戊土固重:『滴天髄』戊土を一句ずつ読む

戊土(つちのえ)は陽の土で、高い山や城壁、どっしりと厚い土にたとえられます。『滴天髄』は八句でこう書きます。「戊土固重,既中且正,靜翕動闢,萬物司命,水潤物生,火燥物病,若在艮坤,怕沖宜靜。」書き下すと「戊土は固重にして、既に中にして且つ正なり、静なれば翕じ動なれば闢き、万物の司命たり、水潤えば物生じ、火燥けば物病む、若し艮坤に在らば、冲を怕れ静を宜しとす」。このページでは原文を一句ずつほどき、条件として書き出せる句を実際の命式に当てはめて確かめます。戊を「自分」の性格・仕事・恋愛として読むなら、日干戊土の性格をご覧ください。

原文を一句ずつ

原文書き下し文現代語訳
戊土固重,既中且正戊土は固重にして、既に中にして且つ正なり戊土は高い山や厚い土で、陽の土です。どっしりと落ち着き、中央にあって正しい位置を占めます。
靜翕動闢,萬物司命静なれば翕じ動なれば闢き、万物の司命たり静かなときは閉じて蓄え(翕)、動くときは開いて広げ(闢)、万物の成長をつかさどります。
水潤物生,火燥物病水潤えば物生じ、火燥けば物病む水が潤せば万物は育ち、火が強すぎて土を乾かすと万物は病みます。
若在艮坤,怕沖宜靜若し艮坤に在らば、冲を怕れ静を宜しとす寅(艮)・申(坤)の方位にあたる月に生まれた戊土は、冲をもっとも嫌い、動くより静かにしているのがよいとされます。

原文は『滴天髄闡微』(任鉄樵注)によります。歴代の注釈者の間で読み方が分かれる字句もあり、当サイトではより広く行われている読みを採っています。書き下し文は当サイトによるものです。

原文の条件は、実際の命式でどれくらい見られるか

原文には、季節、ある字が出ているかどうか、ある五行が多いかどうかなど、命式の上で確かめられる条件を書いた句があります。当サイトのエンジンで作成した 16,802 枚の命式のうち、日干が戊の約 1,680 枚で見ると、次のとおりです。

句確かめた条件実測
水潤物生
水潤えば物生じ
天干に水が透出している57.3% が水を透出、5.6% は命式に水がまったくない
火燥物病
火燥けば物病む
火が強く、しかも水がない1.7%
若在艮坤
若し艮坤に在らば
寅月・申月生まれで、命式に寅申の冲がある寅・申月生まれ 16.5%、冲あり 4.6%
89.8%日干戊の命式で「要注意」の句が一つもない
10.2%少なくとも一句が「要注意」

集計方法:当サイトのエンジンで 1960〜2005 年の毎日 1 枚ずつ命式を作成し(出生時刻は固定シードの乱数で抽出)、計 16,802 枚、日干ごとに約 1,680 枚です。割合はその日干の命式数を母数としています。これは命式の構造の分布であり、だれかの運勢の良し悪しを表すものではありません。

戊土がほかの九干に出会うと

出会う干五行関係合・冲
甲木木相手が自分を剋す—
乙木木相手が自分を剋す—
丙火火相手が自分を生む—
丁火火相手が自分を生む—
己土土同じ五行で陰陽が逆—
庚金金自分が相手を生む—
辛金金自分が相手を生む—
壬水水自分が相手を剋す—
癸水水自分が相手を剋す干合(火に化す)

表の「自分」は戊を指します。干合・冲のくわしいルールは十干論と刑・冲・破・害・合をご覧ください。戊が日干としてほかの天干に出会うとき、その関係は通変星になります。通変星をご覧ください。

戊土が年干・月干・時干にあるとき

戊が日柱以外にあるときは、その位置が表す分野のことを語ります。年干なら家柄や幼いころの環境にある山の気質、月干なら仕事の舞台での山の気質、時干なら晩年や長期の計画です。それがあなたにとって助けになるか重圧になるかは、日干との関係(上の表)と、あなたの用神・喜神によって決まります。

生まれ月によって戊が求めるもの

『滴天髄』が描くのは戊の一般的な性質です。『窮通宝鑑』はさらに、戊が十二か月それぞれに生まれたとき何を調候(ちょうこう)に取るかを表にしています。戊土の月ごとの調候をご覧ください。

あなたの日干を『滴天髄』で調べる:原文の条件を一つずつ照合

生年月日を入れると(出生時刻は空欄でもかまいません)、あなたの日干の原文と、条件として書き出せる句があなたの命式で成り立つかどうか、さらに年・月・時干が日干を生むのか剋すのか合するのかを表示します。計算はすべてお使いのブラウザの中で行い、データは送信されません。

新暦(グレゴリオ暦)の生年月日を使い、日付は午後 11 時で切り替えます。「透干(透出)」は年・月・時干に現れていること、「地支に蔵するだけ」は地支の蔵干にだけ現れていることを指します。

甲木甲木は天に参じ、胎を脱するには火を要す 乙木乙木は柔なりと雖も、羊を刲き牛を解く 丙火丙火は猛烈にして、霜を欺き雪を侮る 丁火丁火は柔中にして、内性は昭融なり 己土己土は卑湿にして、中正にして蓄蔵す 庚金庚金は煞を帯び、剛健なること最たり 辛金辛金は軟弱にして、温潤にして清し 壬水壬水は河に通じ、能く金気を洩らす 癸水癸水は至弱にして、天津に達す

正直なひとこと:古典はひとつの見方であって、判決ではありません

『滴天髄』は明・清以来もっとも重んじられてきた命理の古典のひとつで、十干論では四字一句で各天干の性質と好むもの・嫌うものを描いています。簡潔さが長所であり、短所でもあります。同じ一句でも、歴代の注釈者の読み方は必ずしも一致しません。当サイトでは、条件として書き出せる句だけを命式に当てはめて確かめ、それ以外は原文のまま並べて、吉凶の断定には広げません。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

あなたの命式に、戊が求めるものはある?

生年月日を入れて、日干の原文の条件を一つずつあなたの命式で照合し、年・月・時干が日干を生むのか剋すのか合するのかも確かめましょう。

戊土(天干)のよくある質問

『滴天髄』の戊土の原文は?

「戊土固重,既中且正,靜翕動闢,萬物司命,水潤物生,火燥物病,若在艮坤,怕沖宜靜。」全八句で、書き下すと「戊土は固重にして、既に中にして且つ正なり、静なれば翕じ動なれば闢き、万物の司命たり、水潤えば物生じ、火燥けば物病む、若し艮坤に在らば、冲を怕れ静を宜しとす」となります。

「戊土固重、既中且正」とはどういう意味ですか?

戊土は高い山や厚い土で、陽の土です。どっしりと落ち着き、中央にあって正しい位置を占めます。

「静翕動闢、万物司命」とはどういう意味ですか?

静かなときは閉じて蓄え(翕)、動くときは開いて広げ(闢)、万物の成長をつかさどります。

戊土のイメージは?

戊土は陽の土で、高い山や城壁、どっしりと厚い土にたとえられます。同じ土のもう一つの干は己土で、陰陽が違うため性質もかなり異なります。