庚金帯煞:『滴天髄』庚金を一句ずつ読む

庚金(かのえ)は陽の金で、刀剣や鉱石、まだ磨かれていない金属にたとえられます。『滴天髄』は八句でこう書きます。「庚金帶煞,剛健為最,得水而清,得火而銳,土潤則生,土乾則脆,能贏甲兄,輸於乙妹。」書き下すと「庚金は煞を帯び、剛健なること最たり、水を得て清く、火を得て鋭し、土潤えば則ち生じ、土乾けば則ち脆し、能く甲兄に贏ち、乙妹に輸く」。このページでは原文を一句ずつほどき、条件として書き出せる句を実際の命式に当てはめて確かめます。庚を「自分」の性格・仕事・恋愛として読むなら、日干庚金の性格をご覧ください。

原文を一句ずつ

原文書き下し文現代語訳
庚金帶煞,剛健為最庚金は煞を帯び、剛健なること最たり庚金は刀剣や鉱石で、陽の金です。粛殺の気を帯び、もっとも剛健です。
得水而清,得火而銳水を得て清く、火を得て鋭し水に出会えば秀気を漏らして清らかになり、火(とくに丁火)に出会えば鍛えられて鋭くなります。
土潤則生,土乾則脆土潤えば則ち生じ、土乾けば則ち脆し湿った土(辰・丑)は庚金を生みますが、乾いた土(戌・未)は生むどころか金をもろくします。
能贏甲兄,輸於乙妹能く甲兄に贏ち、乙妹に輸く庚は甲木を剋せます。陽対陽、硬いもの同士でも勝ちます。ところが乙木には干合(乙庚)で引き留められ、剛が柔に引かれてしまいます。

原文は『滴天髄闡微』(任鉄樵注)によります。歴代の注釈者の間で読み方が分かれる字句もあり、当サイトではより広く行われている読みを採っています。書き下し文は当サイトによるものです。

原文の条件は、実際の命式でどれくらい見られるか

原文には、季節、ある字が出ているかどうか、ある五行が多いかどうかなど、命式の上で確かめられる条件を書いた句があります。当サイトのエンジンで作成した 16,802 枚の命式のうち、日干が庚の約 1,680 枚で見ると、次のとおりです。

句確かめた条件実測
得水而清
水を得て清く
天干に水が透出している46.2% が水を透出、4.3% は命式に水がまったくない
得火而銳
火を得て鋭し
丁火が透出している命式に丁がある 83.2%、丁が透干 33.2%
土潤則生
土潤えば則ち生じ
地支に辰・丑(湿土)があるか、戌・未(燥土)だけか湿土あり 52.8%、燥土だけ 26.7%
能贏甲兄
能く甲兄に贏ち
天干に乙がある(乙庚の干合)26.0%
72.0%日干庚の命式で「要注意」の句が一つもない
28.0%少なくとも一句が「要注意」

集計方法:当サイトのエンジンで 1960〜2005 年の毎日 1 枚ずつ命式を作成し(出生時刻は固定シードの乱数で抽出)、計 16,802 枚、日干ごとに約 1,680 枚です。割合はその日干の命式数を母数としています。これは命式の構造の分布であり、だれかの運勢の良し悪しを表すものではありません。

庚金がほかの九干に出会うと

出会う干五行関係合・冲
甲木木自分が相手を剋す冲
乙木木自分が相手を剋す干合(金に化す)
丙火火相手が自分を剋す—
丁火火相手が自分を剋す—
戊土土相手が自分を生む—
己土土相手が自分を生む—
辛金金同じ五行で陰陽が逆—
壬水水自分が相手を生む—
癸水水自分が相手を生む—

表の「自分」は庚を指します。干合・冲のくわしいルールは十干論と刑・冲・破・害・合をご覧ください。庚が日干としてほかの天干に出会うとき、その関係は通変星になります。通変星をご覧ください。

庚金が年干・月干・時干にあるとき

庚が日柱以外にあるときは、その位置が表す分野のことを語ります。年干なら家柄や幼いころの環境にある刀剣の気質、月干なら仕事の舞台での刀剣の気質、時干なら晩年や長期の計画です。それがあなたにとって助けになるか重圧になるかは、日干との関係(上の表)と、あなたの用神・喜神によって決まります。

生まれ月によって庚が求めるもの

『滴天髄』が描くのは庚の一般的な性質です。『窮通宝鑑』はさらに、庚が十二か月それぞれに生まれたとき何を調候(ちょうこう)に取るかを表にしています。庚金の月ごとの調候をご覧ください。

あなたの日干を『滴天髄』で調べる:原文の条件を一つずつ照合

生年月日を入れると(出生時刻は空欄でもかまいません)、あなたの日干の原文と、条件として書き出せる句があなたの命式で成り立つかどうか、さらに年・月・時干が日干を生むのか剋すのか合するのかを表示します。計算はすべてお使いのブラウザの中で行い、データは送信されません。

新暦(グレゴリオ暦)の生年月日を使い、日付は午後 11 時で切り替えます。「透干(透出)」は年・月・時干に現れていること、「地支に蔵するだけ」は地支の蔵干にだけ現れていることを指します。

甲木甲木は天に参じ、胎を脱するには火を要す 乙木乙木は柔なりと雖も、羊を刲き牛を解く 丙火丙火は猛烈にして、霜を欺き雪を侮る 丁火丁火は柔中にして、内性は昭融なり 戊土戊土は固重にして、既に中にして且つ正なり 己土己土は卑湿にして、中正にして蓄蔵す 辛金辛金は軟弱にして、温潤にして清し 壬水壬水は河に通じ、能く金気を洩らす 癸水癸水は至弱にして、天津に達す

正直なひとこと:古典はひとつの見方であって、判決ではありません

『滴天髄』は明・清以来もっとも重んじられてきた命理の古典のひとつで、十干論では四字一句で各天干の性質と好むもの・嫌うものを描いています。簡潔さが長所であり、短所でもあります。同じ一句でも、歴代の注釈者の読み方は必ずしも一致しません。当サイトでは、条件として書き出せる句だけを命式に当てはめて確かめ、それ以外は原文のまま並べて、吉凶の断定には広げません。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

あなたの命式に、庚が求めるものはある?

生年月日を入れて、日干の原文の条件を一つずつあなたの命式で照合し、年・月・時干が日干を生むのか剋すのか合するのかも確かめましょう。

庚金(天干)のよくある質問

『滴天髄』の庚金の原文は?

「庚金帶煞,剛健為最,得水而清,得火而銳,土潤則生,土乾則脆,能贏甲兄,輸於乙妹。」全八句で、書き下すと「庚金は煞を帯び、剛健なること最たり、水を得て清く、火を得て鋭し、土潤えば則ち生じ、土乾けば則ち脆し、能く甲兄に贏ち、乙妹に輸く」となります。

「庚金帯煞、剛健為最」とはどういう意味ですか?

庚金は刀剣や鉱石で、陽の金です。粛殺の気を帯び、もっとも剛健です。

「得水而清、得火而鋭」とはどういう意味ですか?

水に出会えば秀気を漏らして清らかになり、火(とくに丁火)に出会えば鍛えられて鋭くなります。

庚金のイメージは?

庚金は陽の金で、刀剣や鉱石、まだ磨かれていない金属にたとえられます。同じ金のもう一つの干は辛金で、陰陽が違うため性質もかなり異なります。