丙火猛烈:『滴天髄』丙火を一句ずつ読む

丙火(ひのえ)は陽の火で、太陽、すべてを照らす火にたとえられます。『滴天髄』は九句でこう書きます。「丙火猛烈,欺霜侮雪,能煅庚金,逢辛反怯,土眾成慈,水猖顯節,虎馬犬鄉,甲木若來,必當焚滅。」書き下すと「丙火は猛烈にして、霜を欺き雪を侮る、能く庚金を煅え、辛に逢えば反って怯ゆ、土衆ければ慈を成し、水猖れば節を顕す、虎馬犬の郷に、甲木若し来たらば、必ず当に焚滅すべし」。このページでは原文を一句ずつほどき、条件として書き出せる句を実際の命式に当てはめて確かめます。丙を「自分」の性格・仕事・恋愛として読むなら、日干丙火の性格をご覧ください。

原文を一句ずつ

原文書き下し文現代語訳
丙火猛烈,欺霜侮雪丙火は猛烈にして、霜を欺き雪を侮る丙火は太陽で、陽の中の陽、もっとも猛烈な火です。霜や雪など気にもとめません。
能煅庚金,逢辛反怯能く庚金を煅え、辛に逢えば反って怯ゆ硬い庚金を鍛えることができますが、柔らかい辛金に出会うと、かえって干合(丙辛)で引き留められ、おじけづいたように見えます。
土眾成慈,水猖顯節土衆ければ慈を成し、水猖れば節を顕す土が多いと、丙火は土を生んで力を漏らし、かえって慈愛深く穏やかになります。水が荒れ狂うときは屈せず、いっそう節操を示します。
虎馬犬鄉,甲木若來,必當焚滅虎馬犬の郷に、甲木若し来たらば、必ず当に焚滅すべし地支に寅・午・戌(虎・馬・犬)がそろうと火局となり、火はすでに極みまで旺じています。そこへ甲木が薪をくべれば、手がつけられないほど燃え上がります。通行本ではこの部分を「虎馬犬郷、甲来成滅」としており、意味は同じです。

原文は『滴天髄闡微』(任鉄樵注)によります。歴代の注釈者の間で読み方が分かれる字句もあり、当サイトではより広く行われている読みを採っています。書き下し文は当サイトによるものです。

原文の条件は、実際の命式でどれくらい見られるか

原文には、季節、ある字が出ているかどうか、ある五行が多いかどうかなど、命式の上で確かめられる条件を書いた句があります。当サイトのエンジンで作成した 16,802 枚の命式のうち、日干が丙の約 1,680 枚で見ると、次のとおりです。

句確かめた条件実測
能煅庚金
能く庚金を煅え
命式に庚がある66.1%
逢辛反怯
辛に逢えば反って怯ゆ
天干に辛がある(丙辛の干合)25.5%
土眾成慈
土衆ければ慈を成し
土が多い31.4%
水猖顯節
水猖れば節を顕す
水が多い10.7%
虎馬犬鄉
虎馬犬の郷に
地支に寅・午・戌のうち二支以上、天干に甲10.0%
66.1%日干丙の命式で「要注意」の句が一つもない
33.9%少なくとも一句が「要注意」

集計方法:当サイトのエンジンで 1960〜2005 年の毎日 1 枚ずつ命式を作成し(出生時刻は固定シードの乱数で抽出)、計 16,802 枚、日干ごとに約 1,680 枚です。割合はその日干の命式数を母数としています。これは命式の構造の分布であり、だれかの運勢の良し悪しを表すものではありません。

丙火がほかの九干に出会うと

出会う干五行関係合・冲
甲木木相手が自分を生む—
乙木木相手が自分を生む—
丁火火同じ五行で陰陽が逆—
戊土土自分が相手を生む—
己土土自分が相手を生む—
庚金金自分が相手を剋す—
辛金金自分が相手を剋す干合(水に化す)
壬水水相手が自分を剋す冲
癸水水相手が自分を剋す—

