フリーダ・カーロの四柱推命:真夏の炎と、正面からぶつかる偏官

フリーダ・カーロは 18 歳のとき、乗っていたバスが路面電車と衝突して大けがを負い、何か月も寝たきりになりました。母親がベッドの天蓋に鏡を取り付け、彼女はその鏡に映る自分を描き始めます。やがて二十世紀を代表する画家のひとりとなり、1939 年にはルーヴル美術館に作品が収蔵された初めてのメキシコ人画家になりました。出生時刻は出生登録に残っており、命式は丁未 丙午 丙辰 壬辰。真夏に生まれた丙火で、年・月・日の三柱がすべて火、そこへ時柱の偏官(七殺)の壬水が正面からぶつかってきます。当サイトのエンジンは中和と判定します。この命式でいちばんきれいにそろっているのは、病床で絵を描き始めてから作品がルーヴルに入るまでの三十年、大運が天干も地支も喜神だったことです。

出生データ:出生登録

項目内容
生年月日1907 年 7 月 6 日
時刻午前 8:30(現地時刻)
場所メキシコシティ・コヨアカンの「青い家」(カサ・アスール)、西経 99.2°
出典メキシコ連邦区の公文書館にある出生登録。出生データ集 Astro-Databank で最高の AA 評価。本人はメキシコ革命が始まった 1910 年生まれとよく語っていたが、登録は 1907 年
真太陽時約 8:26、辰の刻(7〜9時)

メキシコが標準時を採用したのは 1922 年で、1907 年には各地が地方時を使っていました。地方平均時に 7 月初めの均時差を加えると 8:26 で、辰の刻の中にしっかり収まります。念のため十二の時辰すべてで命式を出したところ、10 通りで喜神は土・金が中心、子の刻と丑の刻だけが木・火に変わりました。以下は出生登録の辰の刻を使います。

四柱と通変星

フリーダ・カーロの命式(当サイトのエンジン)

1907 年 7 月 6 日 辰の刻・女性

年柱丁未
月柱丙午
日柱・日干丙辰
時柱壬辰
  1. 日干は丙火で、午月生まれ。真夏は火の最盛期で、丙火は季節を得ています。
  2. 年柱は丁未、月柱は丙午。天干はすべて火で、午と未も支合して火になります。比劫(ひごう)が非常に強い命式です。
  3. 時干の壬水は偏官で、月干と日干の二つの丙火を同時に冲します。命式で唯一の水が、燃えさかる火へ正面からぶつかる形です。
  4. 日支と時支の二つの辰土は食神で、辰には癸水が蔵されています。火が才能を外へ流す出口であり、同時に偏官の根でもあります。
柱干支天干の通変星蔵干(通変星)
年柱丁未劫財己(傷官)・丁(劫財)・乙(印綬)
月柱丙午比肩丁(劫財)・己(傷官)
日柱丙辰日干戊(食神)・乙(印綬)・癸(正官)
時柱壬辰偏官戊(食神)・乙(印綬)・癸(正官)
0.520日干の強さの点数
0.35〜0.55当サイトの中和の範囲
土・金喜神
木・火忌神

当サイトの強弱エンジンは、季節、根、透干、印・比劫の助けと、財・官・食傷による消耗を点数化します。0.35 未満は身弱、0.55 を超えると身強です。

点数は 0.520 で、中和のやや強め寄りです。火はすでに十分強いので、喜神は火を洩らす土(食傷)と、力を費やす金(財)。忌神はこれ以上の木(印)と火(比劫)です。調候(ちょうこう)の面では、真夏は暑く乾きがちですが、時干の壬水と辰に蔵される癸水が命式を潤すので、当サイトのエンジンは「命式にすでに水があり、潤いは足りている」と判定します。

