寅巳申の三刑とは?
寅巳申(とら・み・さる)の三刑(さんけい)は、古くは「無恩(むおん)の刑」と呼ばれます。三つの字がそろうと、内側に抱えた力が互いに剋し合う——いちばんぴったりくる言葉は「恩を仇で返す」。こちらが手を差し伸べたのに、相手が振り返って噛みついてくる、そんな形です。
- 関係の種類
- 地支の三刑(無恩の刑)
- 三つの地支
- 寅・巳・申
- 蔵干どうしの刑
- 寅は甲丙、巳は丙庚、申は庚壬を蔵する(互いに剋し合う)
- 傾向
- 善意が報われない、協力がこじれる、恩が仇になる
一、なぜ「無恩の刑」と呼ぶのか
刑(けい)とは、地支どうしが水面下で絡み合い、互いをすり減らす関係で、冲(ちゅう)のような正面衝突とは違います。寅巳申の特徴は、寅が巳を生じ(木生火)、巳の中には金も蔵されていて、本来なら相生の恩があるはずなのに、寅が巳を刑し、巳が申を刑し、申が寅を刑して、三者の蔵干が互いに剋し合うこと。恩があるのに傷つけ合う、恩を施したのに仇になる——だから昔の人は「無恩の刑」と名づけました。表立った争いよりも、恩と恨みがもつれて、助けるほどこじれていくような消耗として出やすいものです。
二、どの柱に出ると、何が動く?
刑には「罰・もめごと」の色合いがあり、寅巳申の三刑は、身の回りの安全(刃物や機械を扱う場面での不注意など)、トラブルや訴訟(紛争、書類をめぐる行き違い、口論)、人間関係と協力関係(身近な人や仕事仲間との摩擦のくり返し、引き立てた相手に背かれる)に出やすいとされます。どの柱に出るかで、どの家族、どの時期の人生に関わるかが変わります。なお、体の不安は占いではなく医療機関に相談してください。
三、いつ動き出す?
命式に寅巳申のうち二文字がすでにあれば、大運や流年で三文字目が巡ってきた年に三刑が成立し、もっともはっきり出ます。三文字がそろっている人は、刑にあたる運や年に巡ると再び動きます。その時期は、協力関係の急変、もめごとに巻き込まれる、といった慌ただしさが出やすくなります。
四、三刑は悪いだけ?——刑をもって刑を制す
そうとは限りません。刑には「刃を振るう・引き締める」気があり、正しい道に使えばかえって成果につながります。三刑を持つ人は、外科医、警察・自衛官、司法、鑑識、監査など「正当に刃を振るい、ルールを守り、もめごとを収める」仕事に就くと、人一倍安定して力を発揮しやすいといわれます。激しい気に正当な出口ができれば、自分に跳ね返ってこなくなります。怖いのは、使い道がないまま運で刺激されることです。(以上は伝統的な命理の考え方で、参考程度にとどめ、専門的な助言に代わるものではありません。)
五、ある命式の物語
ある男性は数年前、一人の後輩を熱心に引き立てました(命式のこの寅巳申の刑に対応していました)。親身に指導し、手持ちのチャンスもすべて回してあげたのに、相手は力をつけると、逆に彼と利益を争い、足を引っ張るようになりました。これがまさに「無恩の刑」——裏切りは、自分が差し伸べた手の中に潜んでいることが多いのです。その後、彼はこの「刑」の気を、公正さと規律が求められる監査の仕事に向けました。人ではなく事実を見るようにすると、もめごとがまとわりつくことはなくなりました。刑は、使う場所を間違えなければ規律になり、間違えると内側で消耗するのです。
あなたの命式に寅巳申の三刑はありますか?
三刑がどの柱に出ているか、関わるのが身の回りのことか協力関係かは、四柱すべてを見てはじめて判断できます。生年月日を入力すれば無料で命式を出せます。
よくある質問
寅巳申の三刑は三文字そろわないと成立しませんか?
三文字そろうと力がもっとも完全になります。二文字(寅巳、巳申など)だけでも刑は成立しますが、力はやや軽くなります。大運・流年で三文字目がそろう年に、刑がもっともはっきり出ます。
寅巳申の三刑があると必ず裏切られますか?
そうとは限りません。「恩から恨みが生まれる、協力がこじれる」という傾向を示すものですが、用神か忌神か、和らげる要素があるかによって違い、誰もが裏切られるわけではありません。
寅巳申の三刑は良いものですか、悪いものですか?
刑には引き締める厳しい気があり、外科、警察・自衛官、司法、監査などの正しい道に使えばかえって成果につながります。怖いのは使い道がなく、激しい気が自分に跳ね返ることです。
寅巳申の三刑はどう和らげますか?
伝統的には、その人の用神・喜神にあたる五行で間を取り持つ、あるいは刑の気を「刑をもって刑を制す」正当な職業へ向けるとされます。人間関係では組む相手を慎重に選び、一歩ぶんの余地を残しておくこと。命理上の調整の考え方で、参考程度にとどめてください。