月老霊籤 第5番(上)

逾東家牆而摟其處子,則得妻;不摟,則不得妻。 東隣の塀を越えてその娘を無理に抱き寄せれば、妻を得られる。抱き寄せなければ、妻は得られない。

籤の原文と現代語訳

逾東家牆而摟其處子
東隣の塀を越えてその娘を無理に抱き寄せれば、

則得妻
妻を得られる。

不摟
抱き寄せなければ、

則不得妻
妻は得られない。

籤番等級出典
第5番(第五籤)上(よい)『孟子』告子下篇
《孟子・告子下》

典故:原典は何を語っているか

孟子はこのたとえで問い返しています。隣家の塀を乗り越えて娘を力ずくで連れ出さなければ妻を得られないとしたら、あなたはそうするのか、と。目的のために礼や義を踏み外してはならない、という教えです。

この一節は『孟子』告子(こくし)下篇にあります。任(じん)の国の人が、孟子の弟子の屋廬子(おくろし)に尋ねました。礼と食べることと、どちらが大事か。屋廬子は礼だと答えます。では妻をめとることと礼とでは。これも礼だと答えます。すると任の人はさらに問い詰めました。礼どおりに食べれば飢え死にし、礼を捨てれば食べられるとしても、それでも礼を守るのか。礼どおりに花嫁を自ら迎えに行けば妻をめとれず、迎えに行かなければめとれるとしても、それでも迎えに行くのか。屋廬子は答えられず、翌日、鄒(すう)の国へ急ぎ、孟子に教えを請います。孟子は言いました。ひとかけらの金と車いっぱいの羽毛とで重さを比べるようなもので、そもそも比べ方が公平ではない。帰ってこう聞き返しなさい。兄の腕をねじ上げて食べ物を奪わなければ食べられないとして、ねじ上げるか、と。そして続けて、塀を越えて妻をめとる話でもう一度問い返させます。籤の文句は、この二つ目の問い返しの前半だけを切り取ったもので、最後の「則ち将に之を摟(ひ)かんとするか(それでも引きずって行くか)」が抜けているため、意味が逆になっています。この籤がよく誤読されるのは、そのためです。

意味

世間では「積極的に動いて機会を逃すな」と読まれることが多い籤です。けれども孟子の本意は、縁を求めるにしても正しくない手段を使ってはならない、ということ。積極的になるのはよくても、やり方は正しく。

ひとこと:勇気を出して気持ちを伝え、同時に相手の意思をきちんと尊重しましょう。

これは籤の文句と原典に沿った読み方です。あなたの問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねるのがいちばん確かです。

月下老人に籤を願う手順(台湾の廟の場合)

  1. 月下老人(月老)は、城隍廟や媽祖廟(天后宮)などの脇殿に祀られていることが多い神様です。廟の順路に従って、まず主神にお参りしてから月老の前へ進みます。
  2. 月老に名前・生年月日・住所を告げ、いまの恋愛の状況と、尋ねたい一つのことを伝えます(たとえば「この関係は長続きしますか」「いつ相手に出会えますか」)。
  3. 三日月形の木片二つ「ポエ(筊杯)」を投げ、籤を引いてよいか伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出る「聖杯(せいはい)」が「はい」の合図です。竹の棒を一本引いたら、もう一度ポエを投げて「この番号でよいか」を確かめます。聖杯が三回続くまで確かめる廟が多く、出なければ引き直します。
  4. 番号の籤紙を受け取ります。月老籤の文句は古典の原文なので、意味はもとの文脈と合わせて読むのが基本です。わからなければ廟の解籤の方に尋ねます。

一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の言葉と照らし合わせやすくなります。月老籤は縁結び・恋愛専用の籤なので、ほかのことは廟の一般の籤詩で伺います。

よくある誤解

「下」の籤が出たら、この恋はもう望みがない。

等級は大まかな方向にすぎません。月老籤の多くは心構えややり方を戒めるもので、同じ籤でも尋ねる事柄によって意味が変わります。

よい籤が出るまで、同じことを何度も引き直してよい。

習わしでは一つのことに一度だけ引きます。迷いが残るなら、廟の解籤の方に尋ねるか、しばらく時間をおいてから改めて伺います。

前の籤:第4番/次の籤:第6番

ひとこと正直に:籤は信仰で、現代語訳と解説は本サイトの読み方です

籤の原文は、ネット上に流布する三つの版を比べたうえで、『詩経』・四書・『春秋左氏伝』・『西廂記』などの原典と一句ずつ照らし合わせています。明らかな写し間違いだけを改め、改めた箇所は各ページに流布本の字を示しました。等級は流布本に従い、本サイトが独自に吉凶を判断することはしません。現代語訳・典故の解説・意味・ひとことは本サイトが籤と原典から書いたもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねてください。恋愛以外の法律・医療・お金の問題は専門家に相談してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

籤のあとは、二人の命式を

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月老霊籤 第5番のよくある質問

月老霊籤の第5番には何と書かれていますか?

「逾東家牆而摟其處子,則得妻;不摟,則不得妻。」という文句で、現代語にすると「東隣の塀を越えてその娘を無理に抱き寄せれば、妻を得られる。抱き寄せなければ、妻は得られない。」という意味です。等級は上、出典は『孟子』告子下篇です。

月老霊籤の第5番はどういう意味ですか?

世間では「積極的に動いて機会を逃すな」と読まれることが多い籤です。けれども孟子の本意は、縁を求めるにしても正しくない手段を使ってはならない、ということ。積極的になるのはよくても、やり方は正しく。ひとこと添えるなら、勇気を出して気持ちを伝え、同時に相手の意思をきちんと尊重しましょう。