月老霊籤 第89番(中)

卜以決疑,不疑何卜? 占いは迷いを決めるためのもの、迷いがないのに何を占うのか?

籤の原文と現代語訳

卜以決疑
占いは迷いを決めるためのもの、

不疑何卜?
迷いがないのに何を占うのか?

籤番等級出典
第89番(第八十九籤)中(吉凶半ば)『春秋左氏伝』桓公十一年
《左傳・桓公十一年》

典故:原典は何を語っているか

楚の将軍・闘廉(とうれん)は「占いは迷いを晴らすためのもの。迷いがないのに、何を占う必要があろう」と言いました。

魯の桓公(かんこう)十一年(紀元前701年)、楚の莫敖(ばくごう)の屈瑕(くつか)は、弐(じ)・軫(しん)の二国と盟約を結びに行こうとしていました。鄖(うん)の国は蒲騒(ほそう)に軍を置き、随(ずい)・絞(こう)・州(しゅう)・蓼(りょう)と連合して楚軍を迎え撃とうとしていて、屈瑕はたいへん心配していました。

楚の将・闘廉(とうれん)は分析します。鄖軍は自国の郊外に陣を張っているので、きっと気が緩み、四国の援軍を当てにしているだけだろう。あなたは郊郢(こうえい)に陣取って四国を食い止めてください。私は精兵を率いて夜襲をかけます。鄖の人々には戦意がないので、ひとたび敗れれば、四国は自然に散り散りになるでしょう、と。屈瑕は、なぜ王に増援を求めないのか、と問います。闘廉は、戦に勝つのは心を一つにすることによるのであって、数の多さによるのではない、と答えます。屈瑕はさらに、では占ってみようか、と言いました。闘廉は答えました。卜以決疑,不疑何卜(卜(ぼく)は以て疑いを決す、疑わずんば何ぞ卜せん=占いは迷いを断つためのもの、迷っていないのに何を占うのか)。

楚軍は果たして蒲騒で鄖軍を破り、盟約を結んで帰還しました。この言葉は後によく引かれ、心のなかに定まった考えがあるなら、何事も鬼神に伺いを立てる必要はない、という意味で使われます。それが月老籤のなかに出てくるのは、なかなか自らを言い当てた趣があります。籤を引くこと自体、一種の占いなのですから。

意味

あなたの心には、実はもう答えがあります。自分の判断に従って動きましょう。

ひとこと:自分の判断を信じて。

これは籤の文句と原典に沿った読み方です。あなたの問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねるのがいちばん確かです。

月下老人に籤を願う手順(台湾の廟の場合)

  1. 月下老人(月老)は、城隍廟や媽祖廟(天后宮)などの脇殿に祀られていることが多い神様です。廟の順路に従って、まず主神にお参りしてから月老の前へ進みます。
  2. 月老に名前・生年月日・住所を告げ、いまの恋愛の状況と、尋ねたい一つのことを伝えます(たとえば「この関係は長続きしますか」「いつ相手に出会えますか」)。
  3. 三日月形の木片二つ「ポエ(筊杯)」を投げ、籤を引いてよいか伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出る「聖杯(せいはい)」が「はい」の合図です。竹の棒を一本引いたら、もう一度ポエを投げて「この番号でよいか」を確かめます。聖杯が三回続くまで確かめる廟が多く、出なければ引き直します。
  4. 番号の籤紙を受け取ります。月老籤の文句は古典の原文なので、意味はもとの文脈と合わせて読むのが基本です。わからなければ廟の解籤の方に尋ねます。

一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の言葉と照らし合わせやすくなります。月老籤は縁結び・恋愛専用の籤なので、ほかのことは廟の一般の籤詩で伺います。

よくある誤解

「下」の籤が出たら、この恋はもう望みがない。

等級は大まかな方向にすぎません。月老籤の多くは心構えややり方を戒めるもので、同じ籤でも尋ねる事柄によって意味が変わります。

よい籤が出るまで、同じことを何度も引き直してよい。

習わしでは一つのことに一度だけ引きます。迷いが残るなら、廟の解籤の方に尋ねるか、しばらく時間をおいてから改めて伺います。

前の籤:第88番/次の籤:第90番

ひとこと正直に:籤は信仰で、現代語訳と解説は本サイトの読み方です

籤の原文は、ネット上に流布する三つの版を比べたうえで、『詩経』・四書・『春秋左氏伝』・『西廂記』などの原典と一句ずつ照らし合わせています。明らかな写し間違いだけを改め、改めた箇所は各ページに流布本の字を示しました。等級は流布本に従い、本サイトが独自に吉凶を判断することはしません。現代語訳・典故の解説・意味・ひとことは本サイトが籤と原典から書いたもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねてください。恋愛以外の法律・医療・お金の問題は専門家に相談してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

籤のあとは、二人の命式を

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月老霊籤 第89番のよくある質問

月老霊籤の第89番には何と書かれていますか?

「卜以決疑,不疑何卜?」という文句で、現代語にすると「占いは迷いを決めるためのもの、迷いがないのに何を占うのか?」という意味です。等級は中、出典は『春秋左氏伝』桓公十一年です。

月老霊籤の第89番はどういう意味ですか?

あなたの心には、実はもう答えがあります。自分の判断に従って動きましょう。ひとこと添えるなら、自分の判断を信じて。