秋の星空:大四辺形とフォーマルハウト
秋はどの季節より明るい星が少なく、北方玄武の七宿も大半が暗い星です。それでも頭上には見つけやすい大きな四角、ペガススの大四辺形があります。中国では室宿と壁宿で、古くは「営室」と呼ばれ宮殿の象徴でした。ここから北へ行けばカシオペヤ座、南へ行けばフォーマルハウトです。
台北 10 月 15 日 夜 9 時の星空
台北 10 月 15 日 夜 9 時。空を見上げたときの向きで、北が上、東が左、中心が天頂、外周が地平線です。惑星と月は年によって位置が変わるため描いていません。特定の日の空は、このページのツールでご覧ください。
同じ空は 11 月中旬なら夜 7 時ごろ、9 月中旬なら夜 11 時ごろにも見られます。星空は 1 か月に約 2 時間ずつ早くなるので、時刻をずらせば下の位置はほかの月にも使えます。
このページの計算例は、繁体字版と同じく台北(北緯 25°)で出しています。東京(北緯 35.7°)では北の星がおよそ 11° 高く、南の星がおよそ 11° 低く見えます。ツールで東京・札幌・大阪・福岡・那覇などを選べば、その場所の空を描き直せます。
この表で探してみましょう
| 目標 | 中国名 | 西洋の名前 | 台北 10/15 夜 9 時 | 東京 10/15 夜 9 時 | 見分け方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大四辺形の南西の角 | 室宿一 | マルカブ、ペガスス座 | 南東の空、高度約 79°(天頂付近) | 南の空、高度約 69° | 天頂近くで似た明るさの四つの星が大きな四角をつくる。西の二星が室宿 |
| 大四辺形の北東の角 | 壁宿二 | アルフェラッツ、アンドロメダ座 | 東の空、高度約 70° | 東の空、高度約 73° | 東の二星が壁宿。この星は実はアンドロメダ座に属する |
| カシオペヤ座 | 王良四 | シェダル、カシオペヤ座 | 北東の空、高度約 52° | 北東の空、高度約 62° | 北の空高くにある W 字形の五つの星。秋は北斗の代わりにこれで北極星を探す |
| 北極星 | 勾陳一(北極星) | ポラリス、こぐま座 | 北の空、高度約 25° | 北の空、高度約 36° | W の真ん中から線を延ばす。真北、台北では高度約 25°、東京では約 36° |
| 南の一等星 | 北落師門 | フォーマルハウト、みなみのうお座 | 南の空、高度約 35° | 南の空、高度約 25° | 南の低い空にぽつんと光る明るい星。周りに明るい星がなく、見つけやすい |
| 夏の大三角 | 天津四 | デネブ、はくちょう座 | 北西の空、高度約 59° | 北西の空、高度約 63° | 西の空高く、夏から残っているデネブ・ベガ・アルタイル |
位置は当サイトの星空エンジンで計算(台北・東京とも地方の標準時、大気差は考慮せず)。緯度が 1° 北へ行くごとに、南の星はおよそ 1° 低くなります。
北斗が見えないときはカシオペヤ座
台湾の緯度では、秋の宵の北斗七星は北の地平線すれすれか下に沈みます(10 月 15 日夜 9 時、台北ではドゥーベが地平線の下約 3°)。東京ではドゥーベは沈みませんが、北の低い空にあって見つけにくくなります。そこで北極星をはさんで反対側の W 字形、カシオペヤ座(中国の星官では王良と策)を使います。W の真ん中から、W の幅の約 5 倍延ばすと北極星に着きます。
肉眼で見えるいちばん遠いもの
大四辺形の北東の角のアルフェラッツ(壁宿二)から、アンドロメダ座の星の列を東へ二つたどってミラク(奎宿九、アンドロメダ座 β)へ。そこから北西へ曲がって暗い星を二つ過ぎると、そばに楕円形のぼんやりした光のしみが見えます。これがアンドロメダ銀河(M31)で、約 250 万光年離れた、肉眼で見える最も遠い天体の一つです。中国の区分では奎宿の中にあります。月のない暗い夜が必要です。
よくある三つの誤解
秋は見るものがない。
明るい星は少ないものの、大四辺形とカシオペヤ座は見つけやすく、アンドロメダ銀河や昇ってくるすばるを見るのにもよい季節です。
大四辺形の四つの星はみなペガスス座。
北東の角のアルフェラッツ(壁宿二)はアンドロメダ座の星(アンドロメダ座 α)で、四角を完成させるために借りているだけです。
フォーマルハウトは北の星。
フォーマルハウトは南の低い空(みなみのうお座)にあります。中国名の「北落師門」は軍営の北門の意味で、空での位置とは関係ありません。
今夜の星空:いま頭の上に何があるか
日付・時刻・場所を選ぶと、その瞬間の全天星図を描き、月、惑星、高く昇っている明るい星、そして真南に南中している二十八宿を表示します。西洋の星座と中国の星官の線を切り替えられます。計算はすべてお使いのブラウザの中で行います。
星表:ヒッパルコス星表の 5 等星までの約 1,600 個(d3-celestial から整理、BSD ライセンス)。月と惑星は簡易計算で位置の誤差は 0.3° 以内、大気差は考慮していません。
正直に言うと:ここで扱うのは天文で、吉凶ではありません
このテーマで扱うのは、実際に空に見える星のことです。どの方角にあり、どの季節に見え、東洋と西洋でそれぞれ何と呼ぶか。暦注の「今日の宿」、宿曜占星術、テレビの星占いの十二星座、紫微斗数の星は、どれも星の名前を借りていますが別の計算体系で、その夜の空の星とは対応していません。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。
日付を変えて、あなたの夜の星空を見る
日付・時刻・場所を選ぶと、月と惑星も入れた全天星図を描きます。
秋の星空のよくある質問
ペガススの大四辺形はどこにありますか?
秋の宵の天頂付近で、似た明るさの四つの星が大きな四角をつくっています。中国の区分では西の二星が室宿、東の二星が壁宿です。
秋はどうやって北極星を探しますか?
北斗が低いので、W 字形のカシオペヤ座を使います。W の真ん中から、W の幅の約 5 倍延ばすと北極星です。
フォーマルハウトはどんな星ですか?
みなみのうお座で最も明るい星で、秋の宵の南の低い空にぽつんと光る一等星です。中国の星官では軍営の北門を表します。