燃えさかる火に偏官が正面からぶつかる形は、伝統的に「生涯激しい衝撃に向き合い、その衝撃によって力を爆発させる」と読まれます。二つの辰土の食神は火の出口で、創作と表現を表します。大けがのあとに絵筆を取った画家に当てはめれば、この構造はわかりやすく説明がつきます。ただしそれは後からの読みで、同じ日の同じ時辰に生まれた人の大半は、あの事故に遭っていません。

大運:喜神の三十年は、すべてキャンバスの上に

女性で年干の丁は陰干なので、大運は順行し、2 歳から始まります。

大運通変星年喜忌この時期の出来事
丁未劫財1908〜1917忌/喜コヨアカンの青い家で育つ。父は写真家
戊申食神1918〜1927喜/喜1922 年、メキシコ屈指の国立予科高等学校に入学し、医学を志す。1925 年に事故で大けがを負い、寝たきりの間に絵を描き始める
己酉傷官1928〜1937喜/喜1929 年に壁画家ディエゴ・リベラと結婚。1930 年代初めに彼とアメリカで暮らし、画風が固まっていく
庚戌偏財1938〜1947喜/喜1938 年、ニューヨークで初の個展。1939 年にパリで展示され、ルーヴル美術館が作品を収蔵。1940 年代は美術学校で教える
辛亥正財1948〜1957喜/平1953 年、生前唯一となるメキシコ国内での個展。1954 年 7 月に死去、47 歳

「喜/忌」は天干・地支の順に、その五行がこの命式にとって喜神・用神(喜)か、忌神(忌)か、どちらでもない(平)かを示します。

1918 年から 1947 年まで、戊申・己酉・庚戌の三つの大運は、天干も地支も喜神です。土は食傷、金は財で、前者は創作と表現を、後者は作品が人に見られ、収蔵されることを表します。この三十年は彼女の 11 歳から 40 歳にあたり、絵筆を取り、画風を確立し、ニューヨークとパリで展示した画業のすべてを覆っています。

フリーダ・カーロは 1954 年、わずか 47 歳で亡くなりました。当サイトでは四柱推命で健康・寿命・死因を論じません。これはこのシリーズのすべての命式で同じです。

合わないところ:事故の年

年年柱喜忌出来事
1925乙丑忌/喜9 月、乗っていたバスが路面電車と衝突し、大けがで寝たきりに
1929己巳喜/忌壁画家ディエゴ・リベラと結婚
1939己卯喜/忌パリで展示。ルーヴル美術館が自画像『ザ・フレーム』を収蔵

事故が起きた 1925 年は乙丑の年で、天干の乙木(印綬)は忌神、地支の丑土(傷官)は喜神と、喜忌が半々です。しかも天干地支とも喜の大運の中にあります。ふつうの読み方なら、大きな変事が起きる年には見えません。ここでは事実のまま並べておきます。彼女の人生最大の転機は、年の運にはっきりした兆しを残していません。当サイトが四柱推命で事故を予測しないのは、まさにこのためです。

命式が実際の人生と合わないところ

喜神の大運なら、平穏で順調に過ごせる。

彼女の事故は天干地支とも喜である戊申の大運の中で起き、その後は生涯痛みとともに生きました。喜の大運が表すのは命式の構造であって、身の安全の保証ではありません。

比劫が強い人は、人付き合いが難しい。

彼女の命式は比劫が非常に強いのに、周りには芸術家、革命家、学生が集まり、青い家は当時のメキシコ文化界の中心でした。通変星が表すのは傾向であって、人間関係の結論ではありません。

命式を見れば、伝説的な画家になるとわかった。

わかりません。1907 年 7 月 6 日の辰の刻に生まれた女性は、世界におそらく数千人います。メキシコ革命後の民族芸術運動も、リベラとの結婚がもたらした国際的な人脈も、どの命式にも書かれていません。

