽・太陰がともに三方四正にあり、どちらも陥)は「日月とも陥」と別に表示し、約 2.4% です。通行本には、夜の生まれ・昼の生まれなどを条件とする「日月蔵輝」という説もありますが、本サイトは三方に巨門が見える場合にだけ注記しています。
本サイトの実測:命盤の約 3.9% が日月反背に当てはまります。
例の命盤:新暦 1960 年 5 月 7 日、未の刻生まれ(庚子年)。命宮は戌で、太陽が入ります。三方四正の吉星と禄・権・科:太陽化禄・太陰化科。煞星・化忌・陥:地空・地劫・太陽(陥)。
誤解:太陽・太陰が命宮に入るほうが、照らされるより必ずよい。
『全書』ははっきり「日月守命,不如照合並明」と書いています。太陽・太陰が三方から照らすほうがむしろ上格です。
誤解:日月反背の人は必ず苦労する。
『全書』自身が、反背の人は「出外離宗成家也吉」(外に出て一家を構えれば吉)と書いています。苦労するかどうかも、三方四正の吉星・四化・大限を見て判断するものです。
誤解:水澄桂萼と月生滄海は同じ格局。
古書の出典が違います。水澄桂萼は「太微賦」で命宮の話、月生滄海は「定貴局」で田宅宮の話です。
ほかの格局
率直に言うと:格局は命盤のひとことの要約であって、命盤のすべてではありません
古書は、よく現れて見分けやすい星の組み合わせに名前をつけました。覚えやすく、説明しやすくするためで、それが格局です。命盤の輪郭をすばやくつかむには便利ですが、命盤の吉凶は格局の名前があるかどうかで決まるものではありません。同じ格局でも、三方四正の吉星・煞星・四化が違えば、たどる人生は大きく変わります。当サイトは成格の条件、古書の出典、性格の傾向だけを書き、富貴・貧賤・寿命・健康についての断定はしません。内容は参考・娯楽を目的としたものです。
自分の命盤にどんな格局があるか調べる
新暦の生年月日と出生時刻を入れると、命盤が当てはまるすべての格局、成格の根拠、三方四正の吉星と煞星・化忌を一覧にします。計算はすべてブラウザ内で行います。
日月の格局のよくある質問
日照雷門とはどんな格局ですか?
太陽と天梁が卯宮の命宮に同宮する格局で、古書は「日出扶桑」とも呼びます。対宮の酉は空宮、財帛宮の亥には太陰があります。
日月並明の条件は何ですか?
流派によって違います。『全書』には日巳月酉で命が丑、日卯月亥で命が未、日辰月戌の三式があり、広い版は太陽・太陰がともに三方四正にあってどちらも廟旺であればよいとします。本サイトは三つとも判定し、どの式かを表示します。
日月反背は凶格ですか?
古書は「日月最嫌反背」(日月は反背をもっとも嫌う)と言いますが、反背の人が生まれ育った環境を離れて家を築けば「也吉」とも書いています。本サイトは、苦労をいとわず、控えめで、自分の力で積み上げていく傾向としてだけ読みます。