化忌の冲と連鎖:飛星派の推論のチェーン
四化のうち、飛星派がもっとも重視するのは化忌です。禄・権・科が順調な面を語るのに対し、忌は手放せないこと、向き合わなければならないことを語ります。物事の因果は、たいていこの手放せないところに隠れているものです。このページでは化忌の三つの使い方、忌入・忌冲、そして忌をたどり続ける連鎖を扱います。
忌入と忌冲
| 忌入 | 忌冲 | |
|---|---|---|
| どの宮か | 化忌の落ち先の宮 | 落ち先の対宮 |
| 読み方 | 起点の宮がここを手放せず、ずっと向き合っている | 対宮側の人や事柄が揺さぶられ、影響を受け止める |
| 例 | 官禄宮の忌が福徳宮に入る:仕事のことを心にかけている | 忌が福徳宮にあり財帛宮を冲す:そのこだわりがお金の使い方も動かす |
覚えやすい読み方は、忌入の宮は事柄がしまわれる場所、忌冲の宮は事柄が飛び出していく先、というものです。紫微斗数では対宮どうしがもともと表裏一体(命宮と遷移宮、兄弟宮と奴僕宮、夫妻宮と官禄宮、子女宮と田宅宮、財帛宮と福徳宮、疾厄宮と父母宮)なので、一本の忌の線は実際には二つの宮に同時に触れています。
生年忌と宮干忌
生年化忌は生まれつき持っているもので、飛星派はよく先天的な課題と読みます。宮干の化忌は、ある宮がはたらくときに生まれるこだわりです。両者が重なるときはとくに注目に値します。当サイトの実測では約 10.1% の命盤で、命宮の宮干が化忌にする星と生年化忌の星が同じで、同じことを二度念押しされている形になります。
化忌の連鎖:忌を追いかける
化忌の連鎖(追忌、忌転忌とも呼ばれます)のやり方はシンプルです。ある宮から出発してその化忌がどの宮に落ちるかを見て、落ち先の宮の宮干でまた化忌を飛ばし、すでに通った宮に戻るまでたどり続けます。この連鎖を「ひとつの事柄がどう次の事柄を動かすか」として読みます。
例の命盤:1988 年 6 月 15 日午前 10 時生まれの女性(架空の生年月日)。旧暦では戊辰年五月初二、巳の刻、金四局で、命宮は乙丑、太陽・太陰が入ります。夫妻宮から出発します。
夫妻宮の宮干癸が貪狼を化忌にして父母宮に落ち、父母宮の宮干甲が太陽を化忌にして命宮に落ち、命宮の宮干乙が太陰を化忌にして命宮自身に落ちる(自化忌)ので、連鎖はここで止まります。全体の流れは 夫妻宮 → 父母宮 → 命宮 → 命宮 です。ひとつの読み方としては、恋愛でのこだわりが目上や上司とのかかわりに波及し、最後は自分の心に戻ってくる。そして自分の癖は、気にかけ抜いたあとで手を放すこと、となります。追忌で読み取れるのは一本の物語の筋であって結論ではなく、出発点を変えれば別の物語になります。
当サイトの実測
集計方法:本サイトのエンジンで 1960〜2005 年の毎日 1 枚ずつ紫微斗数の命盤を作成しました(時辰は固定シードの乱数で抽出、男女は交互)。計 16,802 枚です。宮干・飛化・自化は本サイトの飛化エンジンで計算しており、オープンソースの命盤ライブラリ iztro と 1 枚ずつ照合済みです。
十二宮がそれぞれ一本ずつ忌を飛ばすので、全部で十二本。平均すればどの宮もちょうど一回ずつ冲されるのは構造上の必然です。十二本の忌の線は平均 7.47 種類の宮にしか落ちないので、いくつかの宮には必ず複数の忌が同時に向かうことになり、飛星派はそうした宮を命盤の「重点作業エリア」と見なします。62.2% の命盤でいずれかの宮の忌が命宮を冲しているので、「忌が命宮を冲せば命が悪い」は成り立ちません。
忌が冲す宮では、必ずその宮の事柄に問題が起こる。
忌冲が表すのは揺さぶられること、影響を受け止めることで、何かが起こるという意味ではありません。当サイトは忌冲で凶を断定しません。
化忌の連鎖は長いほど悪い。
連鎖の長さは各宮の宮干と星の位置だけで決まり、吉凶とは関係ありません。物語を読む方法であって、点数をつけるものではありません。
疾厄宮が忌に冲されると体を壊す。
当サイトは健康の判断を行いません。体のことは医師に相談し、命盤で自分を怖がらせないでください。
率直に言うと:飛化は推論の道具であって、判決ではありません
飛星派は命盤を「宮と宮のあいだの因果の網」として読みます。ひとつの出来事を起点・経過・行き着く先に分けて考えられるのが強みで、推理のおもしろさがあります。ただし流派が多く、用語も読み方もそれぞれ異なり、同じ一本の化忌の線から、先生によって違う物語が読み出されることもあります。当サイトは各派に共通する骨格だけを書き、読み方は傾向とかかわり合いとして示します。凶の断定はせず、寿命や健康にも触れません。命盤は地図であり、どの道を歩くかを決めるのはあなた自身です。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。
あなた自身の化忌の連鎖をたどる
飛化盤でどの宮をタップしても、忌入と忌冲を表示し、その宮から出発する化忌の連鎖を一覧にします。
化忌冲のよくある質問
忌入と忌冲は何が違いますか?
忌入は化忌が落ちる宮で、手放せず、ずっと向き合っていると読みます。忌冲は落ち先の対宮で、そちら側が揺さぶられ、影響を受け止めると読みます。
化忌の連鎖とは何ですか?
ある宮から出発して化忌がどこに落ちるかを見て、落ち先の宮の宮干でまた忌を飛ばし、すでに通った宮に戻るまでたどっていく方法です。ひとつの事柄がどう次の事柄を動かすかを読むのに使います。
忌が命宮を冲すのは深刻ですか?
当サイトの実測では 62.2% の命盤で、いずれかの宮の忌が命宮を冲しており、ごく普通のことです。命宮が何かの事柄に揺さぶられることを表すもので、凶兆ではありません。
生年忌と宮干忌は、どちらが重要ですか?
生年忌は生まれつき持っている課題、宮干忌はある宮がはたらくときのこだわりです。両者が同じ星に落ちるとき(当サイトの実測で約 1 割)は、とくに注目に値します。