紫微斗数の命盤

同じ出生時刻を紫微斗数(しびとすう)で出したものです(三合派。当サイトの紫微斗数の命盤作成と同じエンジンで、上の四柱推命と同じ真太陽時を使っています)。四柱推命は五行の強弱と喜忌を見、紫微斗数はどの星がどの宮に入るかを見ます。二つの体系は問いが違うので、まず紫微の命盤を単独で示し、そのうえで四柱推命の読みとどこが一致し、どこが違うかを説明します。

金色の枠が命宮、薄い色が命宮の三方四正(財帛宮・官禄宮・遷移宮)です。色付きの小さな札は生年四化、赤字は六煞星、星名の後ろの小さな字は廟旺(明るさ)です。

項目内容
命宮(寅)廉貞(廟)
身宮財帛宮
五行局金四局(4 歳から大限、順行)
生年四化太陰化禄が奴僕宮に・天同化権が田宅宮に・天機化科が疾厄宮に・巨門化忌が疾厄宮に
財帛宮紫微(得)・天相(得)
官禄宮武曲(旺)・天府(旺)
遷移宮貪狼(平)
夫妻宮七殺(旺)

フリーダの紫微の命盤は廉貞が命宮(寅宮、廟)に入り、鈴星が同居します。廉貞は紫微斗数でもっとも複雑な星で、古書は「次桃花」と呼び、激しい感情、芸術性、妥協しない気質も表します。対宮の遷移宮は貪狼に左輔・文曲。貪狼は才芸と欲望の星、文曲は芸術と文才をつかさどります。官禄宮は武曲・天府がそろって旺で、右弼・文昌・禄存も加わり、命盤でいちばん明るい宮です。夫妻宮は七殺で、伝統的には感情が激しく起伏の大きい関係と読まれます。彼女は壁画家ディエゴ・リベラと二度結婚し、その関係自体が多くの作品の主題になりました。ここでは伝統的な読み方を説明するだけで、この結婚については論評しません。

流派、閏月、子の刻の扱いは紫微斗数の命盤ページの設定説明を、二つの体系の違いは四柱推命と紫微斗数をご覧ください。後知恵への注意はここでも同じです。結果を知ってから命盤を見れば、どの星にも説明がついてしまいます。

西洋占星術のホロスコープ

同じ出生の瞬間を、西洋占星術のホロスコープ(出生図)で出したものです(トロピカル方式、プラシーダス方式のハウス。当サイトのホロスコープ作成と同じエンジン)。ホロスコープは生まれた瞬間の空を使うので真太陽時への換算は不要ですが、アセンダントとハウスを決めるには出生地の緯度が必要です。四柱推命と紫微斗数はどちらも暦から導きますが、ホロスコープは惑星の位置を直接計算します。三つの体系は出発点が違うため、まずホロスコープを単独で示し、そのうえで四柱推命・紫微斗数の読みと重なる点を説明します。

牡羊牡牛双子蟹獅子乙女天秤蠍射手山羊水瓶魚123456789101112ASCMC月29°冥23°金24°海12°日13°木20°北交23°水6°天10°R火13°R土27°
出生登録 8:30・1907-07-06 8:30(地方平均時)
項目内容
太陽蟹座 13°22′、第11ハウス
月牡牛座 29°42′、第10ハウス(エグザルテーション)
アセンダント(ASC)獅子座 23°31′
支配星太陽、蟹座の第11ハウス(アセンダントの星座の古典的な支配星)
MC(天頂)牡牛座 23°20′
水星獅子座 6°20′、第12ハウス
金星双子座 24°20′、第10ハウス
火星山羊座 13°23′、第5ハウス、逆行(エグザルテーション)
木星蟹座 20°26′、第11ハウス(エグザルテーション)
土星魚座 27°26′、第8ハウス
十天体のエレメント火 1・地 3・風 2・水 4/活動宮 5・不動宮 2・柔軟宮 3
もっとも緊密なアスペクト太陽と火星のオポジション(0.0°)・金星と冥王星のコンジャンクション(0.6°)・太陽と海王星のコンジャンクション(1.0°)

