月老霊籤 第69番(中)

天下多負人,何必是。 世の中には人を裏切る者が多い、その人でなければならないことはない。

籤の原文と現代語訳

天下多負人
世の中には人を裏切る者が多い、

何必是
その人でなければならないことはない。

籤番等級出典
第69番(第六十九籤)中(吉凶半ば)『春秋左氏伝』成公二年(巫臣の言葉「天下多美婦人,何必是」の言い換え)
語本《左傳・成公二年》巫臣「天下多美婦人,何必是」

典故:原典は何を語っているか

楚の大夫・巫臣が、夏姫(かき)を娶ろうとする子反(しはん)をいさめて「天下に美女は多い、その人でなければならないことはない」と言った言葉がもとで、籤では「美女」を「人を裏切る者」に置き換えています。

この籤の文句の確かな出典は突き止められていません。もっとも近いのは、『左伝』成公(せいこう)二年に見える巫臣(ふしん)の言葉「天下に美婦人多し、何ぞ必ずしも是ならん(天下に美しい女性は多い、この人でなくてもよいではないか)」です。かつて陳の夏徴舒(かちょうじょ)が君主を殺したとき、楚の荘王は兵を出して討伐し、彼の母・夏姫(かき)を捕らえました。荘王は彼女を後宮に入れようとしましたが、大夫の巫臣は、兵を出したのはもともと罪を討つためで、彼女を迎え入れれば色を貪ったことになる、と諫め、荘王は思いとどまりました。将軍の子反(しはん)も彼女をめとろうとしましたが、巫臣はまた、この女性は多くの人の死、さらには陳の滅亡にまで関わっている、と言い、子反もようやくあきらめました。

夏姫はその後、連尹(れんいん)の襄老(じょうろう)に与えられます。襄老が戦死すると、巫臣は手を尽くして彼女を実家の鄭へ帰らせ、何年も後、使者に立った機会に一族を挙げて出奔し、夏姫をめとって晋へ身を寄せました。子反は激怒して巫臣の一族を殺し、巫臣は呉の人々に戦車での戦い方を教えて、楚を疲弊させました。月老籤が借りているのは、「何ぞ必ずしも是ならん」という、あの一言の口ぶりだけです。

意味

裏切られることは世の中によくあることで、一人の人にこだわり続ける必要はありません。手放してこそ、新しい始まりがあります。

ひとこと:一度傷ついたからといって、すべての人を疑わないで。

これは籤の文句と原典に沿った読み方です。あなたの問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねるのがいちばん確かです。

月下老人に籤を願う手順(台湾の廟の場合)

  1. 月下老人(月老)は、城隍廟や媽祖廟(天后宮)などの脇殿に祀られていることが多い神様です。廟の順路に従って、まず主神にお参りしてから月老の前へ進みます。
  2. 月老に名前・生年月日・住所を告げ、いまの恋愛の状況と、尋ねたい一つのことを伝えます(たとえば「この関係は長続きしますか」「いつ相手に出会えますか」)。
  3. 三日月形の木片二つ「ポエ(筊杯)」を投げ、籤を引いてよいか伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出る「聖杯(せいはい)」が「はい」の合図です。竹の棒を一本引いたら、もう一度ポエを投げて「この番号でよいか」を確かめます。聖杯が三回続くまで確かめる廟が多く、出なければ引き直します。
  4. 番号の籤紙を受け取ります。月老籤の文句は古典の原文なので、意味はもとの文脈と合わせて読むのが基本です。わからなければ廟の解籤の方に尋ねます。

一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の言葉と照らし合わせやすくなります。月老籤は縁結び・恋愛専用の籤なので、ほかのことは廟の一般の籤詩で伺います。

よくある誤解

「下」の籤が出たら、この恋はもう望みがない。

等級は大まかな方向にすぎません。月老籤の多くは心構えややり方を戒めるもので、同じ籤でも尋ねる事柄によって意味が変わります。

よい籤が出るまで、同じことを何度も引き直してよい。

習わしでは一つのことに一度だけ引きます。迷いが残るなら、廟の解籤の方に尋ねるか、しばらく時間をおいてから改めて伺います。

前の籤:第68番/次の籤:第70番

ひとこと正直に:籤は信仰で、現代語訳と解説は本サイトの読み方です

籤の原文は、ネット上に流布する三つの版を比べたうえで、『詩経』・四書・『春秋左氏伝』・『西廂記』などの原典と一句ずつ照らし合わせています。明らかな写し間違いだけを改め、改めた箇所は各ページに流布本の字を示しました。等級は流布本に従い、本サイトが独自に吉凶を判断することはしません。現代語訳・典故の解説・意味・ひとことは本サイトが籤と原典から書いたもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟の解籤の方に尋ねてください。恋愛以外の法律・医療・お金の問題は専門家に相談してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

籤のあとは、二人の命式を

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月老霊籤 第69番のよくある質問

月老霊籤の第69番には何と書かれていますか?

「天下多負人,何必是。」という文句で、現代語にすると「世の中には人を裏切る者が多い、その人でなければならないことはない。」という意味です。等級は中、出典は『春秋左氏伝』成公二年(巫臣の言葉「天下多美婦人,何必是」の言い換え)です。

月老霊籤の第69番はどういう意味ですか?

裏切られることは世の中によくあることで、一人の人にこだわり続ける必要はありません。手放してこそ、新しい始まりがあります。ひとこと添えるなら、一度傷ついたからといって、すべての人を疑わないで。