表の「自分」は丙を指します。干合・冲のくわしいルールは十干論と刑・冲・破・害・合をご覧ください。丙が日干としてほかの天干に出会うとき、その関係は通変星になります。通変星をご覧ください。

丙火が年干・月干・時干にあるとき

丙が日柱以外にあるときは、その位置が表す分野のことを語ります。年干なら家柄や幼いころの環境にある太陽の気質、月干なら仕事の舞台での太陽の気質、時干なら晩年や長期の計画です。それがあなたにとって助けになるか重圧になるかは、日干との関係(上の表)と、あなたの用神・喜神によって決まります。

生まれ月によって丙が求めるもの

『滴天髄』が描くのは丙の一般的な性質です。『窮通宝鑑』はさらに、丙が十二か月それぞれに生まれたとき何を調候(ちょうこう)に取るかを表にしています。丙火の月ごとの調候をご覧ください。

あなたの日干を『滴天髄』で調べる:原文の条件を一つずつ照合

生年月日を入れると(出生時刻は空欄でもかまいません)、あなたの日干の原文と、条件として書き出せる句があなたの命式で成り立つかどうか、さらに年・月・時干が日干を生むのか剋すのか合するのかを表示します。計算はすべてお使いのブラウザの中で行い、データは送信されません。

新暦(グレゴリオ暦)の生年月日を使い、日付は午後 11 時で切り替えます。「透干(透出)」は年・月・時干に現れていること、「地支に蔵するだけ」は地支の蔵干にだけ現れていることを指します。

甲木甲木は天に参じ、胎を脱するには火を要す 乙木乙木は柔なりと雖も、羊を刲き牛を解く 丁火丁火は柔中にして、内性は昭融なり 戊土戊土は固重にして、既に中にして且つ正なり 己土己土は卑湿にして、中正にして蓄蔵す 庚金庚金は煞を帯び、剛健なること最たり 辛金辛金は軟弱にして、温潤にして清し 壬水壬水は河に通じ、能く金気を洩らす 癸水癸水は至弱にして、天津に達す

正直なひとこと:古典はひとつの見方であって、判決ではありません

『滴天髄』は明・清以来もっとも重んじられてきた命理の古典のひとつで、十干論では四字一句で各天干の性質と好むもの・嫌うものを描いています。簡潔さが長所であり、短所でもあります。同じ一句でも、歴代の注釈者の読み方は必ずしも一致しません。当サイトでは、条件として書き出せる句だけを命式に当てはめて確かめ、それ以外は原文のまま並べて、吉凶の断定には広げません。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

あなたの命式に、丙が求めるものはある?

生年月日を入れて、日干の原文の条件を一つずつあなたの命式で照合し、年・月・時干が日干を生むのか剋すのか合するのかも確かめましょう。

丙火(天干)のよくある質問

『滴天髄』の丙火の原文は?

「丙火猛烈,欺霜侮雪,能煅庚金,逢辛反怯,土眾成慈,水猖顯節,虎馬犬鄉,甲木若來,必當焚滅。」全九句で、書き下すと「丙火は猛烈にして、霜を欺き雪を侮る、能く庚金を煅え、辛に逢えば反って怯ゆ、土衆ければ慈を成し、水猖れば節を顕す、虎馬犬の郷に、甲木若し来たらば、必ず当に焚滅すべし」となります。通行本では最後の部分を「虎馬犬郷、甲来成滅」としています。

「丙火猛烈、欺霜侮雪」とはどういう意味ですか?

丙火は太陽で、陽の中の陽、もっとも猛烈な火です。霜や雪など気にもとめません。

「能煅庚金、逢辛反怯」とはどういう意味ですか?

硬い庚金を鍛えることができますが、柔らかい辛金に出会うと、かえって干合(丙辛)で引き留められ、おじけづいたように見えます。

丙火のイメージは?

丙火は陽の火で、太陽、すべてを照らす火にたとえられます。同じ火のもう一つの干は丁火で、陰陽が違うため性質もかなり異なります。