月老霊籤 第97番(中)

歸楚,楚人不信;歸漢,漢人震恐。足下欲持是安歸乎? 楚に帰順すれば、楚の人は信じない。漢に帰順すれば、漢の人は恐れおののく。あなたはこれを抱えて、どこへ身を寄せるつもりか?

籤の原文と現代語訳

歸楚
楚に帰順すれば、

楚人不信
楚の人は信じない。

歸漢
漢に帰順すれば、

漢人震恐
漢の人は恐れおののく。

足下欲持是安歸乎?
あなたはこれを抱えて、どこへ身を寄せるつもりか?

籤番等級出典
第97番(第九十七籤)中(吉凶半ば)『史記』淮陰侯列伝
《史記・淮陰侯列傳》

典故:原典は何を語っているか

蒯通(かいとう)が韓信を説いた言葉です。楚につけば楚の人はあなたを信じず、漢につけば漢の人はあなたを恐れる。いったいどこへ身を寄せるつもりか、と問いかけています。

紀元前203年前後、楚漢の争いは膠着していました。韓信は斉の地を平定して斉王に封じられ、大軍を握って、天下の行方を左右する鍵となっていました。項羽は武渉(ぶしょう)を遣わして、漢に背いて自立し、天下を三分するよう説かせましたが、韓信は断ります。続いて斉の人・蒯通(かいとう)もやって来て説きました。

蒯通はまず人相見を口実に、あなたの顔の相は侯に封じられる程度にすぎないが、背(そむ)きの相は言葉にできないほど貴い、と言います。そのうえで、無二の親友が仇同士になった例や、功臣が捨てられた例を挙げて、功績が主君を脅かすほどの者がもっとも危ないと説き、さらに韓信の戦功を一つひとつ数え上げて、籤にあるこの言葉を口にしました。

韓信は劉邦を裏切るに忍びず、また自分の功は大きいのだから、漢王が最後に斉を取り上げることはあるまいと考えて、結局聞き入れませんでした。蒯通は狂人のふりをして巫(かんなぎ)になるしかありませんでした。数年後、韓信は呂后によって長楽宮で斬られ、処刑の前に、蒯通の策を用いなかったことを悔やんだと言います。月老籤が借りているのは、どちらの側にも身の置き所がないという状況です。

意味

板挟みで、どちらにもよく思われない状態です。自分がどこに身を置くのか、はっきり決めましょう。

ひとこと:二股はかけないこと。

これは籤の文句と原典に沿った読み方です。あなたの問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねるのがいちばん確かです。

月下老人に籤を願う手順(台湾の廟の場合)

  1. 月下老人(月老)は、城隍廟や媽祖廟(天后宮)などの脇殿に祀られていることが多い神様です。廟の順路に従って、まず主神にお参りしてから月老の前へ進みます。
  2. 月老に名前・生年月日・住所を告げ、いまの恋愛の状況と、尋ねたい一つのことを伝えます(たとえば「この関係は長続きしますか」「いつ相手に出会えますか」)。
  3. 三日月形の木片二つ「ポエ(筊杯)」を投げ、籤を引いてよいか伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出る「聖杯(せいはい)」が「はい」の合図です。竹の棒を一本引いたら、もう一度ポエを投げて「この番号でよいか」を確かめます。聖杯が三回続くまで確かめる廟が多く、出なければ引き直します。
  4. 番号の籤紙を受け取ります。月老籤の文句は古典の原文なので、意味はもとの文脈と合わせて読むのが基本です。わからなければ廟の解籤の方に尋ねます。

一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の言葉と照らし合わせやすくなります。月老籤は縁結び・恋愛専用の籤なので、ほかのことは廟の一般の籤詩で伺います。

よくある誤解

「下」の籤が出たら、この恋はもう望みがない。

等級は大まかな方向にすぎません。月老籤の多くは心構えややり方を戒めるもので、同じ籤でも尋ねる事柄によって意味が変わります。

よい籤が出るまで、同じことを何度も引き直してよい。

習わしでは一つのことに一度だけ引きます。迷いが残るなら、廟の解籤の方に尋ねるか、しばらく時間をおいてから改めて伺います。

前の籤:第96番/次の籤:第98番

ひとこと正直に:籤は信仰で、現代語訳と解説は本サイトの読み方です

籤の原文は、ネット上に流布する三つの版を比べたうえで、『詩経』・四書・『春秋左氏伝』・『西廂記』などの原典と一句ずつ照らし合わせています。明らかな写し間違いだけを改め、改めた箇所は各ページに流布本の字を示しました。等級は流布本に従い、本サイトが独自に吉凶を判断することはしません。現代語訳・典故の解説・意味・ひとことは本サイトが籤と原典から書いたもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねてください。恋愛以外の法律・医療・お金の問題は専門家に相談してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

籤のあとは、二人の命式を

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月老霊籤 第97番のよくある質問

月老霊籤の第97番には何と書かれていますか?

「歸楚,楚人不信;歸漢,漢人震恐。足下欲持是安歸乎?」という文句で、現代語にすると「楚に帰順すれば、楚の人は信じない。漢に帰順すれば、漢の人は恐れおののく。あなたはこれを抱えて、どこへ身を寄せるつもりか?」という意味です。等級は中、出典は『史記』淮陰侯列伝です。

月老霊籤の第97番はどういう意味ですか?

板挟みで、どちらにもよく思われない状態です。自分がどこに身を置くのか、はっきり決めましょう。ひとこと添えるなら、二股はかけないこと。