月老霊籤 第75番(下)

則去偷香竊玉上用心,又不曾得甚。自從海棠開,想到如今。 香を盗み玉をかすめ取ることばかりに心を砕き、結局何も得られなかった。海棠が咲いたころから、今日までずっと想い続けて。

籤の原文と現代語訳

則去偷香竊玉上用心
香を盗み玉をかすめ取ることばかりに心を砕き、

又不曾得甚
結局何も得られなかった。

自從海棠開
海棠が咲いたころから、

想到如今
今日までずっと想い続けて。

籤番等級出典
第75番(第七十五籤)下(注意をうながす)王実甫『西廂記』第三本
王實甫《西廂記》第三本

校勘:『西廂記』の原文は「則去那竊玉偷香上用心」。

典故:原典は何を語っているか

侍女の紅娘(こうじょう)が張生をたしなめる場面です。勉強には身を入れず恋のことばかり考えて、何も得られないまま、海棠の花が咲いたころからずっと想い続けている、と責めています。

『西廂記』は元代の王実甫の雑劇です。書生の張生は普救寺で崔宰相の令嬢・崔鶯鶯に出会い、一目で心を奪われます。反乱した将軍の孫飛虎が寺を囲んで花嫁を奪おうとすると、崔老夫人は、賊を退けた者に娘を嫁がせると約束します。張生は親友の白馬将軍を呼び寄せて囲みを解かせますが、老夫人は約束を翻し、二人に兄と妹として付き合うよう言うだけでした。張生は侍女の紅娘の助けを借りて琴を弾き、手紙を託します。鶯鶯は詩を返して月夜の逢瀬に誘い、張生はその夜、塀を越えて会いに行きますが、鶯鶯は顔をこわばらせて彼を叱りつけます。張生は書斎に戻ると、そのまま寝込んでしまいました。

第三本第四折、紅娘が見舞いに来て、あなたは天下の恋わずらいのなかでいちばんのお馬鹿さんだ、と笑い、この〔天浄沙〕を歌います。紅娘は口では小言を言いながら、持ってきたのは鶯鶯が自ら書いた「処方箋」で、実はその夜に会おうと誘う詩でした。

意味

気持ちを追いかけることばかりに注いで何も実らず、本来すべきこともおろそかになっています。心の重心を自分の暮らしに戻しましょう。

ひとこと:まずは自分の生活をきちんと整えて。

これは籤の文句と原典に沿った読み方です。あなたの問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねるのがいちばん確かです。

月下老人に籤を願う手順(台湾の廟の場合)

  1. 月下老人(月老)は、城隍廟や媽祖廟(天后宮)などの脇殿に祀られていることが多い神様です。廟の順路に従って、まず主神にお参りしてから月老の前へ進みます。
  2. 月老に名前・生年月日・住所を告げ、いまの恋愛の状況と、尋ねたい一つのことを伝えます(たとえば「この関係は長続きしますか」「いつ相手に出会えますか」)。
  3. 三日月形の木片二つ「ポエ(筊杯)」を投げ、籤を引いてよいか伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出る「聖杯(せいはい)」が「はい」の合図です。竹の棒を一本引いたら、もう一度ポエを投げて「この番号でよいか」を確かめます。聖杯が三回続くまで確かめる廟が多く、出なければ引き直します。
  4. 番号の籤紙を受け取ります。月老籤の文句は古典の原文なので、意味はもとの文脈と合わせて読むのが基本です。わからなければ廟の解籤の方に尋ねます。

一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の言葉と照らし合わせやすくなります。月老籤は縁結び・恋愛専用の籤なので、ほかのことは廟の一般の籤詩で伺います。

よくある誤解

「下」の籤が出たら、この恋はもう望みがない。

等級は大まかな方向にすぎません。月老籤の多くは心構えややり方を戒めるもので、同じ籤でも尋ねる事柄によって意味が変わります。

よい籤が出るまで、同じことを何度も引き直してよい。

習わしでは一つのことに一度だけ引きます。迷いが残るなら、廟の解籤の方に尋ねるか、しばらく時間をおいてから改めて伺います。

前の籤:第74番/次の籤:第76番

ひとこと正直に:籤は信仰で、現代語訳と解説は本サイトの読み方です

籤の原文は、ネット上に流布する三つの版を比べたうえで、『詩経』・四書・『春秋左氏伝』・『西廂記』などの原典と一句ずつ照らし合わせています。明らかな写し間違いだけを改め、改めた箇所は各ページに流布本の字を示しました。等級は流布本に従い、本サイトが独自に吉凶を判断することはしません。現代語訳・典故の解説・意味・ひとことは本サイトが籤と原典から書いたもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねてください。恋愛以外の法律・医療・お金の問題は専門家に相談してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

籤のあとは、二人の命式を

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月老霊籤 第75番のよくある質問

月老霊籤の第75番には何と書かれていますか?

「則去偷香竊玉上用心,又不曾得甚。自從海棠開,想到如今。」という文句で、現代語にすると「香を盗み玉をかすめ取ることばかりに心を砕き、結局何も得られなかった。海棠が咲いたころから、今日までずっと想い続けて。」という意味です。等級は下、出典は王実甫『西廂記』第三本です。

月老霊籤の第75番はどういう意味ですか?

気持ちを追いかけることばかりに注いで何も実らず、本来すべきこともおろそかになっています。心の重心を自分の暮らしに戻しましょう。ひとこと添えるなら、まずは自分の生活をきちんと整えて。