観音霊籤 第65番(下籤)

「目の前の喜びは、まだ本当の喜びではない」――第65番はこう始まります。下に籤詩の原文、全文の現代語訳、典故の解説、聖意(問いごとの答え)、そして読み解きのヒントを載せています。

籤詩の原文

眼前歡喜未為歡

危不危兮安不安

割肉成瘡因甚事

不如守舊得安全

現代語訳(本サイト訳):

目の前の喜びは、まだ本当の喜びではない
危ういようで危うくなく、安らかなようで安らかでない
肉を割いて傷口を作るのは、何のためか
今のままを守って、無事でいるほうがよい
籤番号等級宮典故
第65番下籤卯宮孫臏、龐涓を追い詰める(孫臏困龐涓)

典故の解説:孫臏は嫉妬した同門の龐涓に足を奪われましたが、のちに馬陵で龐涓を待ち伏せにかけ、討ち取りました。

もう一つの版

観音籤には広く流布した二系統の字句があり、この籤のもう一つの版は 「眼前歡喜未為歡,亦不危時亦不安,割肉補瘡為甚事,不如守舊待時光」 です。ところどころ字は違いますが、意味は上の版とほぼ同じです。

詩意と解曰

詩意(しい)はその籤の「象(しょう)」をひとことで示し、解曰(かいえつ)は四字句を連ねた短い評です。

項目原文現代語訳
詩意此卦割肉成瘡之象。凡事只宜守舊待時。肉を割いて傷を作る象。何ごとも今のままを守り時を待つこと。
解曰知止則止。知寬自寬。割自身肉。疾痛一般。止まるべきを知って止まり、ゆとりを知ってゆったりする。自分の肉を割くのは、痛みは同じこと。

聖意(問いごとの答え)

聖意(せいい)は、問いの種類ごとに短い答えを示したものです。自分が尋ねたことに当たる行を見てください。

尋ねたこと原文意味
家庭・住まい不安落ち着かない
自分自身口舌口論
金運不利不利
取引・商売小人つまらない人に注意
結婚不長長続きしない
妊娠・出産有驚驚くことがある
旅先・離れている人阻妨げがある
田畑・養蚕損損が出る
家畜損損が出る
人探し招非面倒を招く
訴訟虧損をする
引っ越し守舊現状を守る
失せ物難尋探しにくい
お墓不利不利

聖意にはもともと「疾病」の項目がありますが、本サイトでは載せていません。体調がすぐれないときは医療機関を受診してください。

読み解き

目の前の喜びが本物とは限らず、危ういのか安全なのかもはっきりしません。自分の肉を割いて傷を繕うようなもので、割に合いません。

ヒント:今のままを守って時を待ちましょう。自分を傷つける決断はしないこと。

これは字面から読み取った本サイトの解説です。ご自身の問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤に従ってください。

台湾の廟での観音籤の引き方

  1. 線香をあげ、観音菩薩に自分の名前・生年月日・住所を告げてから、尋ねたいことを一つはっきり伝えます。
  2. 三日月形の木片二つ一組の「ポエ」(筊杯)を投げて、籤を引いてよいかを伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出れば「聖杯」(聖筊)で、許しが出たしるしです。それから竹の筒を振って、番号のついた籤棒を一本引きます。
  3. もう一度ポエを投げて、その一本でよいかを確かめます。聖杯が三回続けて出たら確定、という廟が多く、出なければ引き直します。
  4. 同じ番号の籤紙をもらい、まず詩全体の意味を読み、それから「聖意」のうち自分の問いに当たる項目を見ます。わからなければ廟の方に解籤をお願いできます。

一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の意味を当てはめやすくなります。

よくある誤解

下籤を引いたら、その件は必ずうまくいかない。

下籤はたいてい「いったん止まる」「今あるものを守る」「やり方を変える」ための合図です。同じ詩でも、問う内容によって意味は変わります。

同じことを、上籤が出るまで何度でも引き直してよい。

習わしでは一つの件につき一度だけ引きます。迷いが残るなら廟の方に解籤を頼むか、しばらく時間をおいてから改めて尋ねましょう。

前の籤:第64番 次の籤:第66番

おことわり:籤は信仰であり、現代語訳と解説は本サイトの読み方です

籤詩の原文・詩意・解曰・聖意は、台湾のサイト「解籤閣」がまとめた観音籤百首に拠り、ほかの二つの資料と一首ずつ照合しています。廟によって字句や等級が少しずつ異なります。現代語訳と解説は、本サイトが字面から読み取ったもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟や解籤の係の方にお尋ねください。法律・医療・お金の問題は専門家に相談し、体調がすぐれないときは医療機関を受診してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

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観音霊籤 第65番のよくある質問

観音霊籤の第65番は吉ですか、凶ですか?

籤紙の等級は下籤で、卯宮に属し、典故は「孫臏、龐涓を追い詰める」です。日本のおみくじの大吉・凶とは付け方が違うので、等級より詩全体の意味を見てください。

観音霊籤の第65番には何と書いてありますか?

原文は 「眼前歡喜未為歡,危不危兮安不安,割肉成瘡因甚事,不如守舊得安全」。現代語訳すると「目の前の喜びは、まだ本当の喜びではない。危ういようで危うくなく、安らかなようで安らかでない。肉を割いて傷口を作るのは、何のためか。今のままを守って、無事でいるほうがよい」となります。

観音霊籤の第65番はどういう意味ですか?

目の前の喜びが本物とは限らず、危ういのか安全なのかもはっきりしません。自分の肉を割いて傷を繕うようなもので、割に合いません。ヒント:今のままを守って時を待ちましょう。自分を傷つける決断はしないこと。