観音霊籤 第64番(下籤)

「たとえば金の鱗の魚を、青いさざ波に放しても」――第64番はこう始まります。下に籤詩の原文、全文の現代語訳、典故の解説、聖意(問いごとの答え)、そして読み解きのヒントを載せています。

籤詩の原文

譬若金鱗放碧漪

暗遭羅網四邊圍

思量無計翻身出

命到泉關苦獨悲

現代語訳(本サイト訳):

たとえば金の鱗の魚を、青いさざ波に放しても
ひそかに網が四方から取り囲む
あれこれ考えても、抜け出す手立てはなく
行き詰まって、ひとり苦しみ悲しむ
籤番号等級宮典故
第64番下籤卯宮馬前の覆水(馬前覆水)

典故の解説:朱買臣の妻は貧しさを嫌って去りましたが、彼が高官になると復縁を願いました。朱買臣は馬の前に水をこぼし、もう戻らないと答えたといいます。日本の「覆水盆に返らず」のもとになった話の一つです。

もう一つの版

観音籤には広く流布した二系統の字句があり、この籤のもう一つの版は 「游魚卻在碧波池,撞遭羅網四邊圍,思量無計番身出,事到頭來惹事非」 です。ところどころ字は違いますが、意味は上の版とほぼ同じです。

詩意と解曰

詩意(しい)はその籤の「象(しょう)」をひとことで示し、解曰(かいえつ)は四字句を連ねた短い評です。

項目原文現代語訳
詩意此卦魚遭羅網之象。凡事亦宜提防也。魚が網にかかる象。何ごとも用心すること。
解曰屋下安身。禍從天降。早覺先防。免遭災殃。家の中で安らかにしていても、禍は天から降ってくる。早く気づいて先に備えれば、災いを免れる。

聖意(問いごとの答え)

聖意(せいい)は、問いの種類ごとに短い答えを示したものです。自分が尋ねたことに当たる行を見てください。

尋ねたこと原文意味
家庭・住まい凶凶
自分自身險危うい
金運虛実入りが少ない
取引・商売中平ふつう
結婚不合合わない
妊娠・出産驚驚くことがある
旅先・離れている人有阻妨げがある
田畑・養蚕損損が出る
家畜衰衰える
人探し杳音沙汰なし
訴訟虧損をする
引っ越し吉吉
失せ物凶凶
お墓宜改改めるほうがよい

聖意にはもともと「疾病」の項目がありますが、本サイトでは載せていません。体調がすぐれないときは医療機関を受診してください。

読み解き

青い波を悠々と泳いでいた魚が、四方から網に囲まれ、抜け出そうにも手立てがありません。

ヒント:平穏なときこそ備えを。早く気づけば災いは避けられます。

これは字面から読み取った本サイトの解説です。ご自身の問いにどう当てはまるかは、籤を引いた廟の解籤に従ってください。

台湾の廟での観音籤の引き方

  1. 線香をあげ、観音菩薩に自分の名前・生年月日・住所を告げてから、尋ねたいことを一つはっきり伝えます。
  2. 三日月形の木片二つ一組の「ポエ」(筊杯)を投げて、籤を引いてよいかを伺います。平らな面と丸い面が一つずつ出れば「聖杯」(聖筊)で、許しが出たしるしです。それから竹の筒を振って、番号のついた籤棒を一本引きます。
  3. もう一度ポエを投げて、その一本でよいかを確かめます。聖杯が三回続けて出たら確定、という廟が多く、出なければ引き直します。
  4. 同じ番号の籤紙をもらい、まず詩全体の意味を読み、それから「聖意」のうち自分の問いに当たる項目を見ます。わからなければ廟の方に解籤をお願いできます。

一度に尋ねるのは一つだけ。問いが具体的なほど、籤の意味を当てはめやすくなります。

よくある誤解

下籤を引いたら、その件は必ずうまくいかない。

下籤はたいてい「いったん止まる」「今あるものを守る」「やり方を変える」ための合図です。同じ詩でも、問う内容によって意味は変わります。

同じことを、上籤が出るまで何度でも引き直してよい。

習わしでは一つの件につき一度だけ引きます。迷いが残るなら廟の方に解籤を頼むか、しばらく時間をおいてから改めて尋ねましょう。

前の籤:第63番 次の籤:第65番

おことわり:籤は信仰であり、現代語訳と解説は本サイトの読み方です

籤詩の原文・詩意・解曰・聖意は、台湾のサイト「解籤閣」がまとめた観音籤百首に拠り、ほかの二つの資料と一首ずつ照合しています。廟によって字句や等級が少しずつ異なります。現代語訳と解説は、本サイトが字面から読み取ったもので、廟の正式な解籤ではありません。実際の解釈は、籤を引いた廟や解籤の係の方にお尋ねください。法律・医療・お金の問題は専門家に相談し、体調がすぐれないときは医療機関を受診してください。本サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

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観音霊籤 第64番のよくある質問

観音霊籤の第64番は吉ですか、凶ですか?

籤紙の等級は下籤で、卯宮に属し、典故は「馬前の覆水」です。日本のおみくじの大吉・凶とは付け方が違うので、等級より詩全体の意味を見てください。

観音霊籤の第64番には何と書いてありますか?

原文は 「譬若金鱗放碧漪,暗遭羅網四邊圍,思量無計翻身出,命到泉關苦獨悲」。現代語訳すると「たとえば金の鱗の魚を、青いさざ波に放しても。ひそかに網が四方から取り囲む。あれこれ考えても、抜け出す手立てはなく。行き詰まって、ひとり苦しみ悲しむ」となります。

観音霊籤の第64番はどういう意味ですか?

青い波を悠々と泳いでいた魚が、四方から網に囲まれ、抜け出そうにも手立てがありません。ヒント:平穏なときこそ備えを。早く気づけば災いは避けられます。