アセンダントは獅子座で、支配星は太陽そのものです。獅子座は自己、表現、「見られること」をもっとも重んじる星座。彼女は生涯で五十点を超える自画像を描き、「私は自分を描く。ひとりでいることが多く、自分がいちばんよく知っている題材だから」と語りました。連想せずにはいられない配置です。太陽は蟹座にあり、火星とオーブ 0.0° の正確なオポジションをなします。蟹座は家庭、感情、身体の感覚を重んじ、火星は意志、衝突、痛みを表します。この二つが真正面から引き合う形は、伝統的に「生涯、感情と意志がせめぎ合う」と読まれます。月は牡牛座でエグザルテーション。具体的で官能的な、色の濃いものを好み、彼女の絵の鮮やかなメキシコの色彩と重なります。後知恵への注意:どの対応もよく当てはまりますが、だからこそ、私たちは彼女の物語を先に知ってから命盤を読んでいることを忘れないでください。

括弧内のドミサイル・エグザルテーション・フォール・デトリメントは、惑星がその星座で力を発揮しやすいかどうかを表す古典的な分類で、吉凶の判定ではありません。三大星座、十天体、アスペクトの読み方はアセンダント、月星座、十天体、アスペクトをご覧ください。後知恵への注意はここでも同じです。結果を知ってからホロスコープを見れば、どの星座にも説明がついてしまいます。

正直なひとこと:有名人の人生から命式を振り返ると、何でも当たって見える

私たちはフリーダ・カーロがその後に何を成し遂げたかをすでに知っているので、命式を振り返ればどの字にも何かしらの説明がついてしまいます。心理学でいう後知恵バイアスです。だからこのページでは、命式と合わないところもあえて並べました。逆の立場で考えてみてください。この命式を名前を伏せて十人の鑑定士に見せても、「伝説的な画家になる」と言い当てる人はまずいないでしょう。命式が語れるのは、その人がどんなやり方で物事を成し遂げ、どんな代償を払い、いつ浮き沈みが来るかであって、成功の大きさは測れません。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものであり、投資の助言ではありません。

あなたの命式の火は強い?

このページの四柱、強弱の点数、大運は、すべて当サイトのトップページの命式と同じエンジンで出しています。生年月日を入れれば、あなたの日干が強いか弱いか、偏官が透っているか、どの五行が喜神かがわかります。

あなたの用神・喜神は?

生年月日と出生時刻を入れて、四柱、日干の強弱、用神・喜神、大運を無料で確かめてみましょう。

フリーダ・カーロの命式のよくある質問

フリーダ・カーロは何時に生まれましたか?

出生登録によると、1907 年 7 月 6 日午前 8 時 30 分、メキシコシティ・コヨアカン生まれです。本人は 1910 年生まれとよく語っていましたが、登録は 1907 年です。真太陽時に換算すると約 8:26、辰の刻です。

フリーダ・カーロの命式は?

丁未 丙午 丙辰 壬辰です。日干は午月生まれの丙火で、年・月・日の三柱がすべて火。時干の偏官・壬水が日干を冲し、日支と時支は二つの辰土の食神です。

フリーダ・カーロは身強ですか、身弱ですか?

中和のやや強め寄りで、当サイトのエンジンの点数は 0.520 です。火が非常に強く、土・金が喜神、木・火が忌神です。

創作の時期の大運は?

1918〜1947 年、天干も地支も喜神の大運が三つ続き、絵筆を取ってから作品がルーヴルに収蔵されるまでの画業をすべて覆っています。ただ、1925 年の事故もこの期間の中で起きており、喜の大運が安全の保証ではないことを示しています。

フリーダ・カーロの星座は?

太陽は蟹座、月は牡牛座(エグザルテーション)、アセンダントは獅子座です。太陽と火星はほぼ正確なオポジションをなします。