月老霊籤 第60番(中)

心苟不愆,何恤於人言? 心にやましいところがなければ、人の言うことなど気にかけることはない。

籤の原文と現代語訳

心苟不愆
心にやましいところがなければ、

何恤於人言?
人の言うことなど気にかけることはない。

籤番等級出典
第60番(第六十籤)中(吉凶半ば)『春秋左氏伝』昭公四年が引く詩
《左傳・昭公四年》引詩

校勘:流布本は「心茍不愆,何惜於人言」とするが、『左伝』により「苟」「恤」に改めた。『左伝』の原文は「禮義不愆」。

典故:原典は何を語っているか

子産(しさん)は新しい政策を進めて非難されたとき、「礼義にたがわなければ、人の言葉など気にかけることはない」という詩を引きました。

魯の昭公(しょうこう)四年(紀元前538年)、鄭の執政・子産(しさん)は「丘賦」(きゅうふ)を実施しました。一般には「丘」を単位として軍賦を上乗せして取り立てたものとされます。国人は口々に非難し、彼の父が非業の死を遂げた昔のことを持ち出して皮肉り、サソリの尾のようなやつだ、こんな者に命令を出させて、国はどうなるのか、とののしりました。大夫の子寛(しかん)はその言葉を子産に伝えます。

子産は言いました。何の差し支えがあろう。苟利社稷,死生以之(苟(いやし)くも社稷に利あらば、死生之を以てす=国のためになるなら、生死を賭けて行う)。さらに、善いことを行う者はその法度を変えないからこそ成し遂げられる、民を放縦にさせてはならず、法度を改めてはならない、と言い、籤にあるあの二句の詩を引きました。この二句は今日の『詩経』には見えません。そして最後に、私は変えない、と表明しました。

一方で子寛は、ひそかに子産の一族のほうが先に衰えるのではないかと危ぶんでいました。『左伝』は子産の固い意志と、周りの人の懸念とを並べて記しています。月老籤はこの典故を借りて、周囲の噂話に向き合うとき、どこに足場を置くべきかを語っています。

意味

自分の心がまっすぐで、間違ったことをしていなければ、まわりの陰口を気にする必要はありません。

ひとこと:力はうわさではなく、二人の関係に注ぎましょう。

これは籤の文句と原典に沿った読み方です。あなたの問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねるのがいちばん確かです。

月下老人に籤を願う手順(台湾の廟の場合)

  1. 月下老人(月老)は、城隍廟や媽祖廟(天后宮)などの脇殿に祀られていることが多い神様です。廟の順路に従って、まず主神にお参りしてから月老の前へ進みます。
  2. 月老に名前・生年月日・住所を告げ、いまの恋愛の状況と、尋ねたい一つのことを伝えます(たとえば「この関係は長続きしますか」「いつ相手に出会えますか」)。
  3. 三日月形の木片二つ「ポエ(筊杯)」を投げ、籤を引いてよいか伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出る「聖杯(せいはい)」が「はい」の合図です。竹の棒を一本引いたら、もう一度ポエを投げて「この番号でよいか」を確かめます。聖杯が三回続くまで確かめる廟が多く、出なければ引き直します。
  4. 番号の籤紙を受け取ります。月老籤の文句は古典の原文なので、意味はもとの文脈と合わせて読むのが基本です。わからなければ廟の解籤の方に尋ねます。

一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の言葉と照らし合わせやすくなります。月老籤は縁結び・恋愛専用の籤なので、ほかのことは廟の一般の籤詩で伺います。

よくある誤解

「下」の籤が出たら、この恋はもう望みがない。

等級は大まかな方向にすぎません。月老籤の多くは心構えややり方を戒めるもので、同じ籤でも尋ねる事柄によって意味が変わります。

よい籤が出るまで、同じことを何度も引き直してよい。

習わしでは一つのことに一度だけ引きます。迷いが残るなら、廟の解籤の方に尋ねるか、しばらく時間をおいてから改めて伺います。

前の籤:第59番/次の籤:第61番

ひとこと正直に:籤は信仰で、現代語訳と解説は本サイトの読み方です

籤の原文は、ネット上に流布する三つの版を比べたうえで、『詩経』・四書・『春秋左氏伝』・『西廂記』などの原典と一句ずつ照らし合わせています。明らかな写し間違いだけを改め、改めた箇所は各ページに流布本の字を示しました。等級は流布本に従い、本サイトが独自に吉凶を判断することはしません。現代語訳・典故の解説・意味・ひとことは本サイトが籤と原典から書いたもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねてください。恋愛以外の法律・医療・お金の問題は専門家に相談してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

籤のあとは、二人の命式を

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月老霊籤 第60番のよくある質問

月老霊籤の第60番には何と書かれていますか?

「心苟不愆,何恤於人言?」という文句で、現代語にすると「心にやましいところがなければ、人の言うことなど気にかけることはない。」という意味です。等級は中、出典は『春秋左氏伝』昭公四年が引く詩です。

月老霊籤の第60番はどういう意味ですか?

自分の心がまっすぐで、間違ったことをしていなければ、まわりの陰口を気にする必要はありません。ひとこと添えるなら、力はうわさではなく、二人の関係に注ぎましょう。