宮干飛化:十二宮はどう禄・権・科・忌を飛ばすか

生年四化はひと組だけで、生まれ年の天干で決まります。一方、宮干飛化は十二組あり、宮ごとにひと組ずつです。飛星派の推論は、ほとんどが「ある宮の宮干が何を化し、どこに落ちるか」から始まります。このページでは、宮干の出し方から一本の飛線の読み方までを説明します。

第一歩:五虎遁で宮干を出す

宮干の出し方は、四柱推命で月柱の天干を出す方法と同じで、「五虎遁(ごことん)」といいます。生まれ年の天干から寅宮の天干を決め、残りの宮は十干の順に並べていきます。

年干寅宮卯宮辰宮巳宮午宮未宮申宮酉宮戌宮亥宮子宮丑宮
甲己年丙寅丁卯戊辰己巳庚午辛未壬申癸酉甲戌乙亥丙子丁丑
乙庚年戊寅己卯庚辰辛巳壬午癸未甲申乙酉丙戌丁亥戊子己丑
丙辛年庚寅辛卯壬辰癸巳甲午乙未丙申丁酉戊戌己亥庚子辛丑
丁壬年壬寅癸卯甲辰乙巳丙午丁未戊申己酉庚戌辛亥壬子癸丑
戊癸年甲寅乙卯丙辰丁巳戊午己未庚申辛酉壬戌癸亥甲子乙丑

生まれ年の天干は旧暦の正月一日で切り替わります(紫微斗数・三合派の通例で、四柱推命の立春切り替えとは異なります)。

十二宮に配れる天干は十個しかないため、最後の子宮・丑宮は寅宮・卯宮の天干を繰り返します。つまりどの命盤にも、飛化がまったく同じになる宮が二組あるということです。子宮と寅宮、丑宮と卯宮です。例の命盤では兄弟宮(甲子)と父母宮(甲寅)が同じ天干で、飛び出す四化もまったく同じです。この二組の宮を読むときは、飛化そのものでは区別がつかないので、宮の意味と入っている星に立ち返って見分けます。

第二歩:十干四化表を引く

天干化禄化権化科化忌
甲廉貞破軍武曲太陽
乙天機天梁紫微太陰
丙天同天機文昌廉貞
丁太陰天同天機巨門
戊貪狼太陰右弼天機
己武曲貪狼天梁文曲
庚太陽武曲太陰天同
辛巨門太陽文曲文昌
壬天梁紫微左輔武曲
癸破軍巨門太陰貪狼

庚干と壬干の四化は流派によって版が異なります。本サイトは『全書』系統を採用し、庚干は「太陽・武曲・太陰・天同」、壬干は「天梁・紫微・左輔・武曲」としています。ほかの命盤ソフトと見比べて庚・壬の二干だけ違う場合は、たいていこれが原因です。

第三歩:一本の飛線を読む

一本の飛線には三つの要素があります。どの宮から飛び出すか(起点)、何を化すか(禄権科忌)、どの宮に落ちるか(終点)。飛星派の基本の読み方は「起点の宮が終点の宮に心を向ける」で、四化がその心の性質を決めます。

四化飛線上の意味よくある言い方
禄 化禄縁・与えること・順調さ進んで尽くし、縁を結びやすい。得もあれば情もある
権 化権コントロール・打ち込むこと・競争主導したく、力も注ぐが、口を出しすぎることも
科 化科体面・筋道・和らげること道理を重んじ、イメージを気にし、困ったときにここで落としどころを探す
忌 化忌執着・こだわり・借り手放せず、何度も戻って向き合う。気がかりであり課題でもある

我宮と他宮

多くの飛星派は十二宮を二つに分けます。「自分」により身近な我宮(命宮・財帛宮・疾厄宮・官禄宮・田宅宮・福徳宮)と、「他人」と結びつく他宮(兄弟宮・夫妻宮・子女宮・遷移宮・奴僕宮・父母宮)です。我宮から他宮へ飛べば、自分が人に尽くし、人を気にかけること。他宮から我宮へ飛べば、他人が自分にもたらす影響と読みます。分け方や用語は流派によって少しずつ異なり、本サイトではひとつの便利な読み方の角度として扱っています。

