夏の星空:夏の大三角、織姫と彦星、さそり座
夏の夜は、一年でいちばん天の川が美しい季節です。天頂近くでは三つの明るい星が見つけやすい夏の大三角をつくり、そのうち二つが七夕の織姫と彦星です。南の低い空に目を移すと、天の川のそばに明るい星のさそりが横たわり、その心臓の赤い星が古書の「大火」です。
台北 7 月 15 日 夜 9 時の星空
台北 7 月 15 日 夜 9 時。空を見上げたときの向きで、北が上、東が左、中心が天頂、外周が地平線です。惑星と月は年によって位置が変わるため描いていません。特定の日の空は、このページのツールでご覧ください。
同じ空は 8 月中旬なら夜 7 時ごろ、6 月中旬なら夜 11 時ごろにも見られます。星空は 1 か月に約 2 時間ずつ早くなるので、時刻をずらせば下の位置はほかの月にも使えます。
このページの計算例は、繁体字版と同じく台北(北緯 25°)で出しています。東京(北緯 35.7°)では北の星がおよそ 11° 高く、南の星がおよそ 11° 低く見えます。ツールで東京・札幌・大阪・福岡・那覇などを選べば、その場所の空を描き直せます。
この表で探してみましょう
| 目標 | 中国名 | 西洋の名前 | 台北 7/15 夜 9 時 | 東京 7/15 夜 9 時 | 見分け方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 夏の大三角:織姫星 | 織女一(織女星) | ベガ、こと座 | 北東の空、高度約 61° | 東の空、高度約 69° | 天頂近くでいちばん明るい青白い星 |
| 夏の大三角:彦星 | 河鼓二(牛郎星) | アルタイル、わし座 | 東の空、高度約 41° | 東の空、高度約 41° | 南東の空。両側に小さな星を一つずつ従え、天秤棒で二人の子を担いでいるよう(河鼓一・河鼓三) |
| 夏の大三角:デネブ | 天津四 | デネブ、はくちょう座 | 北東の空、高度約 38° | 北東の空、高度約 46° | 北東の空、はくちょう座の尾。はくちょう座全体は天の川に沿って飛ぶ十字形(北十字) |
| さそり座の心臓 | 心宿二(大火) | アンタレス、さそり座 | 南の空、高度約 38° | 南の空、高度約 28° | 南の低い空の、明らかに赤い明るい星。心宿の主星 |
| さそり座の尾 | 尾宿八 | シャウラ、さそり座 | 南の空、高度約 26° | 南の空、高度約 16° | アンタレスの南東に続く、釣り針のように曲がった星の列。尾宿 |
| いて座のティーポット | 斗宿四 | ヌンキ、いて座 | 南東の空、高度約 29° | 南東の空、高度約 21° | さそり座の東、ティーポット形の星。取っ手とふたが南斗六星(斗宿) |
| アークトゥルス | 大角(大角星) | アークトゥルス、うしかい座 | 西の空、高度約 57° | 西の空、高度約 52° | 西の空のやや高いところ、春から残っているオレンジ色の星 |
位置は当サイトの星空エンジンで計算(台北・東京とも地方の標準時、大気差は考慮せず)。緯度が 1° 北へ行くごとに、南の星はおよそ 1° 低くなります。
織姫と彦星:天の川をはさむ二つの星
七夕の物語で、彦星(牽牛)はアルタイル(わし座の河鼓二)、織姫はベガ(こと座の織女一)です。二つは天の川をはさんで約 34° 離れて向かい合っています。アルタイルの両側の小さな星は、天秤棒で担がれた二人の子どもだと言われます。二十八宿の牛宿・女宿は、彦星・織姫とは別の、とても暗い宿です。なお日本の七夕は新暦 7 月 7 日に行うことが多く梅雨と重なりがちですが、旧暦の七夕(伝統的七夕、例年 8 月ごろ)の宵のほうが二つの星は高く、見やすくなります。
「七月流火」は星のことで、暑さではない
『詩経』の「七月」の詩にある「火」はアンタレス、つまり大火です。旧暦七月の日暮れには大火が南中を過ぎて西へ傾き、これから涼しくなる、という意味でした。今の中国語では猛暑の意味で使われることが多く、ほぼ正反対になっています。
参と商は出会わない
杜甫は、会えない人どうしを「参と商のよう」と詠みました。参はオリオン座の冬の宿、商はさそり座の心宿で、空のほぼ反対側にあり、一方が昇ると他方が沈みます。当サイトのエンジンで 2027 年の台北を 10 分ごとに調べると、ベテルギウスとアンタレスが同時に地平線の上にあるのは全体のわずか 3.2% で、そのときも両方が地平線すれすれです。昼と薄明を除き、暗い空で両方を見られる時間は一年で合計約 118 時間、それもすべて地平線ぎりぎりです。
よくある三つの誤解
彦星は牛宿に、織姫星は女宿にある。
彦星はアルタイル(わし座の河鼓二)、織姫星はベガ(こと座の織女一)です。牛宿はやぎ座、女宿はみずがめ座にある、とても暗い宿です。
「七月流火」は暑いという意味。
もとは旧暦七月の日暮れに大火(アンタレス)が西へ傾く、つまり暑さがやわらぐという意味でした。
七夕の夜には織姫と彦星が近づく。
二つの星の距離は約 34° で変わらず、七夕の夜に縮まることはありません。そこは物語の部分です。
今夜の星空:いま頭の上に何があるか
日付・時刻・場所を選ぶと、その瞬間の全天星図を描き、月、惑星、高く昇っている明るい星、そして真南に南中している二十八宿を表示します。西洋の星座と中国の星官の線を切り替えられます。計算はすべてお使いのブラウザの中で行います。
星表:ヒッパルコス星表の 5 等星までの約 1,600 個(d3-celestial から整理、BSD ライセンス)。月と惑星は簡易計算で位置の誤差は 0.3° 以内、大気差は考慮していません。
正直に言うと:ここで扱うのは天文で、吉凶ではありません
このテーマで扱うのは、実際に空に見える星のことです。どの方角にあり、どの季節に見え、東洋と西洋でそれぞれ何と呼ぶか。暦注の「今日の宿」、宿曜占星術、テレビの星占いの十二星座、紫微斗数の星は、どれも星の名前を借りていますが別の計算体系で、その夜の空の星とは対応していません。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。
日付を変えて、あなたの夜の星空を見る
日付・時刻・場所を選ぶと、月と惑星も入れた全天星図を描きます。
夏の星空のよくある質問
夏の大三角はどの星ですか?
こと座のベガ(織姫星)、わし座のアルタイル(彦星)、はくちょう座のデネブです。
織姫星と彦星はどこにありますか?
夏の宵の天頂付近です。いちばん明るいのが織姫星のベガで北西寄り、彦星のアルタイルは南東にあり、両側に小さな星を従えています。二つの間を天の川が流れています。
アンタレスはなぜ赤いのですか?
アンタレスは表面温度が比較的低い赤色超巨星なので、赤く見えます。名前は「火星に対抗するもの」という意味です。