四運・四緑木星 巽木(1924〜1943):目に見えないものが軍隊より速く走った

四運には四緑木星(中国式の星名は文曲)が配され、卦は巽(そん)、五行は木、方位は南東です。巽は風。形がなく、どこにでも入り込み、跡を残さないのに、森全体をしならせることができます。三運の雷が「弾ける」なら、四運の風は「吹きわたる」。今回の四運は1924年(大正13年)〜1943年(昭和18年)。この二十年で人類は二つのことを覚えました。声をすべての家庭の居間に届けること、そして爆弾を空へ運ぶこと。どちらも本質は同じ、影響力を地面の制約から解き放つことです。

九星
四緑木星(文曲)
卦
巽
五行
木
方位
南東
人物の象
長女
今回の周期
1924–1943前回 1744–1763

この運の気:「巽」とは何か

巽卦は二本の陽の下に一本の陰が伏す形――柔順に見えて、実はどこにでも入り込むのです。風は進んだり退いたり、形に沿って動くので、巽の長所はしなやかさ、伝播、説得で、短所は揺らぎ、ためらい、根の浅さです。古くから「巽は進退、不果(決めきれない)」といわれるのはこのためで、どこへでも吹いていけるかわりに、何もしっかりとはつかめません。

巽は長女、縄墨(まっすぐな基準)、命令、草木の気を表し、遠出と交易も司ります。四緑(文曲)は伝統的に文章、試験、名声をつかさどる星とされ、四運が当令のときは教育、世論、宣伝、情報伝達がとりわけ盛んになりやすいのです。この運の本当の力は、誰がどれだけの兵を持つかではなく、誰の声がより多くの人の耳に届くかにあります。

1924〜1943年:この二十年に起きたこと

この二十年、ラジオが家庭に入り、飛行機が大洋を越え、宣伝が兵器になりました。そしてまさにこの「風の技術」の上で、人類は第二次世界大戦へ向かいます。

一周期さかのぼる:1744〜1763年の同じ運

三元九運は180年で一巡するため、前回の四運は1744〜1763年でした。二つの周期を並べると、テーマの重なりはかなりはっきりしています。

前回の四運:1744〜1763年一つ前の180年周期

二つの周期の四運のキーワードは、どちらも「遠」です。七年戦争は欧州の戦争をインドと北米にまで広げ、第二次大戦は戦場を空へ押し上げました。乾隆帝は貿易を一つの港に束ね、ナチスは声をすべての居間に送り込みました。巽風の力は距離から自由になることです。商売に使っても、命令に使っても、扇動に使っても同じです。この運が残す教訓もはっきりしています。伝える費用が極端に下がれば、真実も嘘も同じ速さで広まるのです。

四運で追い風を受けるもの、退いていくもの

当運の五行は木です。木の性質に合う業種ややり方は少ない力で進み、反対の方向は同じ成果を得るのに余計な力が要ります。

追い風

当運で勢いを得るもの

  • 伝達とメディア:放送、出版、広告、広報
  • 教育と試験:学校、塾、学位、資格
  • 航空、宅配、越境貿易など「遠く」を相手にする商売
  • 説得型の仕事:営業、交渉、外交、教育
  • 巽は縄墨――基準、規格、協定をつくる側
退潮

相対的に退くもの

  • 根が浅く流行を追う業種は、風向きが変わると倒れる
  • 地理的な隔たりに守られた地元の独占(風は入ってくる)
  • 話すのが苦手で伝え方を知らない技術者は、口のうまい人に埋もれやすい
  • 長く一か所に根を下ろす商売は、揺れ動く時代には特に苦労する

あなたの命式と四運

四運も木の運ですが、三運の震木とは性質が違います。震は硬い木、巽はしなやかな木です。震はぶつかり、巽は回り込む。命式で木を喜ぶ人は、四運では三運のような力押しではなく、「人間関係、評判、発信」で進む道が向いています。とくに食傷や文昌貴人に力がある命式の人は、一本のペンや一つの口で局面を開きやすいでしょう。

木を忌む人は、巽のマイナス面である不果(決めきれなさ)に気をつけてください。風の悪いところは、いつも漂っていて、いつも新しい選択肢があること。そのせいで何でも試し、何も深まらないのです。そんなときにもっとも必要なのは金(規律、境界、物事を決着させる力)と土(成果を資産として固めること)です。ひとことで言えば、四運に機会は不足していない。不足しているのは、機会を立ち止まらせる力です。

正直なひとこと:照合は因果ではありません

上のリストは後から整理したものです。歴史上の出来事にはそれぞれ明確な政治・経済・技術の原因があり、「四運に入ったから」起きたわけではありません。どの二十年にも、ある卦象に合う大事件は見つかります。違いは、合うものが記憶され、合わないものが忘れられることだけです。

それでも読む価値があるのはなぜか。三元九運が役に立つ単位を与えてくれるからです。二十年は、ひとつのやり方が芽生え、定着し、やがて通用しなくなるまでの長さにちょうど重なります。四運を「その時代に何がいちばん少ない力で済んだか」を映す鏡として使えば、占いとして使うよりずっと役に立ちます。当サイトの内容は参考・娯楽を目的としたものです。

前の運三運・震木 1904–1923 次の運五運・中宮(卦なし)土 1944–1963

あなたの命式は木を喜ぶか、忌むか

時代がどの運にあるかは、誰にとっても共通の背景です。実際に順調かどうかを決めるのは、あなた自身の五行の喜忌と大運。まず命式を出して、日干の強弱と用神・喜神を確かめてください。

四運(巽木)のよくある質問

四運は何年から何年までですか?

今回の三元九運の周期では、四運は西暦1924年から1943年までで、区切りは立春です。前回の四運は1744〜1763年でした。四運は中元の最初の運で、三運(1904〜1923年)と五運(1944〜1963年)のあいだにあたります。

四運の巽木と三運の震木はどう違うのですか?

同じ木でも性質は反対です。震は雷、硬い木、長男で、下から上への正面衝突を表し、革命や突発を象徴します。巽は風、しなやかな木、長女で、どこにでも入り込む浸透を表し、伝播、説得、号令が遠くまで届くことを象徴します。現代風にいえば、三運は衝突で世界を変え、四運は影響力で世界を変えたのです。

四緑は試験運の星ですか?

伝統的には、四緑(文曲)は文章、試験、名声と結びつけられ、玄空風水ではよく「文昌位」を論じるのに使われます。日本の九星気学でも四緑木星は「風・信用・遠方」の星とされますが、使い方は異なります。三元九運の物差しで見ると、この意味は時代全体の特徴にまで広がり、四運が当令の時代には教育、世論、宣伝、情報伝達が特に発達します。今回の四運(1924〜1943年)はちょうどラジオが普及し、宣伝が国家の兵器になった二十年で、対照はかなり鮮やかですが、これも後からの照合で、試験運を保証する公式ではありません。

巽卦の「進退、不果」とはどういう意味ですか?

巽は風で、風は形に沿って動き、行き来が定まりません。そのため古典は「進退」「不果」という言葉で巽を形容しました。どこへでも吹いていけるが、何もしっかりとはつかめない、ということです。個人に当てはめると、機会も選択肢も多いのに、どれも浅くかじるだけでなかなか決められない状態です。解決策は金と土を補うこと。金は規律と境界を、土は試して得たものを資産として固める力を与えてくれます。