例の命盤:官禄宮から出る四本の線

例の命盤:1988 年 6 月 15 日午前 10 時生まれの女性(架空の生年月日)。旧暦では戊辰年五月初二、巳の刻、金四局で、命宮は乙丑、太陽・太陰が入ります。官禄宮は丁巳で、天梁が入っています。宮干丁の四化は次のとおりです。

四化星落ち先読み方
禄 化禄太陰命宮官禄宮の心が自然と命宮へ向かい、ここで縁を結び、惜しまず与える
権 化権天同夫妻宮官禄宮が夫妻宮で主導権を握りたがり、力も口も出す
科 化科天機福徳宮官禄宮が福徳宮で体面と筋道を重んじ、困ったときもここに落としどころを探す
忌 化忌巨門福徳宮官禄宮が福徳宮のことを手放せない。気がかりであり、課題でもある

官禄宮(仕事)が化禄を命宮へ飛ばすのは「仕事の手応えが自分に返ってくる」線で、仕事に達成感を見いだしやすい形です。化忌が福徳宮に飛び込むのは、仕事のことを家まで持ち帰り、いつも心にかけてしまう形です。化忌が福徳宮に落ちれば、対宮の財帛宮が冲されるので、飛星派はさらにこう問います。仕事でのこだわりが、お金の使い方にまで影響していないだろうか。このように問いを重ねていく方法は化忌の冲と連鎖で紹介しています。

自化離心自化と向心自化 化忌の冲と連鎖忌入・忌冲・追忌 来因宮生まれ年の天干がどの宮にあるか 転宮ある宮を太極にして周囲の人を見る 飛星四化の心法禄権科忌の推論文型と忌の軽重 飛星四化の総論飛星派と三合派+飛化盤

率直に言うと:飛化は推論の道具であって、判決ではありません

飛星派は命盤を「宮と宮のあいだの因果の網」として読みます。ひとつの出来事を起点・経過・行き着く先に分けて考えられるのが強みで、推理のおもしろさがあります。ただし流派が多く、用語も読み方もそれぞれ異なり、同じ一本の化忌の線から、先生によって違う物語が読み出されることもあります。当サイトは各派に共通する骨格だけを書き、読み方は傾向とかかわり合いとして示します。凶の断定はせず、寿命や健康にも触れません。命盤は地図であり、どの道を歩くかを決めるのはあなた自身です。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

あなたの十二宮の宮干を出してみましょう

飛化盤は各宮の宮干を表示し、どの宮をタップしても四本の飛線を描きます。

宮干飛化のよくある質問

宮干と生年四化は何が違いますか?

生年四化はひと組だけで、生まれ年の天干で決まる、生まれつき持っているものです。宮干飛化は宮ごとにひと組、全部で十二組あり、飛星派が宮と宮のかかわりを推論するための道具です。

なぜ子宮・丑宮の天干は寅宮・卯宮と同じなのですか?

十二宮に配れる天干は十個しかありません。五虎遁で寅宮から亥宮まで配るとちょうど十個になり、子宮・丑宮は寅宮・卯宮の天干を繰り返します。そのため、どの命盤にも飛化がまったく同じになる宮が二組あります。

なぜ庚干・壬干の四化は流派によって違うのですか?

古書に伝わる版が一様ではないためです。本サイトは『全書』系統を採用し、庚干は太陽が禄・武曲が権・太陰が科・天同が忌、壬干は天梁が禄・紫微が権・左輔が科・武曲が忌としています。

四化が主星のない宮へ飛ぶこともありますか?

あります。文昌・文曲・左輔・右弼も化されることがあり、これらが主星のない宮に入っている場合があるからです。飛化で見るのは、星が実際に入っている宮です。