月老霊籤 第30番(中)
話別無長夜,相思又此春。瑤姬不可見,巫峽更何人?運石疑填海,乘槎欲問津。遙情每東注,誰共爾為鄰? 別れを語れば夜は短く、恋しさはまたこの春にめぐる。瑤姫(ようき)には会えず、巫峡(ふきょう)にほかに誰がいよう?石を運んで海を埋めるような思い、筏に乗って渡し場を尋ねようとする。遠い想いはいつも東へ流れ、誰があなたの隣にいてくれるのか?
籤の原文と現代語訳
話別無長夜
別れを語れば夜は短く、
相思又此春
恋しさはまたこの春にめぐる。
瑤姬不可見
瑤姫(ようき)には会えず、
巫峽更何人?
巫峡(ふきょう)にほかに誰がいよう?
運石疑填海
石を運んで海を埋めるような思い、
乘槎欲問津
筏に乗って渡し場を尋ねようとする。
遙情每東注
遠い想いはいつも東へ流れ、
誰共爾為鄰?
誰があなたの隣にいてくれるのか?
| 籤番 | 等級 | 出典 |
|---|---|---|
| 第30番(第三十籤) | 中(吉凶半ば) | 黄之雋『香屑集』(唐詩の句を集めた集句詩) 黃之雋《香屑集》(集唐人詩句) |
校勘:golla と zhanbu の版は前半の6句しかないため、『香屑集』と旗山天后宮の版により最後の2句を補った。旗山の版は最後の2句を「瑤情每未注」とするが、『香屑集』により「遙情每東注」とする。杜甫の原句は「乘槎與問津」。流布本のまま記載。
典故:原典は何を語っているか
項斯・魚玄機・李群玉・元稹・杜甫らの句を集めて、別れたあとの恋しさを詠んだ一首に仕立てた詩です。会いたい人に会えず、その想いは海を埋めたり渡し場を尋ねたりするように行き場がありません。もとの句にはそれぞれ別の意味があり、たとえば「筏に乗って渡し場を尋ねる」の句は、杜甫が流罪となった李白を嘆いた詩から取られています。
この詩は清代の黄之雋『香屑集』に収められています。黄之雋は華亭(かてい)の人で、康熙年間の進士です。『香屑集』十八巻は、すべて唐人の詩句を集めて香奩体(こうれんたい、閨房の情を詠む艶やかな詩体)の詩に仕立てたもので、九百三十首あまりにのぼり、自序まで唐人の文句を集めて書かれています。この一首は巻七の「別情」の部に収められています。
八句はそれぞれ八首の唐詩から取られています。項斯(こうし)が人を塞外へ送った詩、魚玄機(ぎょげんき)が友に寄せた詩、李群玉(りぐんぎょく)の「雲安」、唐の昭宗の「巫山一段雲」、元稹が碁の相手に礼を述べた詩、杜甫(とほ)が李白(りはく)に寄せた詩、孟浩然(もうこうねん)が病中に友へ寄せた詩、そして陳子昂(ちんすごう)が渡し場で弟を見送った詩です。「石を運びて海を填(うず)めんかと疑う」は、元稹の原詩では実は囲碁を打つさまを形容したものです。もともとそれぞれ別のことを語っていた句が、黄之雋の手で組み直され、遠くの人を想う一首になりました。
月老籤がこれを用いたのは、全編に流れる、別れた後の想いと、手の届かない遠さに目をとめたからです。
意味
想いは深いのに、相手ははるか遠く、努力は海を埋めるように報われにくい状態です。この関係を待ち続ける価値があるか、見極めるときです。
ひとこと:想像だけで関係をつなぎとめようとしないで。
これは籤の文句と原典に沿った読み方です。あなたの問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねるのがいちばん確かです。
月下老人に籤を願う手順(台湾の廟の場合)
- 月下老人(月老)は、城隍廟や媽祖廟(天后宮)などの脇殿に祀られていることが多い神様です。廟の順路に従って、まず主神にお参りしてから月老の前へ進みます。
- 月老に名前・生年月日・住所を告げ、いまの恋愛の状況と、尋ねたい一つのことを伝えます(たとえば「この関係は長続きしますか」「いつ相手に出会えますか」)。
- 三日月形の木片二つ「ポエ(筊杯)」を投げ、籤を引いてよいか伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出る「聖杯(せいはい)」が「はい」の合図です。竹の棒を一本引いたら、もう一度ポエを投げて「この番号でよいか」を確かめます。聖杯が三回続くまで確かめる廟が多く、出なければ引き直します。
- 番号の籤紙を受け取ります。月老籤の文句は古典の原文なので、意味はもとの文脈と合わせて読むのが基本です。わからなければ廟の解籤の方に尋ねます。
一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の言葉と照らし合わせやすくなります。月老籤は縁結び・恋愛専用の籤なので、ほかのことは廟の一般の籤詩で伺います。
よくある誤解
「下」の籤が出たら、この恋はもう望みがない。
等級は大まかな方向にすぎません。月老籤の多くは心構えややり方を戒めるもので、同じ籤でも尋ねる事柄によって意味が変わります。
よい籤が出るまで、同じことを何度も引き直してよい。
習わしでは一つのことに一度だけ引きます。迷いが残るなら、廟の解籤の方に尋ねるか、しばらく時間をおいてから改めて伺います。
ひとこと正直に:籤は信仰で、現代語訳と解説は本サイトの読み方です
籤の原文は、ネット上に流布する三つの版を比べたうえで、『詩経』・四書・『春秋左氏伝』・『西廂記』などの原典と一句ずつ照らし合わせています。明らかな写し間違いだけを改め、改めた箇所は各ページに流布本の字を示しました。等級は流布本に従い、本サイトが独自に吉凶を判断することはしません。現代語訳・典故の解説・意味・ひとことは本サイトが籤と原典から書いたもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねてください。恋愛以外の法律・医療・お金の問題は専門家に相談してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。
籤のあとは、二人の命式を
二人の生年月日を入れるだけで、四柱推命の相性鑑定が無料でできます。五行の補い合い、日柱の相性、付き合い方のポイントがわかります。
月老霊籤 第30番のよくある質問
月老霊籤の第30番には何と書かれていますか?
「話別無長夜,相思又此春。瑤姬不可見,巫峽更何人?運石疑填海,乘槎欲問津。遙情每東注,誰共爾為鄰?」という文句で、現代語にすると「別れを語れば夜は短く、恋しさはまたこの春にめぐる。瑤姫(ようき)には会えず、巫峡(ふきょう)にほかに誰がいよう?石を運んで海を埋めるような思い、筏に乗って渡し場を尋ねようとする。遠い想いはいつも東へ流れ、誰があなたの隣にいてくれるのか?」という意味です。等級は中、出典は黄之雋『香屑集』(唐詩の句を集めた集句詩)です。
月老霊籤の第30番はどういう意味ですか?
想いは深いのに、相手ははるか遠く、努力は海を埋めるように報われにくい状態です。この関係を待ち続ける価値があるか、見極めるときです。ひとこと添えるなら、想像だけで関係をつなぎとめようとしないで。